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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自転車記念日   むさし

「さあ、好きな自転車選べ。」
と、父に言われた時は、もう有頂天で雲の上だった。目の前に並ぶのは、ピカピカと光る自転車。目移りして仕方がなかった。正直どれを選べたって逆に選びようがないようと言うのがぼくの感想だった。
僕は、父に、「四年生になるまで自転車我慢しろ」と言われていたから小学四年生まで自転車を持っていなかった。小学生時代どこへ行くにも歩きまたは走りだった。
僕は、小学生の頃サッカーをしていたのだが練習場までいつも走って行った。だから、よく、先輩に、「何で自転車買ってもらえんの?」と興味深そうに尋ねられたが僕自身もいつもなぜなのか正直分からなかった。だから、毎回その度に「うーんと。えーと。たぶん・・信号青になりました。」などと言ってその場を紛らわしていた。
僕は、よく友達と一緒に練習場に行ったが友達が乗っている自転車を見るとやっぱりうらやましく思えて仕方がなかった。その時は、「喉から手が出る」くらい自転車が欲しいと思ったものだ。この気持ちはなかなか言葉には表すことは出来ない。
全然自慢でも何でもないが僕はみんなに、「何で足速いの?」と聞かれる。その度に僕は、僕の四年生までの体験談を聞かせてやる。するとみんな「へーえ」と言って納得してくれる。ちなみに、僕が、自転車を持ち始めてから父に、「何で僕の足は速くなったやろ?」と尋ねてみたところ、父は、「そんなん決まっとるやないか、自転車乗ってなかったからや」と当たり前のような口調で答えた。
確かに、自転車を持っていると持っていないとではやっぱり持っていた方が便利でいいかもしれない。しかし、あくまでも予想だが僕みたいに四年生まで自転車なしでマラソンみたいなことをしていると足腰が鍛えられて足が速くなることがあるように自転車がないからと言ってつべこべ言ったりするのは僕は、おかしいと思う。
そして、僕が待ちに待った小学四年生の春がやって来た。買いに行く日程は決まっていたけれども父に、「いよいよ明日か。」と言われて改めてうれしさが自分の中でこみ上げてきた。その晩は、自分がピカピカの自転車に乗っている様子を想像してなかなか眠れなかった。そしてやって来た次の日の昼、自転車屋に行った。父と母は自転車そして僕はもちろん走りだった。僕は、走りながら僕の最後の引退レースなどといらんことを考えながら桜並木の下をひたすら走った。桜はきれいに咲いていたのを今でも鮮明に覚えている。自転車屋ではかれこれ一時間程考えたあげく赤色の自転車を両親に買って貰った。
そして、次の日のサッカーの練習、いつもの集合場所へ自転車で行くとみんな口を揃えて「かっこいい。」と言ってくれた。とてもうれしかった。そして、昨日もったいぶって足を掛け無かったピカピカの自転車のペダルに足を掛け出発進行。スイスイ魚のように進んで行った。途中通った満開の桜並木が僕の自転車入学式を祝福してくれたようだった。この日が僕にとっての「自転車記念日」だ。

   講評   sugi

 小学生のときにも書いた題材。同じ題材を、年数を経てもう一度書いてみるのもおもしろいね。前の作文と比較すると自分の成長がはっきりとわかると思います!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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