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  【重要】3.1週作文進級テスト。先取りも可
  中学受験の作文試験に合格
  低学年の長文音読のコツ
  森リンの点数
  小1の読解問題にミス
  個人情報について
  私の不合格体験記
  作文を読む面白さ(わびすけ/かねら先生)
  技能五輪国際大会(きりこ/こに先生)
  猫とねずみ(モネ/いとゆ先生)
 
言葉の森新聞 2008年2月3週号 通算第1019号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
【重要】3.1週作文進級テスト。先取りも可
 3.1週は作文の進級テストです。
 3月8日ポスト投函が締め切りですので、3月1週に作文が書けない人は、2.3週又は2.4週の間に、3.1週の作文試験を先取りして行ってください。
中学受験の作文試験に合格
 これまでに入った連絡によると、作文試験のある中学受験を中心に多くの生徒が合格しました。(順不同)

都立武蔵高附属中逗子開成中 筑波大附属駒場中 大阪教育大附属池田中
公文国際学園中 渋谷教育学園渋谷中 浅野中 広島大附属福山中
さいたま市立浦和中 灘中 新潟県立燕中 千里国際学園中
秀明中 東大附属中 頌栄女子学院中 早稲田実業高
その他、推薦による大学など

 みなさん、おめでとう。

 でも、残念ながら落ちた人も、それをバネにこれから楽しい学校生活を送ってください。

 
低学年の長文音読のコツ
 幼稚園の生徒は、まだ音読する必要はありません。音読のかわりにお母さんが長文を読んであげてください。
 小学1・2年生は、読む力に個人差がかなりあります。いずれはどの子もすらすら読めるようになりますが、最初はその子の力に応じた音読をしてください。
 例えば、1ページを全部読むのではなく、毎日5行だけ読むようにするなどという方法です。
 大事なことは、量は少なくても毎日続けることと、読んだあといつも褒めてあげることです。
 これは、音読に限らず、低学年の勉強すべてに言えることです。

                            
 
森リンの点数
 パソコンで清書を送っていただいた小学生低学年の保護者の方から、何件か質問を受けました。表示されている点数が低いので驚いたという内容です。
 これは、森リンという自動採点ソフトによる点数ですが、今後、「山のたより」には表示せず、ウェブでだけ確認できるように配慮していきます。
 森リンは、言葉の森が独自に開発した文章採点ソフトで、小学1年生から高校3年生までを共通の尺度で評価しています。そのため、高校生で1200字以上の優れた内容の作文を書いた場合に、やっと90点台が取れるようになっています。小学校低中学年の生徒が、あまり難しい漢字を使わずに作文を書いた場合、どうしても点数が低くなります。
 しかし、せっかく書いた作文に低い点数がつくのはかわいそうなので、2.3週からこの点数表示は「山のたより」には載せず、作文の丘で確認できるようにしました。
小1の読解問題にミス
 父母の広場に、小1の読解問題のミスと個人情報に関する指摘がありました。
 貴重なご意見ありがとうございました。
 読解問題については、2.3週の山のたよりに解説を載せています。
 読解問題は、書くだけの指導ではなく、長文を毎日読む指導をするために始めました。高校生は、センター試験の難しさぐらいの問題、中学生と小学校高学年はそれよりも易しく、小学校中学年は更に易しく、ということで作りました。
 小学1・2年生については、テストという形式自体にあまり意味がないので、長文を読んでいればだれでも◎になる問題にしました。
 しかし、実を言うと、今回は採点システムを間に合わせるのが精一杯で、国語問題の内容チェックについては時間ぎりぎりになってしまったのです。
 いずれの問題も事務局で複数の人によるチェックをしましたが、チェックが甘かったようです。次回からはもっと余裕をもって作成したいと思います。
個人情報について
 個人情報については、住所・氏名・電話・メールなど本人が特定できるものは、ウェブでは見られないようになっています。
 しかし、生徒の書いた作文やその作文に対する講評などは、生徒どうしが交流できるようにお互いに見られるようにしています。
 ただし、今回のように国語の問題を入れてあると、作文の評価は問題がなくても、国語の問題の評価は○や×がはっきりわかるので抵抗があると思います。
 2.3週から、「山のたより」は、自分のページしか表示されないようにしました。
私の不合格体験記
 自慢ではないですが(という書き出しで始まる話は大抵自慢ですが)、私は子供のころからテストで苦労したことがありませんでした。高校入試も、大学入試も、すべて余裕で合格してきました。大学入試のときは、たぶんどの教科もいちばん最初に試験会場を出てきたと思います。答案の書けた人は時間内でも提出してよいということだったからです。
 そんな私が初めて味わった挫折が、就職試験です。絶対に受かるつもりで臨んだマスコミの入試で、ペーパー試験は合格しましたが、面接でしっかり落とされました。私はその不合格が納得できなかったので、人事部に直接電話をして、どうして落としたのかと聞いたぐらいです(笑)。そのときに、もう絶対にこんなところに入ってやらないと決心しました。入れてもらえなかったのですが。
 だから、不合格になった人の気持ちは、痛いほどよくわかります。しかし、私が不合格になった経験から言うと、不合格はむしろ「おめでとう」です。運よく合格した人は、そのまま普通の人生を送るだけですが、不合格になったみなさんは、悔しい思いがたっぷりあるはずです。不合格の結果は、その試験がみなさんの実力を正しく評価しなかったというだけです。そんな学校に二度と入ってやるものかという気持ちで、これからの新しい別の学校生活を楽しんでください。
 いつか、今の時代をふりかえって、やっぱりあそこで落ちてよかったと思うときが来るはずです。

