創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   数年前、森林関係の研究所に   きれあ

商品価値を高めることと、そのもの本来の価値を高めることは必ずしも一致しないことがある。例えば大きく育った天然のヒノキを最も高く売る方法は、玄関の表札にして売ることだ。天然スギの場合は紙のように薄い板にされ合板に貼り付けられ、天井板にして売ることだったりもする。このような事態は使用価値と商品価値の違いによって生じるズレによって起こっている。この場合は木自体が持っている価値を生かすか、商品としての木の価値を優先するか、ということだ。この違いは職人技を必要とするかしないかということでも分かれる。木本来の価値を生かすためには今でも職人技が求められている。山の木を単なる商品にしてしまわないためには、職人的な腕が生きていなければならないのである。このように商品価値、つまり値段だけで物事を捉えて価値を決めるのは良くないことだと思う。本当に目を向けるべきなのは物そのものの価値だ。物事をお金に換算して考えない方が良いと思う。
物事を値段で考えない方が良い理由を挙げてみよう。まずはその物の本当の良さが分かるということだ。お金に換算しないようになると、値段のついていないものにも目を向けられるようになる。例えば道端に咲いている花。値段もついていない、豪華な綺麗さなどはない小さな花だ。だが、そんな花たちの良さは、小さくても自然の中で力強く生きている姿だろう。値段で考えれば花屋に売っている豪華な花束には負けてしまうけれど、経済的な価値から離れてみれば、道端の花の価値にも気づくことができるのだ。
もうひとつは、逆にお金に換算して物事の価値を決めていると、その物の本当の価値が見えなくなってしまうことがあるということだ。お金に換算してみるとほとんど価値がないようなものでも、自分にとってはとても大きな価値があるもの、というのは誰にでもあるだろう。分かりやすいものは、思い出だ。例えば小さい頃からずっと使っていて、もうボロボロになったようなクッションがあったとする。傍から見ればボロボロで、ちょっとお金を出せば綺麗でもっと使いやすいものが手に入るのにと思うだろう。しかしそこには小さい頃からの思い出が染み付いていて、他のものには変えられない、どうしても捨てられないというとても大きな価値のあるものになっているのである。このように値段にすれば価値がないも同然だけれど、その人にとっては何にも変えられないほどの価値を持ったもの、というものに気づけなくなってしまってはいけないだろう。
もちろんお金に基づいた価値もとても大切だ。値段というのは人々の中で平等にその物の価値を決めてくれるし、現実社会を実際に支えているのはお金だ。お金に換算する考え方がなくなってしまうと今の社会は立ち行かなくなってしまうだろう。だが、そうだとしても物本来の価値を見られなくなってしまってはいけない。「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない」というように、お金には換算できないものの価値を見極めて、その価値を大事にするべきなのである。

   講評   kira

 きれあさん、こんにちは。「休み宿題」も着実に学習できました。
 科学万能の現代だからといって、すべての価値を数字で測るのは考えものですね。立派な木ならば、その命をつなぐような価値の見つけ方が有りそうな気がします。心の価値は数字では計れません。
 あるところで、台風のために村の守り神のような木が倒れてしまいました。その切り株で、大きな太鼓をつくったそうです。人間の魂を揺さぶるような音色を出します。これはほっとさせられる話ですね。
 お金のことを考えないでものごとを見ていくと真の価値が見える例として、野に咲く花を考えました。同様に値札はつきませんが、手づくりの品物も代えがたい価値を持っています。
 反対に、お金に換算して考えていると真の価値は見えません。ここの例の出し方が、二段落目と同じ観点になったために変化がつけにくかったようです。値段がひとり歩きしたような例を考えてみるといいでしょう。たとえば着飾ってブランド品を持つことで自分の価値が上がったように考える風潮などです。
 たしかに金額に換算して考えるほうが分かりやすく、理解しやすく、公平感もあります。しかし、内なる価値が大切です。それが見える心の目を持ちたいですね。


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