国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   現代の社会   しんご

 今日では、道徳的共同体をつぶしてきた法的社会がふつうの社会となり、国家となっている。しかし、今日、共同体が完全につぶされたわけではない。豪族など意識は、大きな共同体はすでにつぶされてしまっているが、依然として最小単位共同体の家族は残っている。そして一方、共同体意識の方は、今も人々の間にしぶとく生き続けてきている。孔子は為政者としての地位を求めて、諸国を流浪していた。ある時、葉という小さな街で、自分の父親の犯罪を証言した正直な息子を批判した。現代人のわれわれの大半はこの話を聞いて、父といえども犯罪者は法の裁きを受けるべきであり、証言に立つ子の立場を正しいとするであろう。法がしだいに、社会的に認知されつつあった春秋時代、すなわち孔子が生きていた時代では、法は、共同体側から見れば、自分たちの体制を崩す悪であるとするのが常である。各種共同体が機能しなくなってしまった現代では、法的処理の間にはさみこまれる共同体的処理が、逆に不正なこと、悪であるとされる。私もこれから、共同体的な生き方をしていきたい。
 そのためには第一に、法律よりも人間を見ることだ。私も、この間学校で他のクラスの友達が体操服を忘れてしまったときに貸してあげた。もし、体操服を貸さずその子が授業に出たら、一時間分欠席扱いになってしまうので貸すことにした。その他にも、連日テレビや新聞などをにぎわせている殺人事件もそうである。例えば、お金目的であったり、誰でも良いから殺したかったというような理由で犯罪を犯した人と、看病に疲れてであったり、自分自身の心がその人によって目茶苦茶にされていて、その辛さで殺してしまった人とでは、罪の大きさが違うと思う。法律上では同じ、殺人であっても人間を見たら刑は重くなったり、軽くなったりするのではないか。
 また、法律を執行する人の人間性も必要だ。伝記によると、大岡越前守は、子供を争う二人の母親に、「子供を引っ張って自分の元に引き寄せた方が本当の母である」と言い、痛がる子供の声に思わず手を放した母を本当の母と認定した。イソップ物語の「金の斧」もそうである。きこりが、川に斧を落としてしまうと、神様が現れ「あなたが落としたのは金の斧ですか?」と聞くが、きこりは違うと答える。次に銀の斧か聞くがそれも違うと答える。最後に出てきたきれいではない斧が自分のだと神に言うと、神様は三本の斧全てをそのきこりにあげた。しかし、他のきこりがその事を知ってわざと川に斧を落とし、出てきた神様の「あなたが落としたのは、この金の斧ですか?」という質問に「はい」と答えたので、神様は罰として自分が川に落とした斧もあげず結局そのきこりは自分の斧を失ってしまったという話である。
 確かに、法律に基づかない運営は不明朗なものになることが多い。しかし、「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である」という名言があるように、私たちはもっと共同体的な考え方を再評価すべきだ。

   講評   suzuyo

 しんごさん、こんにちは。お見事!字数クリアですね^^

第1段落
 色々な要素があり難しい課題文だったと思いますが、上手に要約できています。字数は250〜300字くらいに抑えられるとバランスが良いですね。生き方の主題設定も適切です。
第2段落
 方法の一つ目を挙げることができました。身近な話題と社会実例、どちらも意見に沿った具体例として説明できています。
第3段落
 第2段落とは違う視点から二つ目の意見を挙げることができました。伝記実例も二つ上手に入れることができています。
第4段落
 反対意見への理解・名言の引用・生き方の主題、この3つを入れてまとめることができました。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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