国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   モノ   かはふ

 妖怪の中に「もののけ」という種類があって、これは「もの」につく。一般には、「ものの毛」と書いて、これは「もの」に生える「毛」のことであろうと考えられているようであるが、そうではない。「ものの気」と書いて、これは「もの」が漂わせているかに見える。「気配」のことである。現在、もったい専門の妖怪学者が問題としているのは、この点にほかならない。言うまでもなく、考えられることは一つである。こうした専門家たちだって馬鹿ではないから、商店へ並べられた商品に「もったい」をつけるようなことはしない。
もっと物を大切に売るべきだ。これはものを扱っていく上で、当たり前のことだと思う。ものは単なるものなのではなく、世界に存在する一つの命として考えてほしい。ものが必要とされなくなって捨てられるときものの寿命がきたのだと思っている。必要とされなくなって、捨てられたのを寿命という言い方をするのは少し変だが、物には、必要とされなくなって捨てられるものや、壊れたりして捨てられるものもある。そんな様々な捨てられかたの中での寿命なのだと思う。その寿命というのを決めるのが、他ならぬ私たちなのだ。
 経済を発展させるためには、古いものを捨て新しいものに置き換えることも必要だ。昔話に「わらしべ長者」という話がある。この話は、わらしべを拾って持っていた主人公が、「それが必要だからこれと取り換えてくれ」というリクエストに応じているうちに、しまいに立派なお屋敷を手に入れるお話だが、頭を使った非常に知恵のある話だと思う。
 確かに、物を大切にすることも、経済発展のためにものの交換をつずけていくことも大切だ。しかし、一番大切なことは、「自分の心のうちに持っていないものは、何一つ自分の財産ではない。」という名言があるように、心豊かに自分の満足する生活を送ることである。

   講評   kira

 かはふくん、こんにちは。妖怪学かと思いきや、経済の話でしたね。現代の豊かな社会経済を支えているのが、妖怪「もったい」だったとは知らなかったね。モノを生産したら消費してもらわなくてはなりません。そこで「もったい」が大活躍するわけですね。そして、時として「もったいない」運動が起こったりするのです。
 「ものは単なるものなのではなく、世界に存在する一つの命として考え」「寿命というのを決めるのが、他ならぬ私たちなのだ」という自覚が必要だと考えたのですね。ここに具体的な例が一つ入ると内容が深くなります。たとえば、コンビニ傘を浪費するのではなく、お気に入りの傘を買って一生ものとして使うとか。風呂敷や買い物篭を使うとか。世界の人口は増えに増えて67億と考えれば、捨てるために手に入れるのはもってのほかです。リサイクルも必要、転用を考えることも急務ですね。昔からあるものを大事に守り続けることで、地球にやさしい生き方ができそうです。
 ところが、倹約があまりに徹底していて、自分に対する投資もできないと成長が止まるということもあります。社会でも経済発展のための新陳代謝として、新しいものを購入するという行為は必要ですね。
 ものを使い切るにしても、新しくするにしても、その物の価値を充分に生かしきることを考えれば、私たちも心豊かに過ごせそうですね。「もったい」にたぶらかされぬよう、自分の価値観も必要ですね。


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