クリ の山 11 月 3 週 (5)
◎冬のさむい日が(感)   池新  
 【1】冬のさむい日がくると、げんきなみなさんでも、手や足がかじかむことがあるでしょう。夏のように、やたらにのどがかわいて、がぶがぶ水をのむこともありませんね。
 木だって、おなじことです。
 【2】冬になって、土がひえると、木の根がかじかんで、水をすわなくなります。
 それでは、あついとき、わたしたちが、のどがかわくのは、なぜだかしっていますか。
 それは、からだをひやそうとして、あせをかくからですね。【3】あせをかいてからだの中の水けがたりなくなると、水をのみたくなるのです。
 木だって、あせをかきます。
 にんげんのあせは、毛(け)あなからでますが、木のあせは、葉っぱにあいている、目にみえない小さなあなからでます。【4】木のあせは、じょう気になってでていくので、葉っぱがぬれることはありません。
 わたしたちは、あついときには、毛(け)あなをひらいて、あせをだします。さむいときには、毛(け)あなをとじて、あせをとめます。
 【5】ところが、さくらや、もみじの葉っぱは、どんなときでも、あせのあなが、あけっぱなしです。こんな葉っぱが冬でもくっついていたら、どうなるとおもいますか。
 【6】葉っぱからは、どんどんあせがでます。それなのに、根のほうは、かじかんで水をすいません。これでは、えだも、みきも、からからにかわいてしまうでしょう。かわいた木は、かれないわけにいきません。これではたいへんです。
 【7】だから、さくらや、もみじは、さむい冬がくるまえに、さっさと、葉っぱをおとしてしまうのです。
 【8】まつや、つばきの葉っぱは、冬でもおちません。それは、あせのでるあなが、にんげんほどでもないけれど、さくらなどよりは、ぐあいよく、できているからです。
 【9】さくらや、もみじでも、春になったら、さっそく、葉っぱをださなければなりません。それで、冬のうちに、葉っぱになるめをよういします。【0】∵

 (「理科なぜどうして三年生」偕成社)