| はじめてのバッジ |
| アジサイ | の | 林 | の広場 |
| れもん | / | ふれ | 小3 |
| この前の土曜日、六月十日は、わたしの学校の運動会でした。運動会のきょ |
| うぎの中で一番うれしかったのは、徒競走です。わたしは一年生の時も、二年 |
| 生の時も五位だったので、三位までに入ればもらえるバッジはもらったことが |
| ありません。でも今年は、朝礼じゅんや出席番号じゅんではなくて、くじ引き |
| で走るじゅんばんや、走る人を決めるので、運がよければバッジをもらえるか |
| もしれません。わたしは、「1-4」、つまり、一列目の四コ-スになりまし |
| た。走る人は、長浜さん、平賀さん、石川さん、大川さん、小澤さん、です。 |
| わたしは、「またはやい人とばかりだからバッジはもらえないかな。」と思い |
| ました。 |
| とうとう徒競走がはじまります。わたしは、一列目なので一番始めに走りま |
| す。 |
| 「よおい。パン。」 |
| ピストルがなりひびきました。わたしはいきおいよく飛び出しました。わた |
| しは、自分が今何位なのか、だれをぬかして、だれにぬかされたのか、ぜんぜ |
| んわかりませんでした。まるで自分がたった一人きりで走っているようでした |
| 。やっとゴ-ルインしました。わたしは『2』と書いてあるはたの前につれて |
| いかれました。そして、バッジをもらいました。どうやらわたしは二位だった |
| ようです。「ヤッタ-。」と思いました。 |
| お母さんは、 |
| 「すごくはやかったじゃない。」 |
| とびっくりした顔で言いました。 |
| 家に帰ってから、わたしは、バッジをそっとたからばこにしまいました。 |