| 私の実力 | 
| アジサイ | の | 泉 | の広場 | 
| ナズナ | / | あもせ | 小5 | 
| 「じゃあ学年スポーツ大会をはじめます。」 | 
| 学年最後のお別れ会として、バスケットボール、サッカー、野球のどれかを | 
| やって他のクラスとの対戦をすることになった。バスケットボールは十二人、 | 
| サッカーの人は九人、野球の人は七人。そして、あまった人 | 
| は審判になる。そして、ジャンケンで決めることになった。 | 
| 私はバスケットボールのジャンケンに勝った。次に、それぞれのスポーツで | 
| さらに、AグループとBグループに分かれて、さらに、Aグループや、Bグル | 
| ープの中から、前半と後半を決める。私はBグループの前半になった。他にも | 
| 、藤田遥ちゃんや、このバスケットボールのキャプテン松田健太郎君もいる。 | 
| そして、ついにこの日が来た。私は他のクラスのキャプテンの体の大きさを | 
| 見て、(おいおい、キャプテン、 | 
| こんな相手に、ほんとに勝てるの?)と思った。しかし、松田キャプテンは | 
| ただ真剣な目つきをして、Aグループと、他のクラスが対戦しているのを見て | 
| いるだけだ。 | 
| さらに、八分の試合のはずが、すぐに時がすぎて、私達の出番になった。相 | 
| 手はみんなすごい大きな体をしていて、バスケットボールの鬼と言われている | 
| 武田キャプテン。 | 
| 私は(いいもん、こっちだってプロの、体の大きな体重の重いキャプテンが | 
| いるもん。)と、自分をはげましていた。 | 
| 審判は言う。 | 
| 「じゃあ、ジャンプボールを始める。・・・・はじめ!!!!」 | 
| ついに本当の本当の試合がはじまった。 | 
| はじめにボールをたたいたのは武田キャプテンだった。武田キャプテンは鷹 | 
| のような目を光らせて、ついに | 
| 一発目のシュートをした。松田キャプテンは手を床にたたきつけていた。 | 
| しかし、次の時には、遥ちゃんが私にパスをして、私は松田キャプテンにパ | 
| スし、ようやく私達のチームに一点だった。 | 
| 「やりましたねえ、松田キャプテン!!!」 | 
| 私はキャプテンの背中をたたいた。 | 
| 「うるせー、次はどうなるか、わからないんだぞ。」 | 
| そう。キャプテンの言う通りだった。多少、一点ぐらい取れたとしても、八 | 
| 点や九点取れるのが、本物のプロだと言うことだ。バスケットボールをやって | 
| いるうちに、だんだんコツが分かってきた私。 | 
| 一回戦目ははじめは緊張していてだめだったが、どうどうと勝った。 | 
| ところが、最終決戦の二回戦目が問題だ。相手は瀧井キャプテン。大きな体 | 
| で、集中力がよくある人だ。 | 
| ―負けてたまるか。― | 
| 私の心はそればかり言う。 | 
| 審判は言う。 | 
| 「じゃあ、最終決戦をはじめる。・・・はじめ!!!!」 | 
| はじめは松田キャプテンがボールをたたいた。 | 
| 「あ!!」 | 
| 私は開いた口がふさがらなかった。何と言うことだ。松田キャプテンがボー | 
| ルをたたいているのを、瀧井キャプテンが横取りしたのだ。これは誰もできな | 
| かった技だ。 | 
| どんどんと時が過ぎていく。残り二十秒。今は九対九。 | 
| 遥ちゃんは汗を流して私にパスをした。 | 
| 「お願いね、若菜ちゃん!!」 |