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  6月30日(月)は休み
  新学期の教材を発送しました
  6月の作文送信及び読解マラソンの記録は28日(土)までに
  4.4週の入選清書の文字が薄かったようです
  6.4週は読解問題と清書。幼稚園生は普通の作文
   読解問題の仕方
   清書の仕方
  知識を活用する時代
  時には耐えることも必要(いろは/いた先生)
  経験について(ごだい/ひら先生)
 
言葉の森新聞 2008年6月4週号 通算第1036号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
6月30日(月)は休み
 6月30日(月)は第5週でお休みです。先生からの電話はありません。
新学期の教材を発送しました
 新学期の教材を6月16日(月)〜18日(水)に発送しました。
 国内の生徒で25日になっても届かない場合はご連絡ください。
★項目・住所シールは
7月1週の山のたよりと
一緒に送ります。
6月末に発送予定です。★
6月の作文送信及び読解マラソンの記録は28日(土)までに
 6月29日(日)、ホームページのデータが一斉に入れ替わります。インターネットを利用して作文を送っている方は、6月の課題を6月28日(土)までに「作文の丘」から送信してください。それ以降は正しく送信できなくなります。
 また、今学期の読解マラソンの記録も6月28日(土)までにお願いします。

  
4.4週の入選清書の文字が薄かったようです
 5月に新しいスキャナを導入したために、文字の濃さの設定が間に合いませんでした。そのため、文字が薄くて一部読みにくい箇所があったと思います。
 言葉の森のホームページの入選清書のページには、大きいサイズの原稿が載っていますので、読みにくい原稿は、このページで確認してくださるようお願いいたします。
http://www.mori7.com/seisyo/nyuusenn.php
 設定を調整しましたので、次回からはもっと読みやすくなると思います。
 
