| 矛盾 |
| アジサイ | の | 池 | の広場 |
| 潤之介 | / | かな | 中1 |
| いつから世の中が矛盾を恐れるようになったのか知らないが、頭から悪いも |
| のと決めてかかっている人が多い。白が黒であって、空腹のときはものを食わ |
| ない、などという話が横行してもはた迷惑であろうが、雨が降れば天気が悪い |
| といった理に合いすぎた命題でいっぱいになってもことである。どうも、矛盾 |
| には、良いものと悪いものがあって、嫌われる。劇薬には病気を治すものがた |
| くさんあるが、不用意に使えば命とりに |
| なりかねない。どれもこれも毒として敬遠した方が安全である、というのにい |
| 私は矛盾が必要だと思う。その理由の一つは、新しい発見や新しい想像があ |
| るからである。例えば、日常の会話で、 |
| 「今日はいい天気だね。」 |
| 「うん、晴れているからね。」 |
| 「明日は天気が悪いらしいよ。」 |
| 「じゃあ、天気が悪いね。」 |
| 「うん。」 |
| などと言う会話はほとんどないだろう(笑)。ここでもう少しひねってみたり |
| するとより会話が面白くなるのである。1+1=100、1+1=2、論理的に |
| どちらが正しいかというと、1+1=2の方だろう。しかし、どっちが面白い |
| かというと、どっちも面白くない。前者は、いかにもわざと間違えたような答 |
| えだからつまらないし、後者は、当たり前すぎてつまらない。だからこの中間 |
| がよい矛盾と私は思う。例えば、一匹の猫+一匹の魚=?と言う式がある。こ |
| れも2と答える人が多いだろうが猫が魚を食べたと考えると、答えは2ではな |
| く1になる。このようなのがいい矛盾である。このように創造力をつけるため |
| にも矛盾は必要である。 |
| 私が矛盾は必要だと思うもう一つの理由は、最初のほうでも言ってるように |
| 、理に合いすぎた事ばかりだとつまらないということである。正しいことばか |
| りだと、いわゆるズレの面白さなどがなくなってしまうのだ。確かに正しいこ |
| とがあるのは大切である。矛盾したことばかりだと、なにが「正しい」のかわ |
| からなくなってしまうからだ。しかし正しいことばかりではなくて矛盾したこ |
| とがあったほうが、多少ややこしいかもしれないが、人生がより豊かなものに |
| なるのではないだろうか。 |