創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   生きたトランプ   きへあ


 島国言語の特徴の一つは、相手に対する思いやりが行き届いていることだ。それゆえ、ヨーロッパの言語や文法の考えになれた人たちから見ると、いかにも不明瞭にみえる。もう一つの特質は、話の通じが大変よいということだ。言語には冗語性というものがある。言葉の中に含まれる必要な蛇足だ。話し手から受け手に届くまでに、言葉が消えてしまって用をなくしては困るから、あらかじめ蛇足によって備えているのだ。時と場合によって蛇足の部分を増やしたり、減らしたりするということを、島国言語ではほとんど無意識に行っている。大陸言語を聞いて我々がなんとなく理屈っぽいと感じるのは、この冗語性の高さも関係しているのだろう。
 私は島国言語も大陸言語も、どちらも長所を持っていると思う。この二つの言語をそれぞれ見ていこう。まずは島国言語。島国言語のように、相手への思いやりがある言葉の伝え方は良いものだ。友達との普段の会話を思い浮かべてもらいたい。この場合、自分も話している友達も、お互い自分の言っている内容が伝わること前提で、よく言葉をはしょったりするだろう。また、その友達間でしか伝わらないような特別な言葉もあるだろう。このように島国言語では、相手の優しさや信頼というものが伝わってくるのである。
 さて、次は大陸言語である。この言語は、冗語性が高く、ていねいな表現をする為、誰にでも伝わるという利点を持っているだろう。確かに日本国内でなら良いが、国際社会というものに足を踏み入れた場合、私たちに必要とされるのは、紛れもなく大陸言語であるだろう。島国言語のように、国際社会でも家族同士の会話をしていたら、誤解を招くことも多々あるであろう。そう考えると、やはり大陸言語を身につけることも、これからの社会を考える上では大切なことだろう。
初めにも述べたように、大陸言語にも島国言語にもそれぞれの良さがある。どちらが必要でどちらが不必要であるということを言いたいわけではない。私が一番大切だと思うのは、「トランプが生きているのは、それが実際のプレーに使われているときである。」という名言があるように、両方の良さを、時と場合によって使い分けることができるような能力を持つことではないか。

   講評   kira

 きへあさん、こんにちは。ふだん何気なく使っている私達の母国語である日本語は「島国言語」という特徴を持っているのですね。説明を重ねるのではなく、理解しあえる部分を肯定するもの、省略が多く、相手に委ねる思いやりのある言語です。
 友だちどうしの気のおけない会話では、省略語がひみつの合言葉みたいに活躍します。きへあさんも、島国言語のよさを活用しているようですね。たとえばどんな設定でどのようになるのか、書いてみよう。
 しかし、その便利さをを改めて意識させられるのは、大陸言語のあり方と対照するときです。近年、ますます国際化が進み、日本の中にも文化やものの考え方の多様性が認めれるようになりました。また、近代化のスピードも速く、理解するためには正確な説明を要するようにもなりました。
 私たちは公私をうまく区別します。ということは、今の時代において、私たちはすでに「島国言語」と「大陸言語」の良さをうまく使い分けているのかもしれませんね。


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