低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
言葉 いまの
島国言語の特色のひとつは、相手に対する思いやりが行き届いていることである。島国言語のもうひとつの特質は、話の通じが大変よいということである。省略の多い、要点のみをおさえた言葉のやりとりをしていて、お互いに理解しあっている。このように、時と場合によって、蛇足の部分を増やしたり、減らしたりということをほとんど無意識におこなっている。大人はなるべく冗語性のすくない言葉を用いるように知らず知らず傾いている。
確かに、仲間内で通じる言葉で親密性がたかまるという意見もある。学校では、普通に話す言葉で『ガン見』などがある。それをおばさんと話しているときに言ったら理解してもらえなかった。同じくらいの年の人が何気なく使うことで、親密性を高めようとしているのだと思う。まるで合言葉のようだと思う。
しかし、万人に通ずる言葉でないと多くの人々に正しく理解してもらいにくい。例えばスピーチなど人前で発表するとき。少人数でしゃべる言葉とは違い、丁寧に共通語を使って話す。やはり、こちらの方が使いにくいが理解してもらいやすい。
仲間内で通じる言葉の緊密さも、万人につうじる言葉の正しさも必要だ。しかし一番大事なのは、そのときに応じてことばを使い分けることだ。「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである。」という名言がある。時と場合に応じて使い分けられるように、いろんなところにアンテナをはり、語彙を増やしていくことが大切だ。
講評 komiko
いまのちゃん、こんにちは! 今回は正確な言葉遣いについて自分らしい「体験実例」を引き出して考えてくれましたね。もう少し長めに様子を説明したり、「その人らしい会話」を加えたりできると読み手に様子がもっと伝わりそうですよ。
「要約」をバランスよくまとめていますね。「意見一」で「確かに、仲間内で通じる言葉で親密性がたかまるという意見もある。」と挙げて「体験実例」として中学校で日常的に使われている言葉が年配の方に伝わらなかったことについて挙げてくれましたね。「一部の人々だけである情報を共有することで、まるで絆のようなものが生まれ、親しみを感じる。」などと様子をくわしく書けるともっとよくなりますよ。「意見二」では「しかし、万人に通ずる言葉でないと多くの人々に正しく理解してもらいにくい。」と挙げてスピーチの場面での「体験実例」を書けました。ここでの様子をもう少し詳しく「いつ」「どこで」「だれと」「どのような」スピーチをしたのかていねいに表現できるともっと読み手に様子が伝わりますよ。「総合化の主題」では「しかし一番大事なことは、そのときに応じてことばを使い分けることだ。」と、まとめることができました。ここでは「しかし、一番大切なのは」という表現にするともっとよくなりますね。最後の「具体的結び」で「時と場合に応じて使い分けられるように、いろんなところにアンテナをはり、語彙を増やしていくことが大切だ。 」と、しっかりと説得力のある書き結びになりましたね。
次は五月十三日(木)に電話をします。「こればかりは自分で(感)」を読んでの意見文です。暗唱長文の三百字暗唱にもチャレンジして下さいね。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |