| 『脅威』という名の『チャンス』 | 
| アジサイ | の | 空 | の広場 | 
| 吉見 | / | こと | 大3 | 
| 私たちの未来は、どうなるのだろうか。現在の日本はバブル後の不況に悩ま | 
| され企業倒産が多発し失業率も五パーセントと過去最低の水準となっている。 | 
| このような経済状況から考えても私たちの未来は明るいとは言い難い。他にも | 
| 少子化、高齢化、環境問題等、様々な問題がある。二十一世紀の社会は『二極 | 
| 化』の方向に進む、と言われている。『二極化』とは『勝ち組』と『負け組』 | 
| に分かれることである。現在では既に、その兆候が現れており今日のアメリカ | 
| の好況の原因はマイクロソフトやインテル等、収穫逓増、費用低減となるコン | 
| ピューター産業がグローバル・スタンダードを早期確立し『一人勝ち』してい | 
| るからである。『勝ち組』に入るために私たちは何をすればよいか。 | 
| 最近どの新聞を見ても『リストラ』の文字が目に入る。『リストラ』の意味 | 
| は『再構築』だが今日の日本では『人減らし』の意味合いが強い。全従業員の | 
| 四分の一の従業員を減らす、という大企業も少なくない。ここで重要なのは『 | 
| 悲惨な従業員の首切り』ではなく四分の一の従業員を削減しても企業の運営に | 
| は問題ない、ということである。この原因はコンピューター技術の発達により | 
| 財務管理、人事、総務などの事務系の仕事で人手が必要でなくなったからでは | 
| ないか。つまりコンピューター技術の発達は『人余り』につながる。これから | 
| の未来は『人余り』の時代である。失業率五パーセントというのも、その失業 | 
| 者数に相当する労働力をコンピューターが担っている、といっても過言でない | 
| 。 | 
| コンピューターが人間の仕事を奪うからといって産業革命後のイギリスのよ | 
| うな『ラダイット運動(機械破壊運動)』を起こすわけにはいかない。コンピ | 
| ューターの発達は『脅威』でもあるが『チャンス』でもある。マイクロソフト | 
| やインテルの成功も、この『脅威』を『チャンス』に生かしたのだ。日本が『 | 
| 勝ち組』に入る条件の一つは、この『脅威』を『チャンス』に変えることであ | 
| る。 | 
| よく未来の世界は人間はコンピューターに支配されてしまう、というSF小 | 
| 説がある。今日のコンピューター技術の日進月歩の発達を見れば、あからさま | 
| に否定することはできない。現在にも未来にも様々な『問題』つまり『脅威』 | 
| がある。それらを『チャンス』と思って努力し行動すれば、きっと道が開くだ | 
| ろう。そもそも私たちの現在の世界は先人の『脅威』を『チャンス』に転換し | 
| た結果が積み重なってできたものなのだから。 |