作文、音読、暗唱、対話、読書で考える力を育てる。

言の葉クラブ 言葉の森
受講案内
作文力、読解力、国語力、思考力がつき、
あらゆる教科の基礎となる学力がつく。
本部 234-0054横浜市港南区港南台4-21-15
電話0120-22-3987(平日9:00-20:00)
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●小学校時代につけるのは、知識よりも、理解力と思考力と表現力
 これまでの学力は、おもに知識の力をつけることが中心でした。そのため、テストと競争という方法で、費やした時間によって成績を上げるという方法が、勉強の主なスタイルになっていました。
 しかし、最初は効果を上げていたその方法も、やがて弊害が次第に目立つようになってきました。
 第一は、テストや競争がなければ勉強しないという子供たちが増えてきたことです。
 第二は、勉強漬けの生活に飽きて勉強そのものに飽きるような子供たちが増えてきたことです。
 第三に、勉強に追われることに慣れてしまい、創造的な勉強を知らず、勉強というのは退屈なものだという思い込みを持つ子が増えてきたことです。

 これからの時代に必要な学力は、知識中心の学力ではなく、理解力と思考力と表現力を中心とした学力です。知識と技能は、基礎的なものさえ確実に身についていれば、あとからいくらでも増やしていけます。
 理解と思考と表現に重点を置く勉強であれば、小学校時代はのびのびと勉強できます。そして、理解力と思考力と表現力をつけた子供たちは、中学、高校と学年が上がるにつれて学力が向上していきます。
 小学校時代は、成績を上げるのではなく、頭をよくする学習を中心にしていくことが大切で、そのための勉強が理解と表現の勉強です。
 訓練によって解き方が速くなるような練習に力を入れるよりも、文章を読んで内容を理解し、自分の言葉で考えて、それを文章で表現するというごく普通のことをしっかりやれる力をつけていくことが小学校時代の勉強として大切なのです。


●国語力は、学力すべての土台
 これからの理解力の中心になるものは、日本語の文章を理解する力、つまり広い意味での国語力です。
 国語力は、決して文学的なセンスや好みに左右されるような狭い学力ではなく、すべての学力の土台となるものです。
 従って、国語が得意であれば、英語も得意になります。特に、大学入試のようなレベルでは、英語力は国語力の分までしか伸びません。英語力の土台が国語力なのです。

 また、国語力があると、数学もできるようになります。考える力というものは共通なので、国語力があれば、数学が一時的に苦手であっても、勉強の仕方がわかるとすぐに成績が上がるようになります。
 また、社会に出てから生きてくる能力は、他の人の意見や資料を読み取る力と、自分の考えを多くの人に表現する力です。国語力は社会に出てから更に重要になってくるのです。


●小学校の低学年がいちばん大事
 勉強する力をつけるうえで最も大切なのは、勉強の生活習慣です。そして、生活習慣は最初の第一歩がいちばん大事です。
 小学校低学年のころ、最初の家庭学習をうまく軌道に乗せれば、そのあとの勉強はずっとうまく行きます。逆に、小学校低学年の最初の家庭学習で間違ったやり方をすると、あとから直すのはかなり大変です。
 大事なことの第一は、例外を作らないということです。例えば、毎日音読をすると決めておいたのに、子供がたまたま忘れた日があったとき、それをそのまま見過ごしてしまうと、子供は決めたことを守れない子になります。子供は放っておけば忘れるものです。それを毎日穏やかに気長にやらせ続けるのは親の役割です。
 第二は、叱ったり小言を言ったりしないということです。勉強はいつも明るく楽しい雰囲気でやる必要があります。叱りながら勉強したことは定着しません。叱ることがあったとしても、短く厳しく叱るだけで、あとはすぐに明るい雰囲気に戻す必要があります。
 叱らないためには、親が教えすぎないことです。親が手取り足取り教えるほど、うまくできない子供を叱りたくなります。子供が自主的に毎日同じことを続けるような勉強の仕方を工夫し、親は横で静かに見守り、子供が助けを求めたときだけアドバイスするようにしていきましょう。
 第三は、強制したり、長時間やらせすぎたりしないことです。低学年のころは、子供はだれでも親の言うことを素直に聞きます。この時期に親が強制しすぎると、高学年になって親の言うことを聞かなくなります。決めたことは守りながらも、子供の自主性を尊重するように工夫してください。
 小学校低学年のころにこのような勉強習慣を作ることができれば、その後、すべてのことはうまく行きます。だから、習い事は6歳の6ヶ月ごろから始めるとよいと言われているのです。

