元の記事:3月29日(水)のディスカッションのテーマ (5303字)
森川林(nane)
2023/03/29 02:39:25 14630
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■私は最近、九十歳を越えて 渡部昇一(黄アカシアの課題より)
私は最近、九十
歳を
越えていまなお
活躍しているある人が書いたものを読んで、大変
感銘を受けた。
ご老人は功成り名
遂げた人だから、多分日常は快適な
環境の中で暮らしておられるのだろう。だが、ご老人は毎朝冷水を浴びることを一日も欠かしたことがないという。朝起きて、大気と十度以上も差のある冷水を浴びる。毛穴がすぼまり、血管が
引き締まる。その
刺激がその人の生物体としての適応能力をよみがえらせる。快適な毎日にあって、一時でも厳しい
環境の中に身を置くことで、生物体としての適応能力を
刺激する地道な営みが、ご老人が九十
歳を
越えてもなお元気に
活躍している一つの要因になっているのだろう。
いま、私は家で
鯉を飼っている。
鯉や金魚を飼っている人は多いが、聞いてみると、よく死なせている。私は
自慢ではないが、
鯉も金魚も信じられないほど長生きさせることができる。いや、
自慢するほどのことはない。カレルの理論を応用しているだけなのだ。
そのコツは
餌を十分にやらないことである。ときには一週間わざと
餌を
与えなかったりする。いま飼っている
鯉は、これで
攻撃的なエネルギーを発揮し、元気いっぱいに長生きしている。
餌を十分にもらえないことは、
鯉にとって快適な
環境ではない。いささかの
飢餓状態に置かれている。これが
鯉に
攻撃的なエネルギーを
与え、元気に長生きさせる要因なのだ。反対に十分な
餌を
与えると、適応能力が
刺激されず、生物体の価値を低めてしまって、早く死んでしまうことになる。
最近は犬でも
猫でも栄養満点のペットフードを
与えられ、満ち足りているようである。かつて
猫と言えば高い木や
塀に登り、
鼠を
獲るものと相場が決まっていた。ところが、いまの
猫は木にも
塀にも登らなくなったし、
鼠も
獲らなくなった。栄養満点で
飢餓を知らず、空調
冷暖房完備の部屋でヌクヌクと
寝そべっているうち、∵適応能力が失われ、木にも
塀にも登れなくなったし、
鼠を
獲ることもできなくなったのである。満ち足りた
環境の中に長くいると、適応能力が
衰えたまま、固有の能力も退化してしまうのである。
そう言えば、
盆栽の名人からいい
盆栽を育てるコツは、「切りすぎずに切る」ことだと教えられたことがある。植物を限られた
状況に置くのが
盆栽である。だから、そのままにしておくと
盆栽はすぐだめになってしまう。枝を切ることで適応能力が奮い起こされ、いい
盆栽になるのである。
人間もまた、同じである。アレキシス・カレルは
要旨、次のように言っている。「食うだけ食って、
寝たいだけ
寝て、人間の向上などはあり得ない」
まさにその通りだと思う。
眠たいのを
振り切って起き上がったことのない青年が、将来物の役に立つ人間になるとは思えない。
眠りというのは生物の個体にとって極めて重要で、これが極度に
妨げられると、生命の危険にさえ立ちいたる。逆に
眠りたいだけ
眠って満ち足りると、生物の個体はそれ以上は
眠れない。生物体は生物学的に必要があるから、必要な分だけ
眠るのだから、「
惰眠」などということはないはずである。それなのに「
惰眠をむさぼる」などと言う。なぜか。
眠りたいだけ
眠ることは、生物体の適応能力を
刺激しないだけでなく、精神の適応能力にも、
響いてくるのである。
眠りに満ち足りると、生物の個体は何かに向かって努力するという気持ちを失ってしまうのだ。従って、
眠りたいだけ
眠ることは「
惰眠」なのである。
眠いのを
振り切って起きた経験がなくて、向上した人間はいない。これは
肝に
銘ずべきことである。向上して将来大いに世の中の役に立つ学生は、いま
