| 昔の大切さ | 
| ウグイス | の | 池 | の広場 | 
| エガ | / | てせ | 中1 | 
| 私が市場へゆく道は、いかにも自然発生的な細いやさしい道だ。家と家との | 
| 間に何となく作られた人間のふみならした道だ。ところが、その道は最近アス | 
| ファルトがしかれてしまった。夏の日な | 
| ど、かごを下げて歩いてみると、いかにもむんむんして照りかえしがきつい。 | 
| それに何ともふぜいがなくなった。最近ある方から石を一ついただいた。平べ | 
| ったい薄茶色の石で、手のひらに軽く乗る大きさ、重さである。ただおもしろ | 
| いのは、全体にキララ(光る鉱物の一種)が入っていることで、光を受けて小 | 
| さく一せいにまたたく。無味乾燥なアスファルト道路、車が通るだけのための | 
| 道に、こんな石はないのだ。道が | 
| 一番道らしいのは、人間のくらしをあたたかに支え、いろいろなものを発見す | 
| ることのできるふみしめられた道である。この事だけは忘れてはならないのだ | 
| 私もこのような話がある。二年ほど前までは、草むらだった所があった。そ | 
| こでは、虫や、植物が元気にそっだっていた。バッタやかまきり、オオイヌノ | 
| フグリやエノコログサやチカラノコグサなどがあった。しかし最近そこは家を | 
| 作るための工事が始まった。工事がはじまってからと言うもの虫や植物はそれ | 
| っきり姿を見せなくなった。私は悔しかった。私は動物や植物が好きだ。それ | 
| を壊されてはたまらない。またそこは私の家から近いため身近な植物園といえ | 
| ただろう。 | 
| また、そこの近くにある駐車場も宝物だった。私は、そこから道の端っこに | 
| あるもの(鉄パイプやひもや木のいた)を持っていってよく基地を作ったもの | 
| だ。しかし今となってはそれも出来ない。工事が何もかも持っていってしまっ | 
| た。 | 
| 人間とはかってだ。自分たちが住みにくくなるとすぐ新しいものを作ってし | 
| まう。私は思う。私達人間にとって大切なことは、昔ながらの物を |