国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   大切な「もの」   いちごサクラ

 妖怪の中に「もののけ」という種類があって、これは「もの」につく。「ものの気」と書いて、これは「もの」が漂わせている「気配」のことである。それが私たちには、得体の知れない「気配」を漂わせているように見えるが、それに「もったい」がつくと、私たちはむしょうにその「もの」を捨てたくなる。しかし逆に、それのついていない「もの」を見ると、むしょうに拾いたくなる。つまり、「もったいない」のである。文明がもったいという妖怪に気づき、ひそかに育て、「もの」に自由につけたり離したりできれば、人々に「もの」を、これまた自由に捨てさせたり拾わせたりすることができるようになる。妖怪もったいの養育と、「捨てるために手に入れる」という習慣を身につけ、私たちはそれに満足している。
 確かに、ものを大切に扱うことは大事だ。最近は、何でも手に入れてはちゃんと使わずに捨てる人を見ることが多くなっている。食べ物でも、何か買っても全部食べずに、残したまま捨てる友達が増えている。母にも食べ物を残すともったいないお化けが出るから残さずに食べなさいと言われてきた。だから、私はなるべくものを大切に使ったり、食べ物を残さず食べるようにしている。例えば、私は家にあるテレビをよく使ったと思う。私たちがアメリカに引っ越してきた時と同時に、新しいテレビを買った。それから十一年くらい経って、まだ調子は良くて、まだ壊れたことは一度もない。それはたぶん私たちが乱暴にせず、大切に使っていたからだろう。
 しかし、古いものにこだわらず、新しいものにも目を向けることも大切だ。昔からあるものだけに頼っていたら、もし急に新しいものに変えなくてはならないことになったら、とても苦労することになる。それに、時代が変わってきたらどうしても古いものだけで生きていくことはできない。だから、少しずつでも新しいことを取り入れていくことは大事だ。昔話「はだかの王様」では、王様が自分の服に飽きて、新しい服がほしいと頼んだ。結局その王様は新しい服と信じて、はだかのまま町を歩いたけれど、ほしいものより仕事のほうを優先しろということが学べるし、それがきっかけで新しいことを取り入れる時代の始まりだったのかもしれない。
 確かに、ものを大切に使いきることは大事だ。よく昔の人はものを大切に扱わないと妖怪やお化けが出ると言われている。それは、たぶん人にものを大切に使ってほしかったからそんなことを言ったのだろう。ものを大切に使うことで、より長持ちさせることができるし、いらなくなってもリサイクルショップに持っていくことができるから、環境にも良い。でも同時に、あまり古いものにこだわらず、新しいものを使うことも大切だ。新しいものを使うことで新しい発見ができるかもしれないし、時代が変わって新しいものを使い、人生が楽になることもある。しかし、「悪書を読まないことは、良書を読むための最初の条件である」という名言があるように、一番大切なことは、無駄なものを買わず、ものを全部使い切ってから新しいものを買うことである。

   講評   suman

 いちごサクラさん、こんにちは。資源を大切にすること、「もったいない」という言葉の大切さが、この頃見直されています。「ものを大切に扱うことは大事だ。」という意見が、重要な意味を持つ時代になってきましたね。
 「ものを大切に使ったり、食べ物を残さず食べる」ー「もの」や食べ物を作るための資源は有限です。「何でも手に入れてはちゃんと使わずに捨てる」「何か買っても全部食べずに、残したまま捨てる」このような風潮は、大量生産・大量消費の時代に始まったものですが、アメリカや日本ではまだこのようなことが行われているようです。同じ地球上で、毎日飢餓のために命を落とす人々が数多く存在することを思うと、これはとてもおかしなやりきれないことですね。
 とはいえ、「新しいものにも目を向けること」もやはり大切ですね。昔話「はだかの王様」では、王様は騙され大失敗をすることで、人々の目を見開かせ、新しい視点(王様は愚かだ・無邪気な子どもは真実を恐れない など)を与えてくれたのかもしれません。
 最後の締めくくりは、「買う」ということだけに限定せず、生き方全般に関わるような結びにすると、ぐっと重みの感じられる文章になると思います。

          
 

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