眠いのを
振り切って机に向かい、勉強しているはずである。 (「
致知」
渡部昇一氏の文章より)
■[3528]ついに、世界大恐慌への道筋が見えた。金融セミナーのお知らせも。 副島隆彦
http://www.snsi.jp/bbs/page/1/
副島隆彦です。今日は、2023年3月13日(月) で 今、午後 9時 です。
私は、自分の肚(はら)を決めて、今こそ、はっきりと書かなければいけない。遂(つい)に始まった米国の金融崩れ のことである。
私は、アメリカで現地 3月10日(金)の午前に起きた、シリコン・ヴァレー・バンクSVBの破綻( demise デマイズ)を知ってから、情勢をずっと凝視し分析していた。
今回の事態が、世界大恐慌 に突入するのは、もう少し先だ。4か月余 ぐらい先だ。だから、7月、あるいは8月になるだろう。
今の危機は、なんとかアメリカ政府が押さえ込むだろう。だが、そのあとに、本当のNYの金融大暴落が来る。そして世界大恐慌への突入となる。そのために、私たち日本人は、今から真剣に準備しなければいけない。
アメリカ合衆国は、これで国家財政(ファイナンス)も破綻し、NY(ニューヨーク)の金融市場での恐慌 が起きて、国民経済全体が景気後退(リセッション)となる。このことは確実だ。もう避けられない。そしてそれが、世界中に波及する。これは、人類史の歴史的な動きである。
アメリカの「 ドル覇権の崩壊 」 the Collapse of US Dollar Hegemony 「ザ・コラプス・オブ・ダラー・ヘジェモニー」である。それが、来年、2024年に迫っている。
私、副島隆彦が、これまで 執拗に、自分の近年の本たちに書いてきた通りだ。
以下の画像のとおり、明らかに、銀行取り付け騒ぎ bank running バンク・ラニング、すなわち、自分の預金を引き下ろそうとする人たちの列(run ラン)が銀行の前に起きている。
(画像)
First Republic Bank customers in Los Angeles spending their Saturday lined up to withdraw money following the collapse of Silicon Valley Bank
(画像)
There had been fears following SVB's demise for First Republic's future when analysts pointed out the similarities between the estimated value of their assets versus the actual value
副島隆彦です。今回の 3月10日からのSVB破綻 で、これが他のカリフォルニア州の地方銀行たちへの波及で、連鎖破綻するのは10行ぐらいだろう。それで、一旦は、止まる。SVBと同時に破綻したシグネチャー・バンク(NY州) の他に、ファースト・リパブリック・バンクと、パックウエスト・バンコープなどだ。
今回の金融危機は、3月12日(日)の政府の緊急会合で、SVBの預金のすべてを、連邦政府(米財務省とFRBとFDIC 連邦預金保険機構 の3者で)が、緊急の融資( 米国債を担保にして資金を市場から調達する)を行うことで、救済する、と、発表した。
それまでは、イエレン財務長官は、「SVBの 株主と 債権者は救済しない。公的資金の投入はしない」と明言した。 小口の預金者たちは、ペイオフ( 預金者ひとり 25万ドル。3000万円。日本は、これが1千万円だ ) だけが救済される。イエレン財務長官は、自分の甘い判断を、血相を変えて、撤回した。
それ以外の、SVB銀行の、残りの 総額1500億ドル(18兆円)のテック企業や、スタートアップ企業が、SVBからの融資の見返りに積んでいた、拘束性の預金は、救済されない。
