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  3月21日(月)は休み宿題(再掲)
  新学期の教材を発送します
  新学期の教材から縦書き中心に。今後手書きの活用も
  中学生の勉強法―パソコンの利用(前号からのつづき)
  高校生の勉強の仕方―大学入試は過去問を中心に勉強
  大学生の勉強の仕方―挑戦する大学生活と古典の読書を
  読書の習慣をつけるには。課題作文が負担。暗唱を黙読で覚えるが。(父母アンケートより)
 
言葉の森新聞 2011年3月3週号 通算第1167号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
3月21日(月)は休み宿題(再掲)
 3月21日(月)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時〜午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php
新学期の教材を発送します
 新学期の教材を3月17日(木)〜22日(火)に発送する予定です。
 国内の生徒で27日になっても届かない場合はご連絡ください。
 住所シールと項目シールも同封します。
新学期の教材から縦書き中心に。今後手書きの活用も
 言葉の森のインターネットでの取り組みはかなり早く、1996年に既にホームページを開設していました。作文をパソコンで書くというのも、そのころから既に行っていて、当時は、小学校3年生ぐらいの子もパソコンで作文を書いていました。今でも、そのころの子供たちの作文がウェブの中にあります。
 さて、インターネットはアメリカで開発された技術なので、当初、テキストが横書き中心になるのはやむをえないことでした。しかし、その後、インターネットエクスプローラが、縦書きやルビに対応したために、言葉の森のウェブの長文も縦書きに直しました。
 しかし、日本人技術者が最初から深く関わっていたマイクロソフト社と違い、アップル社やグーグル社は、日本語の環境にあまり対応していなかったために、現在まで、それらのブラウザは縦書きにもルビにも対応していませんでした。ところが、ここに来てやっと、縦書きに関しては、サファリやグーグルクロムも将来的に対応する見通しが出てきました。
 そこで、言葉の森の教材は、この4月から教材を縦書き中心にしていく予定です。
 しかし、ウェブの基本は横書きですから、教材も縦書きと横書きが混在する形にならざるを得ません。縦書きのページを中心に横書きも途中に入るというような作りになると思います。

 さて、日本語以外にも、縦書きの言語や、右から左に向かって書く言語などがあることを考えると、今後、テキストを入力する方法も、キーボードから次第に手書き的なものに変わってくるのではないかと思われます。
 一太郎を開発したジャストシステムの創業者が、手書き文字認識ソフトを開発しています。キーボード入力は、既に書くことが決まっている文章を清書するには向いていますが、書きながら考えるという作業には向いていません。人間が考えながら書くためには、やはり手書きがいちばんです。
 言葉の森でも、今、パソコンで作文を書いている生徒に、もっと手書きの要素を取り入れる指導をしていきたいと思っています。
 
中学生の勉強法―パソコンの利用(前号からのつづき)
 パソコンで作文を書いて送信すると、自動採点ソフト森リンの点数が表示されます。森リンの点数が高い作文は、思考力と語彙力の優れた作文です。森リンの点数は、毎月のランキングが表示されるので、自分の作文の点数を上げることを目標にして作文を書いていくとよいでしょう。

 パソコンで作文を書いている人は、入試の作文試験の3ヶ月ぐらい前から手書きに戻しておきます。手書きに戻すと、漢字を勘違いして覚えていることに気がつくことがよくあります。手書きの練習をするときは、漢字を辞書で確かめるようにしましょう。この場合、漢字は書きながら確かめるのではなく、あいまいな漢字をとりあえずカタカナなどで書いておき、作文を書き終えてからまとめて辞書で確かめて書き直すようにします。

 作文試験に書く作文には、時間制限と字数制限があります。いずれも、書くことに慣れていないと、なかなか短期間では身につきません。毎日の作文の練習でも、できるだけスピードと字数を意識して書いていくようにしましょう。
高校生の勉強の仕方―大学入試は過去問を中心に勉強
■言葉の森では、どういう勉強をするか

・高校生の作文の字数は、600−1200字です。
・1200字の作文(小論文)を60分で書くスピードを目標にしていきましょう。
・感想文課題のもとになる文章は、大学入試の現代文や小論文の課題と同じ難しさです。解説を見る前に、自分なりに書く方向を考えてみましょう。
・構成の仕方は、原因や対策を考えるかたちが中心になります。原因や対策の考え方には、その人なりのパターンができてくるので、自分の得意な発想法を見つけておきましょう。
・パソコンで書ける人はできるだけパソコンで書き、自動採点ソフト森リンの点数を上げることを目標にしていきましょう。

