低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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やりとげる心 ポチト
何を読むかという前に、まず何はともあれ、夢中で読むという体験を一度味わう必要がある。読書は僕たちを自分の中へ引き戻す。小説は自由自在に豊かに想像力の翼に乗って羽ばたくことができる。読書の楽しさの中で最大のものは、この自由感だということもできる。僕は、何かに夢中になれる人間になりたい。
そのための方法としては第一に、途中であきらめずに最後までやり遂げようとする強い意志を持つことだ。ぼくは昔、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」という本を読んだことがある。学校に本屋の店主が来て、どんな本がお薦めかなどを皆の前で色々教えてくれたのだが、その中にその「はてしない物語」があった。よほど面白いのかと思って借りたは良いが、読み始めの頃は、主人公があまりにもうだつの上がらない少年だったのでショックを受けた。そして、これは本を読んでいる少年を書いた本なんだろうか、主人公はただ家に帰れず学校にかくれたまま本を読み続けて終わるのかと思った。しかし、あるところまで読むと、主人公の少年が物語に呼びかけられ、実際にその物語の世界に入るという、予想もつかないような展開になった。物語の中の主人公は強く、勇ましく、主人公はやがて野望を抱き始めてしまう。それを止めようとする者も振り払って突き進むが、急に今まで手に入れた物を失い始める。もう自分の世界に帰れないのかと絶望したところで、主人公が一度は傷つけた人が助けに来る。彼こそが本当の友だ、と主人公はやっと気付き、帰る。最後の最後まで一気に読んでしまった。読んだ後は、終わってしまって切ない気持ちすらした。そして、何よりも、中盤の物語の中の強い主人公より、何もかもを失いかけたが、本当の友をやっと見つけられた主人公の方が立派に見えた。こんな気持ちになって終われたのは、最初で諦めたりせず、最後まで読み通したからだ。
また、第二の方法としては、好きなことを集中して出来るような環境を整えることだ。世の中には、短時間でものすごい集中力を発揮できる人もいるだろうが、大抵の人はある程度好きなことをし続けていると、次第に集中力が上がってくる。ところがそれをいちいち短時間で区切られてしまうと、その人の持つ百パーセントの集中力を発揮することは不可能だろう。
確かに、自分が必要と思うもの以外にも大切なものやことは多い。しかし、
「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言があるように、僕は自分の夢中になれるものを大切にして生きていきたい。夢中になれるものをやり遂げることほど、得られるもの、学ぶものが多いことはない。
講評 onopi
体験実例をうまく生かしながら、生き方の主題を上手にまとめることができました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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