6.4週は読解問題と清書。幼稚園生は普通の作文
 6月4週は、読解問題と清書です。幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。項目シールは、予備のものを使ってください。
 小学1年生以上の生徒は、第4週に読解問題と清書を行います。
 読解問題の時間がかかるため、清書の時間が取れない場合は、清書を省略してもかまいません。
 なお、清書が保存されると勉強の記録になりますから、生徒又は家族がパソコン入力ができる場合は、パソコンで書いた清書を作文の丘から送ってください。
読解問題の仕方
 「山のたより」についている読解問題は、課題フォルダにはさんである読解マラソン集から出しています。
 読解問題の答えを作文の丘から送信する人は、作文の丘に答えを入れる欄がありますから、清書と一緒にそこから送信してください。
 読解問題の答えを作文用紙に書く人は、作文用紙に問題と答えがわかるように書いてください。書き方は自由です。住所シールは、清書の1枚目にはってください。問題の方にははりません。
清書の仕方
 今月の清書のうち、上手に書けたものは、翌々月第1週に優秀作品としてプリントされます。
 清書は、パソコンで書いても手書きで書いてもどちらでも結構です。
 パソコンで書きインターネットから送信した清書は、ホームページに保存されます。
 パソコンで清書を書いて送信した場合、手書きの清書は提出する必要はありません。
 インターネットからの送信の仕方は、「学習の手引」をごらんください。
http://www.mori7.com/mori/gate.php#129
 手書きの清書を提出する人は、清書がホームページに表示されなくなりますので、先生に送る前にコピーしておかれることをおすすめします。
 よく書けた清書は、自分で小学生新聞などに投稿してください。ただし、同じものを複数の新聞社に送らないようにしてください。
 新聞社などに投稿する場合、手書きで清書を書いている人は、その清書をコピーして、原本を新聞社への投稿用に、コピーを言葉の森の先生への提出用にしてください。パソコンで清書を送信している人は、その清書をワードなどにコピーして新聞社へ投稿用にしてください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(ペンネームで書いている場合は本名に訂正しておいてください)
(2)学年
(3)自宅の住所
(4)自宅の電話番号
(5)学校名とふりがな
(6)学校所在地(町村名までで可)
●朝日小学生新聞の住所  104−8433 東京都中央区築地3−5−4 朝日小学生新聞 「ぼくとわたしの作品」係 御中 ●毎日小学生新聞の住所  100−8051 東京都千代田区一ツ橋1−1 毎日小学生新聞 さくひん係 御中
★二重投稿は絶対にしないようにしてください。
 これまでの優秀作品は、「入選清書」のページでごらんください。
http://www.mori7.com/seisyo/nyuusenn.php
知識を活用する時代
 6月20日の日経新聞の特集「『アジアの未来』プログラム」に、竹中平蔵氏の講演が載っていました。その中で、氏は次のような四つの提案をしていました。(1)羽田空港の能力増強、(2)低率の法人税を適用するスーパー特区の新設、(3)アジアの政府系ファンドの資金などを呼び込むための省庁の設立、(4)大学の国際競争力を高めるための東大の民営化。
 同じ特集で、自民党元幹事長の中川秀直氏がやはり、対談の中で、(1)羽田空港のハブ化、(2)高い法人税の見直し、(3)英語を話せる人材の増加、などの必要性を話していました。中川秀直氏は、副島隆彦氏がウェブの「学問道場」で、その力量を評価していた政治家です。
 こういう記事がいながらにして読めるというのが現代社会の特徴です。現代は、社会の大きな方向を高い視点で述べることのできる人が、それぞれの分野で次々と世論の前面に出つつある時代だと思いました。
 歴史の流れを図式的に説明すると、最初は、少数の優れたリーダーが社会を引っ張っていく時代でした。しかし、社会が複雑になるにつれて、官僚制が台頭します。始めは有効に機能していた官僚制のヒエラルキーが次第に腐敗し、自己保身を第一に考える多数の中間的小リーダーが広がるというのが現在までの時代だったと思います。
 ところが、インターネットの普及は、そのヒエラルキーを急速に無効なものにしつつあります。未来は、多くの優れた有権者が大量に登場する時代になるでしょう。リーダーが一方的に政治権力を執行する時代から、多数の優れた有権者がそれぞれの局面でふさわしい多数のリーダーを選ぶ、という民主主義の本来の形が生まれつつあるのです。
 そのような時代に必要な能力は、材料を集める力よりもむしろ、与えられた材料を料理する力です。学力で言えば、知識力よりも思考力ということになるでしょう。
 人間が他の動物と違って格段に優れているところは、他人の知識をすぐに自分の知識とすることができる点です。ピタゴラスが三平方の定理を発見したときには、膨大な時間と天才的なひらめきが必要だったはずです。しかし、現代人は全くそのような時間も才能も必要とせずに、わずか十数分でその定理を自分の知識として使うことができます。
 最初に書いた竹中氏や中川氏や副島氏(もちろんほかのいろいろな識者も含めて)の知識や提案は、彼らの独自の知識や経験や才能によって生まれたものでしょう。しかし、有権者は、メディアを通じて、それらの考えを自分の判断材料としてすぐに生かすことができるのです。
 昔は、ほかの人の知らない知識を持っていれば、それだけで通用しました。今は、どのような知識もすぐに社会全体に広がります。知識を蓄えることではなく、活用することを勉強の目的としていくことがますます必要な時代になっているのです。
時には耐えることも必要(いろは/いた先生)
 4.2週の「な」の課題は「私は小さい頃」という長文の感想文でした。渡良瀬川で水遊びをしていた筆者は水に流されてしまいます。そこでもがくのではなく、水の流れに身を任せることで足の付く浅瀬へ届く、という長文の内容でした。

 わが子はこの「流れに身を任せる」ことに感銘を受けたようで、感想文の似た話に次のような内容を書いていました。「野球の友だちが5年生になってから塾との両立が大変でクラブをやめてしまった。もう少し続けていればよかったのにと思った」。こんな内容です。この内容が食卓での話題で挙がったとき、どういう意味でよかったのか、という話になりました。すると「下手くそで監督、コーチは怖くてもう本当に嫌になるけれど、その壁を乗り越えたら楽しみが出てくるから。」という返事。思わずちょっと涙が出てきました。