■高校生の勉強の仕方

 高校生は、学校の勉強で理系か文系かの選択があります。
 現代の受験体制のもとでは、自分の持っている実力を生かして合格しやすい大学に入ることが目標になりがちです。そのため、数学が苦手な人は文系を選択する傾向がありますが、数学は、時間はかかるものの、勉強の仕方さえ正しければだれでも成績を上げることのできる教科です。
 理系と文系の将来性を比べた場合、理系の方が広い可能性を持っています。数学が得意であれば、文系の大学に数学を生かして入ることもできます。文系を選ぶとそこから理系に移ることはかなり難しくなります。受験という短期間のことだけでなく、自分の将来の実力を幅広くつけていくためにも理系を選択するとよいと思います。
 文系を選んだ人は、高校時代の間に数学から更に縁遠くなってしまうと思います。数学はやればだれでもできるようになるものです。苦手だという意識を持たないようにするためには、大学生になってから、中学生の数学の勉強を教える機会を持つといいと思います。人間は、15歳のころにわからなかったことが、18歳になると驚くほどわかるようになります。言葉の森の生徒で、中学、高校と数学があまり得意ではなく文系に進んだ人が、大学生のときにアルバイトで中学生に数学を教えている間に数学が好きになり、そのまま数学の先生になってしまったということがありました。数学は理屈の世界の勉強なので、わかり始めると面白くなるのです。
 高校生になると、読書をする人としない人が更にはっきり分かれてしまいます。読書は、社会人になってからも勉強の最も重要な手段になります。高校生のときにある程度難しい本を読む力をつけていないと、社会人になってから説明文の本を読めなくなってしまいます。高校生のときに難しい説明文の本を読むと、国語の成績も当然上がってきます。読書を、毎日の生活の中に必ず取り入れるようにしていきましょう。
 高校2年生の終わりの春休みには、受験勉強の準備を始めましょう。準備の仕方は、大学入試の勉強の仕方の本を読むこと、志望校を決めること、志望校の過去問を答えを書き込みながら解いてみること、志望校に合格するための参考書や問題集を選ぶこと、1年間の勉強の計画を立てることなどです。計画は最初はおおまかなものでかまいません。やっていくうちに軌道修正していきます。
 これらの準備の中で、いちばん大事なのは、大学入試の勉強の仕方の本を読むことです。大学入試は、ほとんどの人にとって初めて経験する本格的な入試です。それまで入試の経験もある人でも、中学入試や高校入試の場合は、ある程度他人任せでやってこられました。塾の先生や学校の先生が指示してくれた路線で、本人は指示のとおりに勉強するだけですからある意味で気楽な受験でした。大学入試は、自分で計画を立てて、自分の判断で勉強をしていかなければなりません。
 予備校などではその勉強計画を肩代わりしてくれるメニューを持っていますが、そういう他人が用意してくれたメニューで勉強すると、無駄な勉強が多くなります。自分の考えで勉強の計画を立てると、最初は能率が悪いように見えますが、試行錯誤の中で次第に自分に合った勉強の仕方をしていけるようになります。また、そのようにして自分の力で取り組んだ経験は、将来の大きな財産になります。自分の力で取り組むために、受験勉強の仕方に関する本を何冊か読んで知識を増やしていく必要があるのです。
 自分で計画を立てて勉強していく場合、いちばんの頼りになるのが志望校の過去問と模擬試験です。勉強を進めていると本筋からはずれたところに時間をとられてしまうことが出てきます。ときどき過去問に戻って、自分の勉強の仕方の軌道修正をし、模擬試験で自分の位置を確認しながら勉強を進めていきます。ところで、模擬試験はあくまでも模擬試験です。模擬試験で出る合格可能性よりもあてになるのが、過去問がどのくらいの割合でできているかということです。過去問は、その年に出ている本の場合、過去7年間分ぐらいの問題しか載っていません。余裕があれば、中古のものも買っておくとよいでしょう。大学入試は、過去問を軸にして勉強していきます。そのためには、高2の春休みの段階で、解ける問題がまだほとんどない状態でも、全教科の答えを書き込みながら1年間分解いてみて、今後の勉強の方向をつかんでおくことが大切です。
 大学入試で小論文がある場合の書き方は、普段言葉の森で勉強している書き方と同じです。パソコンで書いている人は、試験の3ヶ月ぐらい前から手書きに戻して、手書きで書く感覚に慣れておきましょう。志望校の過去の問題に合わせた形で10編ぐらいの作文を書いておけば、そこで使った実例、表現、意見などを生かして入試の作文に対応することができます。
大学生の勉強の仕方―挑戦する大学生活と古典の読書を
■大学生の勉強の仕方

