ログイン ログアウト 登録
鳥の村


説明編集



プレ受験作文5.1週 (2103字)  森川林 nane 2020/04/26 19:11:38 3939

プレ受験作文5.1週

■■問A又は問Bのどちらかを選択してください。

■問A
「炎は絶やさない」
 古いものを生かすことについて、あなたの考えを書きなさい。

▼資料
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2020/4261732020.jpg
「毎日小学生新聞」

説明

 意見は対比を明確にすると、あとの展開がしやすくなる。
 例えば、「新しいものを使うことも大切だが、古いものを生かすこともそれ以上に大切だ」など。

■問B
「身体障害の子からのメッセージ」
 次の文章を読んで、あなたの考えを書きなさい。

 小学校も、もうすぐ卒業という三学期のことだった。社会の時間に、先生が一本のビデオを見せてくれた。その内容は、私達の校区に住む真衣子ちゃんという身体障害の子からのメッセージだった。
 真衣子ちゃんの願いは、友達がほしいということだった。同じ校区に住んでいながら、毎朝家の前を通っていながら、私は彼女のことを全然知らなかった。そこで、友達になってあげようと思った。でも、今まで身体障害者に対して、どこか避けるようにして来た私が、急に良い友達になろうとするのはむずかしいことだった。
 真衣子ちゃんに少しでも近づこうと思い、私達はクラス全員で、車椅子の体験学習をすることにした。
 学校内で乗るだけでも大変なことばかりだった。例えば、階段では沢山の人手が必要で、乗っている方もすごく怖い。それに少しの段差でも躓(つまず)いた。これでは行きたい所へ行くのは困難だし、一人では絶対に無理だ。今度は道路へ出てみることにした。地下道の階段ではまた怖い思いをした。歩道橋なんてどうやって渡れというのだろうか。だんだん腹が立ってきた。
 それに、何より人に注目されることが嫌だった。真衣子ちゃんもビデオの中で、「車椅子に乗って外に出ると人の目が怖いです。」と言っていた。そんな気持ちが少し分かったような気がした。一日体験学習の私が車椅子に乗っているだけで好奇の目で見られる。目が合うと知らん顔をされる。本当に歩くことのできない真衣子ちやんは、毎日もっともっと嫌な思いをしているのだ。そして、自分もあんな接し方をしていたのだと思うと、もっと腹立たしかった。
 真衣子ちゃんは私と同じ十三才。彼女と私はどこが違うというのだろう。私は走ることが苦手だ。人よりも目立って遅く、マラソン大会でビリになったこともある。また、誰にだって努力だけでは、どうにもならない苦手な事が、一つや二つはあるはずだ。それと同じように、真衣子ちゃんの苦手な事が歩く事だというだけのことではないのか。
 私は真衣子ちゃんの友達になってあげようと思っていた。でもそんな考えは間違いだ。「?してあげる」という考えは、自分より真衣子ちゃんが劣っていると心の底で思っていた私を思い知らせた。私は、真衣子ちゃんの友達に「なってあげる」のではなく、「なりたい」と思った。
 私はまず真衣子ちゃんに手紙を書くことにした。でもその内容には言葉を選んだ。同情して友達になろうとしているのではないと分かってほしかったし、不用意な言葉は彼女を傷付けるような気がしたからだ。
 二ヵ月ぐらい過ぎた頃、真衣子ちゃんから手紙がとどいた。今までもらったどの手紙よりも嬉しくて、読むのがもったいないような気がした。うまく動かない手で、一生けん命返事を書こうと、毎日ワープロに向かっていたそうだと、先生が教えてくれた。活字が並ぶ手紙の中で一言だけ手書きの部分があった。
 「仲よくしてね。」
 真衣子ちゃんの、友達がほしいという願いが、強く強く伝わってきた。私はもう一度思い知らされた。この手紙はまだスタート地点でしかない。もっと真衣子ちゃんに近づいて本当に良い友達になりたいと思った。
 真衣子ちゃんの一言がなかったら、身体障害者に会ってもかわいそうという感想しか持てなかったと思う。障害者だけではない。だれに対しても、その人の気持ちに少しでも近づく努力をすることが大切なのだと分かった。そのためにも、今まで逃げてきたけれど、たくさんの人とふれあう場所へ進んで参加してゆきたいと思っている。(he-02-1の長文より)


説明
 第一段落は説明。「身体障害のある子との接し方で大事なことは二つあると思う。」
 第二段落は、その1。「まず一つは、相手の立場に立つことだ。たとえば、道の段差など私たちは気づかないことでも、相手の立場になってみると、大きな障害になっていることがわかる。……」
 第三段落は、その2。「もう一つは、相手を特別視しないことだ。私たちはそれぞれ個性を持っている。それぞれの個性を生かした社会を作ることが大切だ。そのためには、この作者のように積極的に触れ合う機会を持つ必要がある。例えば……」
 第四段落は一般化のまとめ。「人間は、だれでも自分らしく生きたいと思っている。そのためには周囲の社会がその人を支えていくことが必要だと思う。」

▼資料2
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2020/4261732023.jpg
(読解・作文力の本P76)

▼授業の動画



Online作文教室 言葉の森    鳥の村 管理の鳥 「プレ受験作文資料」 昨日から 0