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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「間」と書いて「ま」と読む   ことのは

 私は、コミュニケーションをとる上で、間を置くということは大切だと思う。
 第一の理由は、間を置くことにより相手が自分の話を理解しやすくなるからである。いきなり話の初めから終わりまで、息もつかずに話をされたのでは、聞こえた断片の部分しか理解することができない。私のクラスメイトには、間を置かず、言葉のシャワーを浴びせるかのように話す人がいる。この人は、一つの話を終始早口で、私達の意見を挟ませずに話すのである。話を終えると、自分の話に満足したような表情を浮かべる。そしてパッとその場を立ち去り、今度は他人にまでその話をし続けるのだ。しかし聞いている人、つまり私達にとっては話が目の前を通り過ぎていったように感じられる。何を話していたのか、私達の記憶には残らないまま終わってしまう。これではいくら私達の興味をそそる内容の話でも、はた迷惑というだけになり、もったいない。話のあちらこちらに間を入れてくれれば、思いついた質問を投げかけることもでき、より深くその話題について理解することができるであろう。その一方で、思い返してみると私も偉ぶってはいられないことが分かった。話すときに、かなり一方的に押しつけるような口調で、しかも早口で自分の話をしていたように思われるのだ。人に話題を提供するなら、聞いてくれる相手を楽しませるべきである。相手のことを思いやれば、不思議と間を置いて話すようになるのではないだろうか。
 第二の理由は、話す方も話の組み立てを考えることができるからである。ただ自分の思いつくままに話をつなげていくと、すじがめちゃくちゃに乱れてしまう。気まぐれな人は尚更、いきなり違う話題に触れたかと思いきや、また元の話に戻り……という悪循環を繰り返しているということもある。その話を聞いている方としては、間が全くもって無い上に、いきなり話は飛ぶわ論理が成立しないわで、訳が分からないのでは聞く意欲と体力がどんどん減少していく。むしろ途中で「聞く」という行動を放棄してしまうかもしれない。間を少し置くことで、今までの話の流れを思い出し、それに沿って話を組み立てることができる。きちんと組み立てられていて、余計なことが省かれている話は、スッと頭の中に入ってくるものである。話している人にとっても、聞く人のためにも、間を空けて話すことは重要なのだ。
 確かに、間を置き過ぎると話題が自動的に消滅し、沈黙してしまうこともある。また、速く伝えたいことがあっても伝えられない。緊急のニュースなのにいちいち長い間を置いたのでは、人々に伝わるのはだいぶ後になってしまう。しかし、「時間を作る第一の方法は、急ぐことではなく、どこに時間を使うか考えることである」という名言もあるように、正確に話を理解してもらうには、すじを組み立てる時間でもあり、相手の理解を求められる時間でもある「間」を置くことがきわめて重要だといえる。話し上手の人が不快感を感じさせないのは、見事にうまく間をとっているからだろう。だから私は、コミュニケーションをとる上で、間を置くことは大事だと思う。

   講評   kaki

森リンの「思考語彙力」がグーンと伸びているね。すばらしい! 毎回、あらたな意見も加えていて、文句なしの清書です。


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