これらの企業預金は、 いわゆる 「分(ぶ)積み、両建て」であって、企業の経営者たちは、SVBのステイク・ホルダー(利害関係人)だから、アメリカ政府は救済しない、と決めた。ところが、それではとても事態は収まらないと分かった。現状はますます深刻さを増している。
中小の テック企業たちは、通常の銀行融資(ローン)のほかに、ハイリスク・ハイリターンの、年率12%とかの、高い危険な ボロくず債券、即ち、ジャンク・ボンド(債)を発行して、それを、このSVBや、VC(ベンチャー・キャピタル)に、引き受け(買い取り)してもらっている。
この 高危険債の、極めて低(てい)信用の ボログズ債である、ジャンク債(ボンド)全体が、今、NYの債券市場で、恐ろしく危険な事態になっている。
もう年率20%のハイイールド(高利回りの約束)債券を発行しても、もう、誰も引き受ける者はいない。これが、金融核(かく)爆弾の破裂 となる。
そして、中国と日本とサウジアラビアが持っている、巨額の米国債である。これに飛び火したら、もう、アメリカの金融は、ひとたまりもない。まさしくアメリカ帝国の終わりだ。
それでも、アメリカ国民は、1ドル=10円とかに大暴落したドルと共に、生きて行く。
もう、インチキの 「グレート・リセット」を囃(はや)した、コロナ・パンデミック、ワクチンでの人殺しも、ウクライナ戦争の仕掛けによる、大きな人類騙(だま)しも、通用しなくなった。
(中略)
金(きん)の価格が、急激に上がりだした。今日(3月13日)の、田中貴金属(たなかききんぞく)の、金の小売りの値段は、丁度、 1グラム=9,000円 である。やれやれ、ようやくここまで上がって来た。
金の卸し( JPXの大阪取引所。旧TOCOM)の値段では、1オ(ウ)ンス (31.1グラム)= 1,894ドル 。 日本市場 で、金、1グラム=8,159円 である。 これに 消費税と手数料の850円を足すと、上記の、9,000円になる。
さあ、このあと、1グラム1万円までは、すぐになるだろう。
私たちの勝利である。 私、副島隆彦の言うこと、本に書いてあることを、信じ続けた人たち、全員の勝利である。
私、副島隆彦は、世界大恐慌 と、世界戦争(第3次世界大戦、含む 核戦争)が、迫って来ても、少しも怖くはない。私は、この30年間、自分の知能と、胆力をずっと厳しく鍛錬して来た。 私は、日本の民間人国家戦略家を、自称して、ここまで、ずっと、耐えに耐えて、自分を鍛えて、やって来た。
私が、自分の金融本 を書き始めたのは、1997年の 『日本の危機の本質』(講談社)と、『悪(あく)の経済学』(祥伝社)からである(44歳)。それまでは政治思想と政治評論、歴史研究ばかりやっていた。今から25年前だ。
そのあと、2003年に『預金封鎖』(祥伝社)を書いて騒がれた。
そして、アメリカの大きな金融崩れを、察知して、2007年に「ドル覇権(はけん)の崩壊』(徳間書店)を書き、その直後に、サブプライムローン崩れが起きて予言を当てた。そして、翌年、2008年に『恐慌前夜(きょうこうぜんや)』(祥伝社)を書いて、その発売の2週間後に起きた リーマン・ショックも、的確に予言して正確に当てた。あの時から、15年だ。
私は、その後も、100冊以上の自分の金融・経済の本を書いたが、おそらく、その内容は、現在に至るまで、ほぼ正確に書いて来ている。 私の考えに、全くの動揺はなく、一貫して、同じ主張を続けている。私の書くことを信用してくれて、長年、私の本を熱心に読んでくれた皆さんに、感謝申し上げる。
さあ、あと、一歩だ。私たちは、嵐の中を突き進む。だが、私、副島隆彦という羅針盤が、この日本国にいる限り、私たちは、大丈夫だ。 この先のことを考えると、毎日、毎日、不安と心配で 一杯だ、という人の為(ため)に、私がいる。
人間に、一番、大事なのは、信用だ。 長年、時間をかけて、築いた信用(クレディビリティ credibility )こそは、その人間を強くする。そして、まさしく、お金(金融)とは、信用の別名なのである。
(後略)