    
 
作文を読む面白さ(わびすけ/かねら先生)
       

 これからどんどん寒くなりますね。 私は、昨年のお正月はドイツで過ごしました。(正しくいうと住んでいました。) ドイツは、日本より一回り寒いところです。 積雪や朝晩の冷え込みは、ドイツならではでした。 それでも、昨冬は世界的な暖冬といってもよく、ドイツ人が稀有の暖かさにビックリしていたことを覚えています。

 とはいえ冬ですから、ドイツも寒かったことには間違いありません。 しかし、ドイツは日本より寒くても、家の中ではとても快適に過ごすことができます。 日本の伝統的な家屋だと、冬は冷気が通りぬけて本当に寒いですよね。 ところがドイツの家屋は、日本と異なり、密閉性・気密性に非常に優れた構造をもっているのです。 夏は夏で、空気が乾燥しているので気温が30℃以上になっても、とても気持ちよいお天気なのです。 だから、一般的な家屋・建物にはエアコンがありません。 そのかわりに、オイルヒーターが完備されているので、冬は家の中なら薄着で動き回ることができます。 湯冷めもしません。

 ところで、ドイツのお隣の国イタリアでは、「風邪をひいたらシャワーを浴びる」という習慣があるそうです。 つまり、この国でも風呂に入ったところで湯冷めをしないということがいえるでしょう。 その国々の「風土」によって、様々な文化があるということですね。

         

 もちろん文化というものは、世界の国々によって違うだけではありません。 私たちが住んでいる日本においても、地域や世代毎に様々な文化があります。 例えば、お雑煮ひとつをとってみても、古今東西に様々な文化を発見することができるはずです。方言もよい例ですね。 東北地方の人々が「ズーズー弁」で喋るのは、冬の寒い時は口を大きく開けることができなかったことに由来しているといわれています。 すなわち、風土に適した東北の文化なのです。

 このように、日本の中には、未来に残していくべき大切な文化が沢山あります。 みなさんががんばって書いてくれる作文にも、みなさんをとりまく文化が如実に現れていることがしばしばです。 このようにして文化の違いに触れられるということが、まさに作文を読む醍醐味です。

 今年も楽しい作文を待っています。 風邪をひかないように元気に過ごしてください。 
技能五輪国際大会(きりこ/こに先生)
 昨年11月に、日本で技能五輪国際大会という大会が開催されました。皆さんへ作文をお返しするさい、この大会の記念切手を使ったので、目にとまった人もいると思います。

 技能五輪とは、世界中の22歳以下の若者が、自分の持つ技術を競い合う大会です。情報ネットワーク施工や機械製図CAD、溶接やタイル張り、レンガ積み、印刷、さらに美容や洋裁、洋菓子製造や西洋料理など、職種は多様です。