●小学校時代に始めれば、中学、高校と学年が上がるほど学力が伸びる
 小学校時代の勉強は、小学生のときの成績を目標にするものではありません。小学校のときの成績だけを考えると、どうしても時間をかけすぎた勉強になります。小学校の成績ではなく、中学、高校になったときの土台を作ることを主な目標にしていく必要があります。
 中学、高校の土台を作るために小学校時代は頭をよくしておく時期だと考えると、小学校のころは余裕のある勉強ができるようになります。そして、小学校の時期に頭をよくしておけば、中学、高校と学年が上がるにつれて成績が向上していきます。
 小学校時代に勉強で消耗していない子は、学年が上がっても新鮮な気持ちで勉強を続けていくことができます。また、読む力や考える力があると、学年が上がり勉強の内容が難しくなるほど成績がよくなっていきます。
 逆に、小学校時代に知識だけの勉強を繰り返してきた子は、考える力がつかないので、学年が上がり勉強の内容が難しくなると、次第に成績が低下してきます。
 現代は、多くの家庭が核家族で、祖父母からの長い人生経験を学ぶ機会がありません。また、学校や家庭を中心とした人間関係の中では、同年齢かその前後の子供たちの話しか目に入りません。
 そのため、狭い範囲で密度の濃い情報に囲まれていると、どうしても目先の結果に左右されるような考え方を親も子も持ってしまうのです。
 しかし、こういうときだからこそ、大きな歴史的視野で、子供の長い人生を考えた教育を行っていく必要があります。

●国語力をつける
 数学の勉強法は、問題の解法をマスターすることです。解法の蓄積によって、新しい問題に対しても解き方が思いつくようになるというのが、数学の成績がよくなるということの意味です。
 しかし、国語は、問題の解説をいくら理解しても国語力を蓄積したことにはなりません。それにもかかわらず、国語の勉強というと、問題集の問題を解いて解説を読むというような勉強の仕方をしている人が多いのです。
 問題を解いても国語の力はつきません。逆に、問題を解く形の勉強は時間がかかるので、肝心の国語力をつけるための勉強ができなくなります。
 国語力をつけるための勉強とは、一言でいえば読む勉強です。その学年にふさわしい良質の文章を読むことが国語力をつけるいちばんの近道です。


●読書力、作文力をつける
 大学生や社会人になると、国語のテストに表れるような国語力ではなく、より幅広い国語力としての読書力、作文力が必要になってきます。
 読書力があれば、大学を卒業したあとも、社会人にふさわしい国語の実力が向上します。
 読書力とは、幅広いジャンルの難しい本を読みこなす力です。この読書力を学生時代の間につけておくことが大切です。

 今の学校では作文を学習する機会が限られています。特に小学校高学年から中学生、高校生と学年が上がるにつれて、作文の指導は次第に行われなくなってきます。
 そこで、子供たちが社会人になって文章を書く必要に迫られたときに、途方にくれてしまうということも出てくるのです。
 文章を書くことに自信があるということは、社会生活を送る上できわめて大切な能力になってきます。
 単に国語力をつけるのではなく、一生にわたって生かせるような読書力、作文力を育てることに結びつけて国語力をつけることが大切です。



