| 本当の豊かさ |
| アジサイ | の | 谷 | の広場 |
| りさ | / | あいす | 中2 |
| 毎年1月15日になると色とりどりの和服を着た若い女性をよく目にする。 |
| 一生に1度の成人式に胸を踊らせ、しかしちょっと大人になったような気持ち |
| で出かけていくのだ。こんな華やかな着物と20歳になった若い人を見ると、 |
| こちらまで華やかな気分になれる。しかし近頃この成人式で頂いたお土産を飲 |
| み会などで捨てていく人が急増しているのだ。せっかくもらった新品の物をな |
| にも使わずに捨ててしまう。欲しい物はすぐに買ってしまう。これは日本人が |
| 裕福で贅沢であるという世の中の現われではないだろうか。 |
| 確かにお金は大切だ。自分の欲しい物はすぐに買えるし、いらない物はなに |
| も思わずに排除できる。昔の子供は欲しい物が常にあったというが現代の子供 |
| はあまり欲しい物がない。ということからも分かるだろう。「なにがほしい? |
| 」と聞かれても「お金」と答えてしまうのが現代の子供の実状ではないか。やは |
| りどの子供または大人にとって、お金とはあればあるだけ欲しくなるものなの |
| である。 |
| しかし、お金以外のもので大切なものはある。それは心。貧しいおじいさん |
| が雪の降った寒い夜におじぞうさんにかさをかぶせてあげたという「かさじぞ |
| う」の話を読んでも分かるように貧しくても心が豊かであれば生活を楽しむこ |
| とができるのだ。かえって心が豊かな方が人間的にも好かれるだろうし、救わ |
| れることも多いだろう。 |
| よって生活するためにはある程度のお金は必要だがお金よりもまず心を養う |
| ことが第一であるということを忘れてはいけない。色とりどりの和服を着ると |
| いうことは一見華やかであるが、それにともなって心も華やかにならなければ |
| いけないのである。 |