 小学校へ入学し、何か運動できた方がいいよねえ、という軽い気持ちで入部した野球部。ふたを開けてみると、都大会ベストエイトに進出するくらいの強さでした。そして鬼のように怖いコーチや監督。初めはお遊び気分で行くこともできましたが、同級生達がうまくなる一方で息子は伸び悩み怒鳴られることもしばしば。親の目から見てもかわいそうな状況でした。「辞めさせてあげたいな。」そう感じたのですが、阻止したのは夫でした。勉強をしなさいとも言わず、無理強いをしたことも無い彼が「一度やると言ったことは最後までしなければならない。」と一歩も譲らなかったのです。「ここで辞めてしまったら、息子は野球=苦しいというイメージしか持てない。それでは野球も息子もかわいそうだ」。強い姿勢に私は折れ、息子が「辞めたい」と言うまで見守ることにしました。それからの数年、辛い表情を浮かべながらも辞めたいとは言わず、黙々と続けた野球。今一山越えて、やっと楽しさを見つけたのかとうれしくなりました。

 あの時、母親の甘さを前面に出し「もう辞めようか。」と促していたら、今の息子の成長を見ることができなかったかもしれません。一つの山を乗り越えた息子はぐっと大きくなったと思うのです。その成長は作文をきっかけに見つけられたのですからうれしい限りです。

作文では「もう少しがんばればよかったのに。」で終わっていた息子の言葉でしたが、それには続きがありました。「でも、山を登ったと思ったらまた大きな壁が出てくるんだけどね(笑)。」うん、そうね。でも一つ山を登ったらその壁もよじ登れる気がするでしょう? そんな言葉を言わなくても気づいている息子の横顔はいつの間にか大きく成長していました。

 言葉の森をしていて、「辞めたいな」と思ったときは、もがかず流れにまかせるのも一つの手かもしれません。流れに任せているうちに、そんな気持ちはどこかへ飛んで行ってしまっているかもしれません。うまく書けない、と思うのはうまくなれる自分に気づいているからなのです。流れに任せるのも悪いことではありませんよ。
 
経験について(ごだい/ひら先生)
 「どうしたら、作文が上手になるのでしょう。親はどのような関わりをしたらいいのでしょう。」

 ちょうど、一ヶ月前ぐらいに受けた質問でした。ちょっと、いやかなり大きなテーマです(笑)。

「本人の経験×主に家族との会話×読書×書くこと(考えること)×よいところをほめること・・・これらの総和で、保護者はお子さん書いたものの良いところを認め、ほめつつ、会話や経験をサポートし、読書の環境を整えることだと思っています」

とお答えしました。「共によりよく生きる」ことそのものが作文と言ってもいいかもしれません。人の成長はスパイラル状です。作文も人の成長も直線的ではないけれど、日常のいろいろなことから山を登るようにグルグルと上手になっていくのだと思います。

 さて、今回は経験について面白い文章を見つけたのでご紹介します。出典は河合隼雄さん『河合隼雄のこころ 教えることは寄り添うこと』です。(因みに河合隼雄さんの文章は言葉の森や中学受験などの問題文にもよく使われています。)



バレリーナの森下洋子さんの所属する松山バレエ団が、ある中学校で公演をした。子どもたちははじめて見る、ほんもののバレエに心を奪われていたが、その子どもたちから送られてきた感想の一節に次のような文章があった。
「素晴らしい踊りを見ているうちに、私も何か天職と思われるものを探し出し、それに熱中したいと思いました」。この子は、バレエを見て、私もあんな風に踊れたら、などとありきたりのことではなく、バレリーナの姿に「天職」を感じ取り、自分は自分としての「天職」を見いだして頑張りたいと思ったのだ。人の真似をするのではなく、自分には自分にふさわしい職業があるはずだと確信したのである。
・・・本物に触れると、心が否応なく動かされ、自分作りの肥やしになるということですね。



最近全日本のサッカー代表チームの監督をした、岡田武史監督と話し合う機会があった。彼によると、彼がイタリーの有名なサッカーの監督に、よき指導者になるための条件を訊くと、音楽、演劇、舞踏などの一流の芸術にできる限り多く接することと言った。(中略)つまり、一流の芸術に接することによって、自分の心が豊かになることが、結局は指導力につながってくる、というのである。
・・・「指導力」とは「人間力」と置き換えてもいいと思います。これは人と協力していく上で必要な能力ですね。



 二つの引用共に本物に触れる経験の意味を語っています。 
経験には、自分が実際にやってみる「体験」と上記のような受け手としての「体験」二種類あります。実際に作文の題材に登場するのは、自分でする体験が中心になりますが、目に見えない受け身の体験、一流の芸術に触れることもとても大切です。ご家族で意識的に楽しまれるのも一考ですね。



                                   
 
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