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  住所ラベルの文字がこすれているものは交換します
  勉強を進める上でわかりにくいところ
   どんな本を読んだらいいのですか
   自習がなかなかできないのですが
   感想文の書き方がよくわかりません
   三文抜書きや要約の仕方を教えてください
   課題集の与えられた題名では、書くことがない
   常体(である体)では書きにくい
   敬体(ですます体)では書きにくい
   ダジャレ表現が難しい
   キーワードによる評価がわかりにくい
 
言葉の森新聞 2003年4月3週号 通算第793号
文責 中根克明(森川林)
住所ラベルの文字がこすれているものは交換します
 4.1週にお渡しした住所ラベルで、文字がこすれて読みにくくなっているものがありましたら交換します。先生または教室(電話0120-22-3987平日8:30〜20:00土曜8:30〜12:00)までご連絡ください。
勉強を進める上でわかりにくいところ
 勉強を進めていく上でわかりにくいところがありましたら、お気軽に教室までお電話でおたずねください。
 今回は、よくある質問をご紹介します。
どんな本を読んだらいいのですか
 小学校低学年から中学年にかけての日本の読書環境は充実しています。書店や図書館で、本の奥付を見てみると、初版の発行年数や印刷回数が表示されています。発行年数の古いものや印刷回数の多いものは、人気のある本だと考えてよいでしょう。ただし、買う前に本の中の数行を読んでみましょう。中学年までは多読の時期ですから、毎日必ず本を読むという習慣をつけましょう。
 高学年からの読書環境は、あまり充実していません。また、受験勉強のために読書の時間が取れなくなりがちです。長文音読を欠かさずに行い、国語の問題集の問題文を読む練習をしていくといいでしょう。
 おすすめの本は、ホームページの図書の広場に掲載しています。
自習がなかなかできないのですが
 自習は3種類あります。長文音読、短文暗唱、読書です。いずれも、問題集を解くような勉強と違って自習をしたあとが残らない勉強なので、継続しにくい面があります。自習を継続させるコツは、毎日欠かさずに行うということです。そのために、朝起きたら、朝ご飯の前に自習の時間を設けるようにするといいでしょう。
 忙しくて全部はできないときでも、長文音読は欠かさずにやっていきましょう。
 中学生になると、人前で音読をするということに抵抗があるという人も出てきます。その場合でも、事前に課題の長文を何度か読むことだけは必ずしておいてください。
感想文の書き方がよくわかりません
 新しく小学3年生になった人は、4.3週から感想文の課題があります。事前に長文を読んでおき、似た話を見つけておくと書きやすくなります。いちばんいいのは、夕飯などの家族がそろっているときに子供が長文を音読し、その長文について、お父さんやお母さんが話をしてあげることです。毎週土曜日の夕飯は、長文音読を家族みんなで聞く時間と決めておいてもいいと思います。ただし、いったん決めたことは必ず継続することが大事です。一度でも例外を作ると、ほかのいい習慣も次々と崩れていきます。
 さて、感想文の指導のポイントは次のとおりです。(2002年3月3週の言葉の森新聞より)
 担当の先生は、下記のように指導していますので、ご家庭でも同じように見てあげてください。
(1)できるだけ単純に話をする。
 例えば、最初に「いちばん……だったのは……です」と書いて、次に、「私にも似た話があります。」と書いて、その次に、「お母さんに似た話を聞いて見ました。」と書いて、そのあとに「もし……だったら」と書いて、最後に「私はこの話を読んで……と思いました」と書いてね、という感じで説明します。「似た話はなかったら、書かなくてもいいよ」と言っておきます。高度な話をせずに、最初はできるだけ単純に形を整えるということが大事です。
(2)字数は少なくてもいいと言う。
 上のような指導をして、似た話が全然ないときに子供たちががんばって書ける字数はよくできる子でも、学年の100倍ぐらいです。(小3なら300字)。ですから、「感想文は難しいから字数は○○字ぐらいでいいからね」と言っておきます。
(3)書けなくても勉強になると言う。
 「感想文は、読んで考えることが勉強なのだから、たとえ何も書けなくても、考えたことだけで勉強になるんだからね」と言って安心してもらいます。(笑)
(4)評価でもほめる。
 「字数はふだんの作文と比べるとすごく短くて、たとえも入らなかったけど、こういう難しいのをやると勉強になるんだよ。よくがんばったね。今度は、長文を読むときに、先に似た話を考えておくと書きやすいよ」という具合に、現状をほめつつ次回のアドバイスをします。
 感想文は難しいので、書いた結果だけを見て、子供ががっかりしてしまうことが多いものですが、これを親や先生が優しくカバーしてあげることが大切です。
三文抜書きや要約の仕方を教えてください
 小学4年生から三文抜書き、小学5年生から要約という項目が出てきます。
