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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   遊びと学び   ハーマイオニー

 学童の遊びには多くの想像力や抽象思考力が入ってくることから、きわめて多彩なものになる。ゲームとは、遊びの一種にすぎないとはいえ、この遊び活動を通して社会的ルールを守ること、そのために他人と協力すること、つまり倫理の基本的訓練が行われる。さらに、遊びの中で想像性が豊かに発揮されると、創造的活動にまでつながって行く。学童期は、こうした空想の世界が花ひらく時代である。それは審美的感情の発達ときわめて密接に結びついている。子どもの多くが詩人的素質を示すのも、新鮮な感受性と、奔放な空想力が発達するからであろう。これはうまく発達させれば、大人の卑小な「現実」を乗り越えさせ、新しい精神の世界を生み出す基礎能力となるのだから、大人はなるべくこの芽をつんでしまわないように、むしろ子どもから学ぶように心すべきだ。
 子供時代の遊びから得るものは多い。私はごく小さな頃からリカちゃん人形が大好きで、暇さえあればリカちゃん家族と遊んでいた。友達が来た時は、私はリカちゃんになりきり、友達にはリカちゃんの友達などになってもらって遊んでいた。さらに私は一人っ子だったので、リカちゃんのような大家族が羨ましく思うことがあったのか、4歳くらいで、2人の妹を空想の中で作り出した。家族が周りにいない隙を狙い、一人で妹に話しかけていたが、なぜか、親はその会話をよく覚えているらしい(笑)。
 小学校3〜4年生のころには、友達と2人で物語を書き始め、いつの間にかクラスのほぼ全員が兄弟になっていた(爆)。中学生になるころからは(まだ続くのか。笑)、ドラマや映画に影響されるようにもなり、ヒロインと自分を重ね合わせてプリクラに役名を書いたり、1人空想の世界に浸る状態は今も続いている(苦笑)。だがそのお陰で、他人に対する想像力も豊かになり、優しいとか思いやりがあるなどと言ってもらえるようになったのではないかと思う。
 しかし、勉強しなければ身につかないものも当然ある。昔話に『一寸法師』がある。一寸法師は、その名のとおり一寸しかない体でも、一生懸命勉強して武士を志す。旅に出るときも、御椀を船にし、箸を櫂にして、針を刀の代わりに……と様々な工夫をしたのはかなり賢いと思う。京で立派な家を見つけ、そこで働かせてもらうことにした一寸法師は、その家の娘と旅をしている時、鬼にねらわれた。鬼は一寸法師を飲み込んだが、針で鬼の腹を刺すというとっさの機転をきかせた。これも知恵があったからであろう。一寸法師は、鬼が落としていった打出の小槌を振って自分の体を大きくし、娘と結婚し、小槌で金銀財宝も打ち出して、末代まで栄えたという。この後、一寸法師の噂は世間に広まり、宮中に呼ばれ、中納言まで出世した、という話もある。一寸法師が勉強をしていなければ、中納言にもなれなかっただろう。やはり、勉強は大切なものに違いない。
 確かに、子供時代には遊ぶことも勉強することもどちらも大切だ。しかし、「子供は大人を小さくしたものではなく、それ独自の価値を持っている。」という名言もある。一番大切なことは子供の時にしか出来ないことを精一杯楽しみ、学ぶことであろう。確かに、大人になってから、勉強することも遊ぶことも不可能ではないかもしれない。しかし、40歳50歳となってから読み書きから学び始めるのは、かなり覚悟がいるだろうし、困難が伴うだろう。また、その頃から、リカちゃん人形で遊ぶのもちょっと危ない気がするし、相当勇気がいりそうだ。やはり、子供時代にその時代の特徴を生かした豊かな経験を積むことが、必要だと言える。(総合化の主題)

   講評   nara

 ハーマイオニーさんを小さなころから知っている当方としては、思わず読んでニッコリしてしまうような話が続いているね。確かに、こういうおちびさん(笑)だったね。もちろん、ハーマイオニーさんの幼少期を知らない人にもおもしろく読ませる書き方ができるところは、さすがだ。
【構成・題材】第一意見:ごっこ遊びと物語を読み楽しむことは、実は根っこに共通点があるのだね。それは、立場を変えて考えるということ。空想少女が思いやりのある大人になれるのは、思いを他者に遣る、すなわち立場を変えることの訓練をしているからこそ、なのだな。これでもか、と説明を重ねているところがおもしろい。第二意見:勉強に励む一寸法師というのが意外なイメージで笑えるよ。思い遣るということも、知識が全くないとできないね。例えば、読書でもそう。語彙がなければ本はもちろん読めない。ごっこ遊びでも、同様。例えば、店員さんとお客さんの役をやるにしても、それぞれの立場に必要な語彙や振る舞いがあり、それは学ばなければわからないものだね。
【表現・主題】今回、名言の使い方がピカイチだ。そうだね、遊びであれ学びであれ、その年代に合ったものがあるということだ。子供の場合は、それを親の都合で選択・誘導されてしまうことが問題だ。それだけ、親・大人の考え方が問われるということだろうね。定期テスト明けの取り組み、お疲れ様でした。普段の取り組みがあるから、締め切りに間に合えば合否は心配なかったよ。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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