●勉強の心構え
 今の世の中では、生活のあらゆる面で商品経済が発達しているので、子育てや教育も、外部の専門機関に委託することが当然のように思われています。しかし、教育の基本は、他人任せにするものではなく、子供自身と家庭の力で行っていくものです。
 第一に、子供自身の自主的な力で継続させることです。興味を持たせたり褒美を与えたりすることは必ずしも悪くありませんが、それらに頼りすぎると自主的に続ける力が育たなくなります。何の見返りがなくても、決めたことは継続するという力を育てていくことが基本です。
 第二に、家庭の生活すべてが教育の場だと考えることです。例えば、テレビやゲームの時間は自分でコントロールできるようにする、読書を毎日の生活の中に位置づける、あいさつや返事や言葉遣いに気をつける、人の悪口や批判を言わない、できるだけ家の仕事を手伝う、などは家庭だからできる教育です。
 第三に、勉強の目的を、競争に勝つことや自分の利益のために行うことと考えるのではなく、自分自身を成長させ、将来社会に貢献するためのものだと考えるようにすることです。自分の利益のために勉強している子は、合格すると向上心を失ってしまいます。社会のために勉強する子は、一生勉強を続けていけます。

●毎日の自宅での学習
国語力は毎日の積み重ね

 国語力をつけるのは短期間の集中学習ではなく、毎日の積み重ねです。
 この毎日の繰り返しの勉強が低学年のうちに習慣化すると、高学年になってからあらゆる勉強がうまく行くようになります。
 毎日の習慣をつけるには、親の気長な努力が必要です。
 毎日の自習と毎週の予習をすることで、子供は勉強に対して意欲的になります。

叱らずに楽しくやるのが原則

 毎日の勉強習慣と同じぐらいに大事なのが、叱ったり小言を言ったりせずに穏やかに続けさせる工夫です。
 子供が時々さぼったり、親が時々叱ったりするような場合は、自習は、いちばん簡単にできる読書だけに絞って確実に続けるようにしてください。

音読(2、3分)

 課題集に、感想文の課題となる長文が載っています(ただし実際に感想文の練習をするのは小学3年生から)。
 また、毎月の読解問題のもとになる長文も載っています。
 これらの長文のいずれか1編を毎日音読します。時間は、2、3分です。
 音読は、お父さんやお母さんが聞けるような場所で行います。
 音読は、読み方がたどたどしくても、決して注意したり笑ったりせずに優しく聞いてあげます。
 子供は、同じ長文を繰り返し読むのに飽きてくると、ふざけて読んだり早口で読んだりするようになります。そういう読み方をしても無理に直す必要はありません。

暗唱(10分)

 課題集の中に、暗唱長文が入っています。
 この暗唱長文を、毎日10分ぐらいずつ暗唱していきます。
 1ヶ月で1000字の長文を全部暗唱できるようにするのが目標です。
 暗唱は、毎日行うのが原則ですから、朝ご飯の前など確実にできる時間帯を決めて毎日取り組んでください。
 暗唱は低学年のうちは楽にできますが、中高学年になると覚える気持ちが出てきてかえって難しくなります。
 子供がうまく暗唱できないときは、親も一緒に暗唱の練習をしてみてください。アドバイスのコツがわかります。

対話(家族の団欒のとき)

 家族の団欒のときに、子供に、次の週の課題に何を書くか説明させます。定期的に曜日や時間を決めておくとよいでしょう。
 自由課題や題名課題のときは、どんなことを書くつもりか説明させます。子供の説明に関連した似た話を、お父さんやお母さんが話してあげます。
 感想文課題のときは、もとになる長文を(課題フォルダをなるべく見ないで)説明させます。長文の話に関連した似た話をお父さんやお母さんが話してあげます。
 両親との対話によって、子供の理解力、思考力、表現力が育ちます。
 低学年のうちから、子供の話をきっかけにして家族の会話が弾むような形で対話をする習慣をつけると、高学年になってからも対話が進みます。

読書(10ページ以上)

