創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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アニャパの話 ポンピー
ピン!とその姿を思いついたときが私の記念日だ。
思いつくずっと前からどんな物にしようかと考えてきた、マイキャラクターの「アニャパ」が、ついに完成したのだ。
自分だけの世界を持つことは大切だという意見がある。
私だけが全てを把握している世界は、マイキャラクター「アニャパ」の世界だ。「アニャパ」は、ドーム型の頭、白い大きな丸の真ん中に黒い点が描かれた目、小さくて短い手足に太い樽のような赤い体をしている。頭には3本の毛が、ヒョロヒョロとのびている。そして、「アニャパの森」にワラワラと群生していて、巨大キノコの中身をくりぬいた家に住んでいるのだ。食べているモノは、たぶんドングリかミニキノコ、花びらやツクシの花粉だと思う。
「アニャパ」たちは、アニャパの森でいろいろなことをする。春は、木の花粉をこねてカフンパンにして食べたり、散歩をしたりする。夏は、泉で泳いだり、細い草の葉を編んだりして遊ぶ。秋は、おもにドングリ拾い、クリ拾い、キノコ摘みなどをする。取った食べ物は、コケで造った倉庫に保管する。冬は、雪が降る日にプチユキダルマをつくるのだ。
私が「アニャパ」という名前を取り入れたのは、ある日「英語のひみつ」というマンガを読んだからだ。そのマンガの一こまに、ネコが何かに驚いて、「アニャパッ!!」とさけんだところが描かれていた。その時に、これは使える!とひらめいて、キャラクターの名前が決まったのだ。普通は、キャラクターが決まってから名前を考えるのがお決まりのスタイルだったのだが、このときは珍しく名前が先だった。それからは、どんな姿にするかずっと迷っていたが、ある日シャボン玉を吹いていたら、大きな泡と小さな泡二つが、体と目のような位置でフワフワと漂っているのを見て、ピン!と思いついたのだ。そして今、アニャパが完成した。
逆に、別の世界にも目を向ける必要があるという意見もある。
私は、小さいときに幼稚園で、「ポケットモンスター」のアニメを見たことがある。いつもの私は、そんなにテレビを見るようなタイプではないけれど、たまたますることがなかったので友達と一緒にそのアニメを見た。すると、今まではそれほど好きではなかったアニメのなかに、意外とかわいいキャラクターも出てきてびっくりした。カラフルなアゲハチョウのようなもの、すてきな妖精やトカゲのしっぽに火がついたキャラクターがキュートでかわいかった。
私は、きらっていたものも、ほんの少しだけでもいいからのぞきこんでみるといいと思った。
確かに、自分の世界にひたることも、別の世界をのぞきこむのもどちらも大切だ。しかし、もっと大事なのは、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない」という名言があるように、自分にとってもっとも良いものを効果的に取り入れて、見える世界をもっともっと広げていくことだ。
きっとこれからも、マイキャラクター完成記念日がたくさんできることだろう。
講評 itoyu
添削:最後から2行目の文は100字を超えて(102字)いるので、「もっともっと」→「もっと」にしましょう。
講評:自分だけの世界と別の世界との関わり方について考えられました。
《1段落目》
マイキャラクターのアニャパの完成の瞬間を、上手に表せました。「昔からイラストを描くことが好きだった」というような1文を加えて、アニャパが空想上のものではなく、イラストとして描くキャラクターであることを説明しておきましょう。
《2段落目》
「自分だけの世界を持つことは大切だ」という1つ目の意見と実例。アニャパには、その風変わりな姿形だけではなく、その習性まで設定されているのですね。楽しい想像に思わず顔がほころびました。また、アニャパが完成するまでの過程を説明したところも良いでしょう。
《3段落目》
「別の世界にも目を向ける必要がある」という2つ目の意見と実例。好きではなかったアニメを見たことで、意外な発見があったことを書けました。別の世界を「ほんの少しだけでものぞきこんでみる」ことで、自分だけの世界にも良い影響を与えられることがあるのですね。
《4段落目》
名言を入れて「良いものを効果的に取り入れて、見える世界を広げていくことが大事」と総合化できました。
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