国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   飼育   れんこ

 一九六七年、鎌倉の海岸で一匹のチョウチ
ンアンコウが拾われ、水族館で八日間生きた。
駿河湾は発光生物や深海魚の宝庫なのだが、
その深海魚のほとんどが、水族館では飼育で
きず、飼育したというよりも生存していたと
いうほうがふさわしい状態だった。水族館で
は、傷つきやすい深海魚を回復させる事はで
きないので、飼育するのは難しいが、現在の
技術で、挑戦してほしい。
 前にこんな事があった。私の家には、五年間
飼っている金魚がいた。名前は無く、みんな
「金魚くん」などと呼んでいた。この金魚く
んは、ペットショップで買ってきたもので、
ひれが、とてもきれいだった。
 この金魚は、ずっと人に飼われていたので、
むくむくと大きくなり、最初五センチ程だっ
たのが、十センチ以上になった。それでも、
エサは二日に一回はやるので、またむくむく
と大きくなっていった。
 でも、エサを与えなかった日が続くと、少
し元気がなくなってくる。水を少しの期間替
えないと、ヨタヨタし始める。
 人間が飼育することで、とても弱々しい生
き物になってしまうが、そのぶん人間は責任
をもってペットを飼わなければ、と思った。
 もう一つ似た話がある。私は、金魚の他に
もカメを飼っていた。このカメは、千葉の田
んぼでつかまえてきたもので、1年程飼育を
した。
 飼い方の本などを見ていると、カメは慣れ
てくると、手からエサをもらったりする、と
書いてあったが、このカメは、そんな気配も
ない。むしろ、顔をのぞきこむと、頭、手、
足をこうらの中にしまってしまう。
 また、私のイメージでは、カメは歩みがお
そい、という考えがあったのだが、このカメ
は違う。カメらしくない、すごい速さでド
ドドッと走る。それを知って以来、ケース
からださなくなった。
 一年たったが、カメは慣れないし、エサも
あまり食べなかったので、千葉の田んぼに逃
がすことにした。
 田んぼにカメを放つと、すごいスピードで
どこかへ行ってしまった。その姿を見て、
やはり野における蓮華草だ、と思った。
 このことを通して、動物というのは、人間に
よって、生き方が変わってしまう、という
ことが分かった。また、私のカメは、ケースの
中の生活には、慣れなかったようなので、ペ
ットを上手に飼うには、もっと自然界に近い
環境にすることも大切だということが分かった。

   講評   ninihu

☆構成 要約はとてもうまくまとめられました。これだけ読んでも、本文の内容がよくわかります。
☆題材 生き物の話なので、とても生き生きとしたいいエピソードが入りましたね。太った金魚では、人間の完全なペットとしての存在について深い考察を行えました。「そのぶん人間は責任をもって」という文がすばらしいです。
 つかまえてきたカメについては、金魚とちがって、いつまでたっても野性を失わない姿に驚きつつ、結局自然に帰した、というエピソード自体が感動的ですね。対照的な話でしたが、どちらも本当にりっぱに書けています。
☆表現 「やはり野に置け蓮華草」は、これ以上ないことわざでした(「る」はいりませんね)(笑)。自然のものは、自然にあるときが一番輝くということで、この足の速いカメさんもきっとうなずくことでしょう。
☆主題 動物と人間について考えを深めました。飼育するとき、野生生物の場合は本当に工夫しなければならないし、ペットの場合は完全に管理してやらなければなりませんね。どちらにしても、今の時代、動物の運命は人間次第というところがあるので、私たちは本当に自分たちの行動に責任を持たなければなりません。
 今回の作文は、本当にすばらしかったです。ずっと残しておくといいと思いますよ。



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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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