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鳥の村


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9.1 (718字)  ゆうと aetoku 2025/09/02 18:47:47 52687

映画「地球交響曲」のシナリオハンティングのため、フィンランド北部ラップランドの森を歩いた。ラップランドは北極圏に入り、冬は雪と氷と暗闇の世界となるが、夏は正反対の世界となり、森は草木が一気に芽吹き、花開き、萌える緑に包まれる。ラップランドの夏の森はすべての生命によって奏でられる地球交響曲のコンサート会場である。しかしそれはエアコンの効いた都会のコンサートホールではなく真の野性が保たれている大自然である。私は大自然の中で演奏者のひとりとなるのか、それとも観客のひとりなのかという矛盾した世界の上に立たされる。森に足を踏み入れると出迎えてくれるのは美しい若葉の緑や色鮮やかな草花ではなく蚊やブヨの大群である。その数としつこさは都会生活の想像を絶する。旅人は長袖、長ズボン、蚊よけ帽子をかぶるが、私は撮影のためかぶれない。さらにバリヤーを築けば森と対話する回路を閉じてしまう。森の本当の美しさは五感のすべてが解放されてこそ見えてくる。多様な生命が関わり合い一つの生命のシンフォニーを奏でている。観客席はなく、森の一員として加えてもらわねばならない。蚊が血を吸うのは自然の摂理であり、かゆさも森の楽音の一つなのだ。

そのための方法は第一に、すべてのものが助け合って生きていることに気づくことだ。

また第二の方法としては、地球もひとつの命として大切に守ろうとすることだ。

かに、快適な暮らしのために開発することも必要だ。しかし『存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。』という名言もあるように、地球はひとつの命として生態系のバランスを保って生きている。人間はその一員として大きく調和して生きていかなければならない。



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