| 昔話 | 
| アジサイ | の | 池 | の広場 | 
| 潤之介 | / | かな | 中1 | 
| お話とは声によって伝達される文学である。お話は昔話などに求めることが | 
| できる。昔話は、文学のもとのかたちと言ってよく、大きな力がかくされてい | 
| る。お話に興味をもつ者にとっては、昔話は、たえずそこに自分をうるおしに | 
| かえっていかなければならない泉のようなものだ。 | 
| 私がいた保育園では、昼寝の時間があり、寝る前に当番の人が昔話の紙芝居 | 
| を持ってきて読んでもらうというのがあった。読むものは大体決まっていたが | 
| 、読む度に面白くなっていくのが不思議だった。同じような本に「ぶたぶたく | 
| んのおかいもの」なるものがあった。これはよく母に読んでもらった本だが、 | 
| 今見るとものすごくくだらない本だと感じた。しかし、当時はものすごく面白 | 
| くて、夢中になって読んだわけである。その時私は、「世の中には面白い(個 | 
| 性的)な人がいるなあ。」という事が分かったのである。このようなくだらな | 
| い本でも何か役に立つかもしれないと言う事である。 | 
| もう一つ面白い本に、「おはなしのろうそく」というのがあって全12巻くら | 
| いの薄い本であるが、その薄い本の中に、またいくつかに別れて、短編の話が | 
| 入っているのである。その中でもっとも面白かったのが、エパミナンダスとい | 
| う少年の物語である。勘違いが激しくて、よその家から色々なものを貰うのだ | 
| が、貰ってから家まで持って帰るのに、ものすごい持ち方をして家まで帰って | 
| きて、母に「それはこうやって持って来るんだよ」と注意されて、またもらい | 
| に行くと今度は別の物を貰うが「この前もって来たものの正しい持ち帰りかた | 
| 」でそれを家まで運んでしまうという話である。 | 
| 昔話は、人間(特に子供)にとって、とても面白く、それでいて私たちの人生 | 
| 観や価値観を深めてくれる最高の話だと思う。子供の頃に読んだ話が、三つ子 | 
| の魂百までというように後になっても残っているというのは、大切な事だと思 | 
| った。 |