 文章全体を読んで大事なところを選び出すという能力は、小学5年生ごろからついてくるものですから、年齢的にはかなり難しい項目です。
 これも、形ができればいいということで指導していくことが大事で、形が整えばその後次第に内容のある要約をしていけるようになります。
 初めは担当の先生が、「この文とこの文とこの文をつなげて書いてね」というようにアドバイスをします。三つの文を選んで書くということに慣れてきたら、自分で三つの文を選んでいきましょう。その際、「大事なところを選ぶ」というところまで要求すると子供は困惑しますので、最初は「始め、中、終わりからそれぞれ一つずつ選ぶ」というぐらいに軽く考えていってください。
課題集の与えられた題名では、書くことがない
 小学3年生から、課題集の題名で書くようになります。初めのころは、子供たちは自由な題名で書きたがるものですが、与えられた題名で書くことに慣れるようにしていくことが大事です。
 そのためには、事前に課題集を見て、その題名に合った話を見つけておくという準備が必要になります。長文音読をしているときに、次の週の題名を見て、どういう話を書くか決めておきましょう。また、できるだけ、お母さんやお父さんなどの身近な人に似た話を取材しておくようにしてください。
常体(である体)では書きにくい
 小学5年生から常体で書く練習をしていきます。
 敬体(ですます体)は、ほかの人に話しかけるのにふさわしい文体です。手紙などに、「おじいちゃん、お元気ですか。ぼくは、元気です。」と書くようなときに使います。これを常体で書いてしまうと変になります。「おじいちゃん、お元気か。ぼくは、元気だ。」
 これに対して常体(である体)は、自分の内面に語りかける文体です。日記などに、「ぼくは、どうしてこう物覚えが悪いのか。しかし、今度の試験はがんばろう。」などと書く書き方です。これを敬体で書くとやはり変になります。「ぼくは、どうしてこう物覚えが悪いのでしょうか。しかし、今度の試験はがんばりましょう。」
 小学校の教科書では、低学年のうちはほとんど敬体の文章ですが、学年が上がるにつれて常体の文章が増え、小学5年生あたりで常体と敬体の比率が逆転します。これは、学年が上がるにつれて、論説的な文章が増えてくるためです。
 言葉の森の作文の課題も、小学5年生からは、論説文的な要素が増えてきます。そのため、5年生からは常体で書くように指導しています。
敬体(ですます体)では書きにくい
 小学校低学年でも、本をよく読んでいる子供は、自然に常体で書く場合があります。自然に常体で書いているものを直す必要はないようにも思えますが、常体と敬体の区別を意識させるために、小学4年生までは敬体で書く練習をしていきます。また、小学4年生までの作文課題は、出来事中心の作文になることがほとんどなので、敬体の方が書く内容を表現しやすいようです。
ダジャレ表現が難しい
 ダジャレ表現の意義は二つあります。一つは、これからの時代の文章には面白さが必要になるということです。もう一つは、たとえや自作名言やことわざの加工と同じように、ダジャレは、異なるものの似た面を結びつける思考力の練習になるということです。1+1=2という機械的な考えからはダジャレは生まれません。1+1=田という意外な発想がダジャレの特徴です。
 表現の項目には、ダジャレ表現とたとえの2種類があるので、ダジャレが入らなくてたとえが入れば◎になるようにしています。時間のあるときに柔軟に考えて書いていきましょう。
キーワードによる評価がわかりにくい
 作文の評価には、先生の主観が入りがちです。しかし、先生の好みと合っているかどうかということが評価の前面に出てくると、子供は努力のしがいがなくなります。また、特定の子供だけがいつも高く評価されるという結果にもなります。
 そこで、先生の主観的な感想は電話や講評の中だけで触れるようにして、点数などの客観的な評価は、子供自身にもわかるような公平なつけ方をするようにしています。それが、キーワードによる評価です。
 表現の項目によっては、「まるで……よう」のように文章の中に自然に盛り込めるものもありますが、「中心を決める」などの項目は、文章の中には出てきません。そこで、子供自身が中心だと思っているところに「(中心)」というカッコ書きをしておくという形にしています。
 ただし、小学2年生までは、子供自身が点数による評価にあまり関心がなく、点数よりも先生やお母さんとの対話が書く意欲につながるという面がありますので、項目の有無にはそれほどこだわらずに楽しく書いていってください。
 6月1週に、作文の進級試験(その学期の項目と字数ができるかどうかの試験)がありますが、小学2年生までは試験の結果にかかわらず全員先の課題に進むようにしています。
 小学3年生以降は、勉強の具体的な目標があった方が書く意欲が出てきますから、字数や項目が◎になることを目標にして書くようにしていってください。
 
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