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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   広い世界、広い考え   いちごサクラ

 私のことを知らない日本人と話し出すと、国を聞かれるし、職業を聞かれるし、そして、三番目あたりの質問で刺身でも平気ですかと聞くのだ。こういう質問はどうでもいいと思う。もしも私が刺身を食べられなかったとしても、日本を理解していないと思われたくない。さらに、もう一つ迷信がある。外国人は日本語を絶対話せない、そして話せたとしても絶対に読めない、という迷信だ。私が外国で日本文学を教えているということを知っていても、私が日本の文字を読めないと確信している。とにかく、そういう迷信とか、外国人を否定するような態度が相互理解の邪魔になると思う。アメリカにも、そういう迷信があるが、悪意はない。どちらの立場でも悪意はないが、相互理解のためには良くないと私は思う。 確かに、広い視野の考えを持つことは大切だ。色々な視点から、他人はどういう意見を持っているのかと考えるほうが、自分の考えだけを信じることよりも他人を理解できる。そして、他人への無駄な思い込みもなくせるだろう。私はアメリカに住んでいる。だからアメリカ人に、私は日本人だから何かができるとよく誤解される。最も多く誤解されることは、私は頭が良いということだ。小学校の頃から、日本人だから頭が良いのだろうといつも言われてきた。本当は、特別勉強ができる訳でもないのに、アメリカでは日本人はみんな天才だと思われている。同時に、私が日本に一時帰国したときには、毎回祖母や日本に住んでいる家族のみんなにアメリカにいることは大変だろう、と言われる。今ではもうアメリカの生活になれているけれど、家族はそれを理解できないらしく、毎回大変だと誤解している。アメリカや日本だけでなく、もし世界の人が広い考えを持ったら、そういう誤解はないだろう。 しかし、自分の世界や考えをつらぬいていくことも大事だ。自分の考えで行動することで、新たな発見ができるかもしれない。それに、自分の考えをしっかり持たないと、自分のアイデンティティがはっきりしない。人は、少しでも自分の個性を持っていたほうが良い。昔話「ジャックと豆の木」では、ジャックが母の言うことを聞かずに、一人で牛と豆を交換し、その豆の木を登ってしまった。そして自分の住んでいる町の上に別の、巨人の世界があるということを発見した。結局ジャックは、巨人に食べられそうになって、母の言うことをちゃんと聞く、または自分で勝手な行動をしないという大切なことを学んだけれど、それは自分の考えをしっかり持って豆の木を登ったからだ。 確かに、広い考えを持つことは大切だ。自分の思いだけではなく、他人の思いも考えることで、自分の周りの人を超え、別の国の人も理解できるようになる。そうすれば、違う国の人を否定することもなく、みんなが平和に暮らせるかもしれない。同時に、自分の考えをしっかり持つことも大切だ。思うように行動すれば、自分の個性を保てるし、知っておく必要のある大事なことを学ぶこともできる。しかし、「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則変えていくことが、真に規則を生かす道である」という名言があるように、一番大切なことは、自分の考えをしっかり持ち、他人の考えを受け入れながら、時には自分の考えを変えたりと、協力しあって生きていくことだ。

   講評   suman

 いちごサクラさん、こんにちは。アメリカで暮らしているというユニークな立場の体験実例を紹介して、読み応えのある感想文が書けましたね! なかなかいいですよ。
 昔話実例「ジャックと豆の木」も、「自分の世界や考えをつらぬいていくことも大事だ」という例としてぴったりです。が、ジャックは冒険をしたおかげで、お父さんの領地を取り戻し、お母さんと裕福に、そして幸せに暮らせるようになったのですね。だから、「ジャックは、巨人に食べられそうになって、母の言うことをちゃんと聞く、または自分で勝手な行動をしないという大切なことを学んだ」ということを強調するのは、ちょっとかわいそうな気がします。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ですね。
       
 人は一人では生きていけず、国も一国では存続できません。「自分の考えをしっかり持ち、他人の考えを受け入れながら」、「みんなが平和に暮らせる」世の中になってほしいですね。  

        

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