低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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言語と性質 たけたけ
日本などの島国言語の特色に相手に対する思いやりが行き届いているという事、それと話の通じが大変良いという事がある。ヨーロッパの言語では、我と汝、自と他の対立関係において言語活動が考えられるが、島国言語の日本ではそういう対立関係はあまり発達しない。島国言語というのは極端な言い方をすると、家族同士の会話を社会全体でもやっているような言語のことで、当然、冗語性は少なくて良い。島国言語の社会で冗語性が少し普通より高くなると、すぐ、くどいとか五月蠅いとか理屈っぽいとか野暮というような消極的反応を誘発する。各国の言語にそれぞれ違いが出るのはこの冗語性の違いと関係しているように思う。
島国言語は相手に対する思いやりが前提となっていて、短い言葉でも通じ合えるという良さがある。僕が普段生活している学校の中での会話にこういうものがある。「昨日のレッドカーペット見た?」「あ、うん、見た。○○のあれが面白かったよね。」「そうだよね。」これは僕が実際に学校で会話した時の言葉なのだが、すごく省略されている部分がある。『レッドカーペット』というのは番組のタイトルのことなのだが、実際にこの番組を見ていない人から見れば、「赤い絨毯?」という風に思うかもしれない。それに、答えるほうの言葉では、質問者が分かっているだろうと思ったうえで質問に答えている。これは、相手と通じ合えていて思いやりがあるからこそできる会話であろう。ときどき友達同士の会話でついていけなくなることがたびたびあるが(笑)
しかし、正しい意思疎通をするためには大陸言語の方が適している。例えば、曖昧で省略した「あれ」や「それ」等を使うと、誤解を招く時がある。「あれ買ってきて。」と僕は母に言われたことがある。いつもこう言われた時にはコーヒーを買ってきていたから、「あーあれね!」と買ってくると、「ちがう!昨日牛乳買ってきてっていったじゃん!」と言われるという事があった。このように、曖昧な言い方で相手が理解していると思いこんでしまうと誤解が発生してしまう事もある。
確かに島国言語にも大陸言語にもそれぞれ良さがある。相手に思いやりを持って短い言葉で通じ合えるという事も良いことだし、誤解を招かないために意思の疎通をしっかりと理解できるようにすることも大切だ。しかし、一番大切なことは「トランプが生きているのは、それが実際のプレーに使われているときである。」という名言があるように、それぞれの言語の特徴に合った使い方をすることが大切なのである。
講評 kira
たけたけくん、こんにちは。好天がつづくGWですね。
さて、ふだん何気なく使っている私達の母国語である日本語は「島国言語」という特徴を持っているのですね。説明を重ねるのではなく、理解しあえる部分を肯定するもの、省略が多く、相手に委ねる思いやりのある言語です。テレビ番組の話題は、年輩のひとたちのお天気の挨拶のように、日常化したものでしょう。当然、話は通じるものとして認識されます。他にも、友だちどうしの気のおけない会話では、省略語がひみつの合言葉みたいに活躍します。
しかし、それを改めて意識させられるのは、大陸言語のあり方と対照するときです。近年、ますます国際化が進み、日本の中にも文化やものの考え方の多様性が認めれるようになりました。また、近代化のスピードも速く、理解するためには正確な説明を要するようにもなりました。
★誤解が生じる例のほうを詳しくすると、二段落目と対照できます。
私たちは公私をうまく区別します。ということは、今の時代において、私たちはすでに「島国言語」と「大陸言語」の良さをうまく使い分けているのかもしれませんね。
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