創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   一生に一度の「今」   ショウ

 低学年では遊びの中でも特に「何なにごっこ」がさかんになる。ごっこ遊びは一生忘れられないものとなる。おそらくそれはのちの交友、恋愛、結婚などという対人関係の基盤をつくる力を持っているのであろう。ボール遊びは、学年が上がるにつれて、チームを組んでルールを守るという本格的なゲームのかたちをとるようになる。成長するにつれてルールの受け止め方が変化していくからだ。強制とは感じなくなっていくのだ。これは、十一歳か十二歳ごろにやっと到達するもので、もうこれは大人の考え方といってよい。ゲームはあそびの一種にすぎないが、この種の遊び活動を通して社会的ルールを守ること、そのために他人と協力すること、つまり倫理の基本的訓練が行われる。学童期は、新鮮な感受性と、奔放な空想力が発達する時期だ。大人はなるべくこの芽をつんでしまわないように、むしろ子供から学ぶように心するべきだ。
 子供時代の遊びから得るものは大きい。子供時代にした遊びの中でコミュニケーションの取り方、社会で生きていく方法などを自然に覚えたと思う。僕はドイツで生まれ、四歳までそこで暮らしていた。友達は、当然日本人もいたが、近所のドイツ人もいた。ドイツ人とは言葉が違い、また、僕もドイツ語が話せなかったため、身振り手振りで会話していた。人間は言葉がなくても「会話」できるとその時思った。今は、海外旅行などで分からないことに遭遇した場合、簡単な英語と身振り手振りで聞いている。このようなことができるのは、小さかったころの経験があるからかもしれない。また、けんかをした時にいつまでも意地を張っているのではなく、どちらかが謝ることによって解決することが多い。人の意見を取り入れる、というのはこのような小さいことから始まっているのだと思う。
 しかし、勉強や努力をしなければ身に付かないこともある。昔話に兎と亀がある。ウサギに足が遅いことを馬鹿にされたカメは、ウサギに山のふもとまで勝負を挑んだ。ウサギは予想通りどんどん先を行き、カメが見えなくなったところで少し休憩しようと居眠りをしてしまった。カメは必死に追いつこうとあきらめなかった。ウサギが目を覚ました時、カメは山のふもとで大喜びしていた、という話である。カメは地道に努力を続けたからこそウサギに勝てたのだと思う。反対にウサギは遊んでばかりいて、努力をしなかったがために負けたのだと思う。
 確かに、子供時代には遊ぶことも勉強することもどちらも大切だ。しかし、最も大切なことは、「子供は大人を小さくしたものではなく、それ独自の価値を持っている。」という名言があるように、子供にしかできないことを子供のうちにしておくことだと思う。僕は今年受験学年になる。中学の卒業、高校の入試は一生に一度しかない。後で後悔しないように、今しかできないことを精一杯やっていこうと思う。

   講評   kei

「小さい頃の遊びをなかなか思い出すことができない」と電話で話していたので、どんなふうに書くのかなぁと思っていました。とてもよくまとめられましたね。
 4歳までドイツで暮らしていたのですね。ドイツでうまく言葉が通じなくても、身振り手振りと心でコミュニケーションが取れていたという経験が、のちに役立ち、今のショウ君の土台になったのでしょう。もし「言葉がわからないから」といって家の中にどじこもっていたり、日本人とばかり交わっていたら、こんなに素晴らしい経験はできませんでしたね。
 やはり「今」を大切に「今」やるべきこと、挑むべきこと、楽しめることを思う存分体験することが大事なのですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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