| 近くにある物 | 
| アジサイ | の | 滝 | の広場 | 
| GO | / | うみ | 中3 | 
| 最近、料理を趣味とする人が増えたが、初心者とプロとで一つ大きく違って | 
| いるところがある。初心者は、初めに何を作るかを決めてそれから材料を買い | 
| に行く。でも、プロはまず市場をのぞきに行きその時入荷した材料の中から良 | 
| くて豊富な旬のものを見つけ、それを中心にして活かす料理を作るのだ。確か | 
| に料理をする時は、初めに「何を作ろうか」と考えてしまう。多分料理をする | 
| 人の多くが私と一緒で初心者の料理をしていると思う。材料、いや資源から料 | 
| 理を発想することができるのは長年料理をしていて、技術のある人ができるの | 
| かもしれない。 | 
| 資源からの発想が可能なためには、レパートリーが広く、しかも自由にそれ | 
| を応用しかねる能力が必要である。これまでの近代産業技術は、つねに技術か | 
| らの発想だったといえる。その結果、石油やウランなど地域的に偏在のはげし | 
| い資源への過度の依存が起こり、一国の経済基盤が揺り動かされるようになっ | 
| た。今では、有力な代替資源が見当たらないまま、石油資源の枯 は目に見え | 
| 始めているとまで言われている。本当に資源はないのだろうか?エネルギー資 | 
| 源にせよ、鉱物資源にせよ、最近騒がしく言われる水資源にせよ、良く考えて | 
| みると我々の身の回りにはかなり豊富にあり、ないのはそれを活用する技術で | 
| ある。そして、何よりもそこに目をむける資源からの発想であった。人々は、 | 
| 探し物をしていても遠くを探しすぎなのだ。探している物はすぐ近くにあるの | 
| である。物などを抜かして愛や友情、言葉、気持ち、たくさんのものが近くに | 
| ある。その近くにあるものを活用すれば、あまり時間をかけずに技術からでは | 
| なく、資源からの発想になるのである。 |