| 偽りの世界 | 
| ウグイス | の | 滝 | の広場 | 
| 太公望 | / | うの | 中3 | 
| ある物事に興味を持ち、それを研究しようとするとき、まず誰しもが着目す | 
| るのはその形態や振る舞い、すなわち現象論的側面である。星に名前をつけて | 
| 星座としてまとめたり、岩石を結晶の形 | 
| や色で仕分けをしたり、動物を哺乳類や魚類や鳥類ごとに分類したりすること | 
| がそれに当たる。次いで、もう少し詳しくそれぞれの存在する条件(たとえば | 
| 場所とか温度とか)でその特徴を記述することを試みる。うまくいけば、その | 
| 段階において、原理的なことを考えなくともある種の | 
| 規則性が経験的に見つかる場合もある。科学の歴史上、そのような「経験法 | 
| 則」の例は枚挙にいとまがない。惑星の位置を丹念に追って得られた「ケプラ | 
| ーの法則」などは、その最たるもののひとつと言えよう。 | 
| 最近の新聞やテレビのワイドショーの報道は真実かどうかは今一つつかめな | 
| い。また一方的な報道が目に付く。例えばオウム真理教の報道については特に | 
| そうである。ワイドショーでは、オウムと住民の地域紛争が起きている事が報 | 
| 道されている。しかし、出演者は、オウムの悪事についてウダウダといってい | 
| る。今のオウム信者は、特にこれといった犯罪は犯していない。それなのに住 | 
| 民は、「ここから出て行け」とわめき叫ぶ。それを見ている視聴者は「そうだ | 
| 、オウムは悪い」と決め付ける。いくらオウム信者でも基本的人権はあるのだ | 
| から住む権利を奪うのはおかしいと思う。それなのに住民は、抗議行動を起こ | 
| している。いわゆる自由の矛盾という感じである。そして視聴者は、一方的な | 
| 考えしか浮かばない。真実を知ろうとしない、本当の事を考えようようとしな | 
| い、という感じだ。ワイドショーを見るときは疑い、冷静さをもつことが大切 | 
| である。 | 
| 人間は、常に外見で物事を判断しがちである。例えば友達のS君は、そんな | 
| 感じである。彼は、ちょっと外れた子とけんかして以来「あいつは、悪いやつ | 
| だ」と決めつけている。彼は、外見や行動だけで判断してしまうのである。私 | 
| が「そんなんじゃないよ」と言っても「そうか?」と言って信用しようとしな | 
| い。真実を知ろうとしないのである。私は小学校の頃を知っているので悪いや | 
| つとは思わない。このことで私は、もっと冷静に物事を見つめ考える事が必要 | 
| だと思った。 | 
| 人間は、これからも外見で判断するような見方でいるかもしれない。これか | 
| らの課題は、いかにものの裏まで考える事ができるかである。真実を知ってこ | 
| そはじめて物事が分かるのである。 |