 この大会で、日本選手は16職種で金メダルをとりました。これは、世界一の金メダル数だそうです。日本人に強いといわれている職種での連覇もすばらしいことですが、今回、初めて金メダルに輝いた職種があります。私たちの大好きな洋菓子部門です。クリスマスイブにケーキを食べた人も多かったことでしょう。カタログを見ながら、今年は、どんなケーキにしようか悩んだ人もいるんじゃないかな。最近では、おいしそうなケーキはもちろんのこと、美しいケーキがたくさん販売されていますね。この部門は、ずっとヨーロッパ勢が強かったそうです。
 
 見事金メダルに輝いた大島選手は、小さいころからお菓子作りが大好きで、作るたびに家族に「おいしい。おいしい。」とほめられて、どんどん作るようになったそうです。成長していくと、自分の欠点や必要なことも見えてきて、努力の日々だったとか。お菓子作りには、腕力が必要です。腕立て伏せをしたり、トレーニング器具を使ったりして必要なことを身につけていきました。あめ細工の完成品を写真で見ましたが、それは、それは美しい、見事なものでした。日本人の繊細で美しい心、手先の器用さで勝ち取った勝利と言ってもいいと思います。

 日本では、ものづくりが軽視され、若い人への技術の伝達が上手くいっていないといわれ、「ものづくり日本危なし!」と心配されています。このテーマをお勉強した人もいますね。太陽のように明るいニュースを聞き、私はとても嬉しくなりました。

 パティシエになりたい人も、大工さんになりたい人も、ぜひ技能五輪での金メダルを目指してください。

 「五輪」というと、とても有名なのが、夏季オリンピック。今年、中国の北京で開催されます。テレビCMでスポーツ選手の起用が増えたり、中国へ行く人が増えたり、スポーツと中国がおもしろい年にもなりそうです。注目ですね。

 
猫とねずみ(モネ/いとゆ先生)
 2008年の干支はねずみですが、皆さんはなぜ十二支の中に猫が入っていないのか知っていますか? 
 「昔々神様は、動物たちに、『今度の正月の元日の朝、新年のあいさつに早く来た者から順に12番目までを、毎年の名前とする。』というおふれを出しました。ところが、いねむりをしてその話を聞いていなかった猫が、いつあいさつに行けばいいのかをねずみに聞いたところ、ねずみはわざと1日おくれの日を教えました。そして、ねずみは元日の朝1番にあいさつに行き、2日の朝張り切って出かけた猫は、番外で仲間に入ることはできませんでした。(おはなしチャイルド じゅうにしのおはなしより)」
 ずるがしこいねずみに対して、猫は何とお人好しでまぬけなのでしょう。ねずみ年があっても、猫年がない訳は、こういう理由だったのですね。

  また、猫にまつわるこんなおもしろい伝説もあります。
 「イギリスのマン島に、マンクスというしっぽのない猫がいます。マンクスには、昔はりっぱな長いしっぽがありました。ところが、40日40夜も続いたと言われる大洪水の予言を聞いて、ノアという若者が大きな箱舟を作り、その家族と全ての動物たちのつがいを招き入れたときのことです。ぎりぎりまでねずみを追いかけて遊んでいたマンクスは、1番最後に箱舟に飛び乗ろうとして、バタンと閉められたとびらにしっぽがはさまりちょん切れてしまいました。」
 何とも痛そうな話で、しっぽのない私まで思わずおしりのあたりがむずむずしてきそうです。それに、猫のしっぽには、高い所を歩いたり、体の向きを変えたり、飛び上がったりするときに体のバランスを保つ役目があるので、マンクスはさぞ不便だろうにと気の毒に思います。
 ちなみに私が飼っている2匹の猫は、どちらもりっぱな長いしっぽを持っています。飼い主に似てせっかちなところがあるので、きっと1番乗りで箱舟に乗りこんで、後から来る動物たちをゆうゆうとながめていたにちがいありません。
 
 ねずみにだまされて十二支の仲間入りができなかった猫は、今でもねずみをうらんで追いかけ回しています。でも今年は、猫のようにじっくりとマイペースで努力を続けつつ、いざというときにはねずみのように軽やかな身のこなしでチャンスをものにできるよう、両方のバランスを仲良く保って過ごしていきたいと思います。

                           
 
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