 毎日10ページ以上の読書をしてください。読書は、学校や塾の宿題よりも優先して取り組んでください。
 読書の時間は、勉強時間の最後に持ってくると、その本が面白かったときにそのままずっと読み続けることができます。
 読む本は、子供の好きなものでよく、易しい本でもかまいません。ただし、漫画、学習漫画、図鑑、雑誌、絵本は、この場合の読書とはしません。
 子供の読書の時間は、できるだけ家族全員が読書をしてください。小さい子供には読み聞かせの時間にしてください。

楽しい雰囲気で勉強を

 楽しい気持ちで勉強したことは、いつまでも頭の中に残ります。
 いつも子供のいいところを見て、ときどき冗談などを言いながら楽しく勉強するようにしてください。



●勉強一般について、生活習慣について
 勉強の基本は、できないことをできるようにさせること、できることを更に反復して定着させることです。
 反復の回数を増やすためには、書く勉強、解く勉強よりも、読む勉強の方を中心にします。書く勉強は、読む勉強より何倍も時間を取るからです。
 国語の読解力をつけるためには、好きな本の読書によって多読力、速読力をつけるとともに、難しい文章を読むことによって難読力をつける必要があります。受験生の場合は、入試問題集の問題文を読みます。印象に残ったところに傍線を引きながら、1冊を4回以上繰り返し読むようにします。
 国語の成績を上げるためには、模擬試験などの答案が返却されたときに、できなかった問題をお父さんお母さんと一緒に、すべて理屈で説明できるように解き直します。感覚で解かずに理屈で解くようにすると成績が上がります。
 算数・数学の勉強は、低学年からの積み重ねが大事です。
 中高生の数学の勉強では、できなかった問題を日をおいて繰り返し解き、1冊の問題集でできない問題がひとつもなくなるまで繰り返し解くことによって力がつきます。
 英語の勉強の基本は、英語の教科書を暗唱と暗写によって丸ごと身につけることです。
 大学入試の英語では、英文を文法的に厳密に理解する練習も必要になります。
 毎日、子供が欠かさず行う手伝いを決めておきます。手伝いには褒美などを出しません。どんなときも毎日同じ手伝いをするということで、勉強にも役立つ継続力、忍耐力が身につきます。

●作文の教え方
 作文は、書き方を直すことによって上達させるものではありません。直すことに目を奪われると、注意することが多くなり、親もくたびれ、子供も自信をなくします。
 作文は、まず子供の書いた内容を認め褒めることが基本です。書き方がたとえ下手であっても、その書き方を注意するのではなく、書かれた内容に共感してあげてください。書き方は、注意しなくても必ず直ります。早く直そうとすると、子供に苦手意識を持たせる結果になります。
 作文のいい表現や正しい表記は、作文の上で直したり注意したりして身につけるものではなく、読む力をつけることによって自然に身につけるものです。作文に現れているものは結果です。原因は読む力です。結果を直そうとするのではなく、原因の読む力を育てるために、音読、暗唱、読書に力を入れていってください。

●事前指導と赤ペン添削
 教室では、作文を書いたあとの赤ペン添削ではなく、作文を書く前の事前指導に力を入れています。
 その理由は、第一に、赤ペン添削で作文が上手になるわけではないからです。書き方の間違いをいくら直しても、よりよい表現をいくら教えても、それで作文が上達するのではありません。作文が上達するのは、読む力をつけながら、表現項目を意識して書く練習を続けることによってです。
 第二に、赤ペン添削に力を入れることによって、先生の仕事が指導ではなく添削処理になってしまうからです。現在、行われている作文指導のほとんどは、赤ペンによる添削です。しかし、添削をする人の意識は、その子の実力を伸ばすことよりも、その作品の欠点を見つけることに向いてしまいがちです。
 子供は、赤ペン添削よりも、先生や親が実際に作文を読んで対話をしてくれることによって意欲を持ちます。先生が教室で作文を読んでその内容に共感するのと同じように、家庭でも子供が作文を持って来たら、できるだけ早めにその作文を読んで内容に共感してあげてください。お父さんなどで、帰りが遅いために子供に直接話をする機会が持てないときは、その作文にコメントを書いてあげるとよいと思います。

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