ウツギ の山 11 月 2 週 (5)
○画用紙と色鉛筆   池新  
 画用紙と色鉛筆を手渡され山の絵をかくようにいわれたらほとんどの人が緑色(みどりいろ)の山の絵をかくでしょう。一面を緑色(みどりいろ)の木でおおわれているのですから、たしかに山は緑色(みどりいろ)です。しかし、秋になるとまるですてきな衣装をまとったかのように、山は赤や黄色に色づいてきます。これを紅葉と言います。紅葉が美しいことで有名な山は、たくさんの人でにぎわいます。紅葉狩りという言葉を耳にしたことがありませんか? 美しく色づいた木や山を楽しむということです。山に出かけなくても公園や街路樹の木も美しく色づきます。真っ赤なもみじや黄色のいちょうなど、みなさんも見たことがあるはずです。
 では、どうして秋になると木の葉の色が変わるのでしょう? これは冬になって葉を落とすための用意をしているからなのです。
 木には、冬に葉の落ちる落葉樹と冬に葉の落ちない常緑樹とがあります。冬に葉の落ちる木は、夏の日差しの強いときは光のエネルギーでたくさんの栄養を作ります。しかし、冬になって日差しが弱くなると、栄養を作るよりも、乾燥や寒さから身を守るために葉を落とすのです。落葉樹は、「冬になったら、葉を落としたほうが楽よう。」と思っているのでしょう。
 葉の緑色(みどりいろ)の部分は、光を栄養に変えるところです。落葉樹は、葉を落とす前に、だんだんと緑色(みどりいろ)の部分を少なくしていきます。そのため、黄色や赤といった緑色(みどりいろ)以外の成分が顔を出してくるのです。
 木の葉が美しく変身するには、昼間の気温と夜の気温の差が大きいほうがよいそうです。また、空気が澄んでいて葉に十分な日光が当たることも大切な条件になります。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(ω)