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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   遊びから学ぶ社会の常識   ポチト

 学童のあそびには多くの想像力や抽象思考力がはいってくるからきわめて多彩なものになる。そして、同じこころの世界に遊んだ者同士として幼友だちの味は一生忘れられないものとなる。それはのちの対人関係の基盤をつくる力を持っているのであろう。ボールあそびなどというものは、子ども達がその発達に応じてどうルールを意識するかよく分かる。五歳ごろまでは、ルールを少しも強制されたものとは思わないが、五歳以後になるとルールは神聖でおかすべからずものとして感じるようになる。そして最終段階になると、ルールというものは皆で協定を結んで作ったものなので、ルールが望ましくないとなれば皆で相談して変えることもできるのだ、と考える。もうこれは大人の考え方といってよい。子供時代の遊びから得るものは多い。僕が住んでいるあたりの中学校では、「職場体験学習」というものが行われている。何をするのかというと、その名のまんまで、職場に行ってその仕事を体験させてもらう。もちろん職場の人たちからしてみれば、ろくに仕事の仕方も分からん中学生を二日間自分の仕事場で働かせるのは足手まといなわけなので、全ての職場が受け入れてくれるとは限らない。とてつもなく運がない人は、いざ職場体験の事前打ち合わせに行こうという直前で、
「やっぱり駄目です。」と俗に言うドタキャンされて泣く羽目になったりする。一番多いパターンは、あっちにお願いして
「駄目です。」、こっちに行って
「申し訳ないんですが…」、という繰り返しで、結局受け入れ人数の多いところに流れつく。僕もそうだった。幼稚園の類は、受け入れ人数が桁違いに多いので、僕はそこに入った。そして、当日の予定を聞くと、ほとんどの日程が「遊ぶ」で埋め尽くされている。僕はあまり幼稚園のことを覚えていないので、こんなに遊んでいいんだろうか、と思ったりもした。しかし、当日の園児達の様子を見て考えを改めた。子供達は遊ぶことでコミュニケーションをとる。道具を貸して欲しければ「それちょっと貸して。」という風に、しっかりと意思の伝達を行う。そして貸すからにはその代わりに自分の持っているものを貸してあげる。助けてもらったらその分、自分もお返しする、というのが子供達にとっての常識なのだろう。そして、遊ぶ時間が終われば、この道具はあそこに片付ける、という風に自分が使ったものはもとあった場所に片付けることを学ぶ。その一連の時間は、まさに「小さな社会」だった。
 しかし、勉強しなければ身につかないこともある。OECDが調べた結果によると、二〇〇五年ごろの日本の大学生の学力は、読解力が十五位、数学的リテラシーが十位、科学的リテラシーが五位、というように、今までとくらべてかなり下がってきている。この理由は、やはり「ゆとり教育」の影響が大きいだろうといわれている。しかし、そう言われても、今の僕達の証明などの問題が将来何の役に立つのか分からなくなる。だが、本当のことを言えば、証明などがそのまま役に立つのは一生経ってもこないだろう。しかし、証明を通して、筋道を立てて考える力を養うために、今の勉強があるのだと思う。
 確かに、子供時代には遊ぶことも勉強することも大切だ。しかし、
「子供は大人を小さくしたものではなく、それ独自の価値を持っている。」という名言があるように、子供時代にしかできないことを沢山して、それを通して社会の常識を学ぶことが大切なのだ。

   講評   onopi

 幼稚園での職業体験やデータをうまく取り入れながら書けている意見文です。がんばりましたね。
 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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