 大学入試は、決して勉強のゴールではありません。昔のような学歴社会では、大学に入ることがそのまま将来の職業に結びついていましたが、今はそういうことはありません。
 小学校から大学までずっと学校の中での生活が続くと、学校でよい成績を取り、偏差値の高い学校に入ることが目標のように考えてしまいがちですが、人生の本当の目的は学校に入ることではなく、仕事をすることです。大学は、今後の仕事の準備をする場です。
 こう考えると、大学で真面目に授業に出て、よい成績を取るだけでは不十分です。日本の場合、大学での勉強は高校での勉強よりも易しいことが多いので、単位を取って卒業するだけなら簡単にできます。大学生は、この余裕のある学生生活を生かして、自分の幅を広げる勉強をしていきましょう。
 そのために役立つのが、自分がリーダーシップをとるような経験をすることです。「若いうちの苦労は買ってでもせよ」という言葉があります。大学生のころは、いろいろなことにチャレンジして、自分の可能性の幅を広げておくことが大切です。
 大学3年生になると就職活動が始まりますが、就職のときにいちばんのポイントになるのが、この学生時代のチャレンジの内容です。単に勉強をしていただけとか、アルバイトを熱心にしたとか、サークル活動をがんばったというだけでは、アピールするものがありません。ただし、勉強でも、アルバイトでも、サークル活動でも、その内容に困難なものに挑戦し何らかの成果を上げたという要素があれば高く評価されます。就職活動で評価されるために大学生活を送るわけではありませんが、せっかくの4年間を無為に過ごさないように、常に自己の向上ということを考えて大学生活を送っていきましょう。
 大学時代は、できるだけ古典を読みましょう。大学の授業で指定された教科書を勉強しても、将来あまり役に立ちません。大学を卒業すれば、大学の授業で勉強したようなことはほとんどは忘れてしまいます。卒業したあとも残るものは、古典の読書です。古典というのは、岩波文庫に収録されているような歴史的に評価の定まった本です。自分の専門の分野に限らず、幅広く古典を読んでおくと、それが社会に出てからも役立つ教養になります。
 読書会は、参加するメンバーの中のレベルの低い人に合わせた集まりになりがちです。読書は、ひとりで読んでいく方が身につきます。大学生は、自由な時間がかなりあります。特に何もすることがないときはとりあえず読書をすると決めておけば、時間を無駄にすることがありません。そのためにも、いつでもどこに行くときでも読みかけの本を1冊は持っていくようにしましょう。
読書の習慣をつけるには。課題作文が負担。暗唱を黙読で覚えるが。(父母アンケートより)
▼(小2父母)読書の習慣がなかなかつきません。暗唱が精一杯で本は気が向いたら読むという感じです。書くことは好きなので楽しく取り組んでいます。読書する時間を毎日うまくとるにはどうしたらよいでしょうか。

●(言葉の森)読書が進まないのは、まだ読む力がないからです。その子の読む実力よりも難しい本を読んでいるのではないかと思います。次のようにしていくと読む力がついてきます。
1、面白いやさしい本を中心にする。
2、何しろ毎日読むことを続ける。
3、本人の読書と並行して、お母さんからの読み聞かせも続ける。
 本人が読んでいるときに、何気なく横から、「よく読んでいるね」「本、好きなんだね」などと認めてあげる声かけをするといいと思います。

▼(小4父母)課題の中に書きたいものがなく負担になっているようです。先生と話しているときはいい雰囲気なのですが、電話のあとが続きません。

●(言葉の森)書けないのは、課題のせいというよりも、作文の実力のせいです。小4以上は、自由な題名にすると、最初はよくてもそのうちにかえって書けなくなります。題名課題や感想文課題の作文を書くコツは次のとおりです。
1、課題が難しくなっているので、字数は短くてもよいと言う(驚くほど短くてもかまいません。例えば100字程度でもよい)。
2、書けたら、「難しいのをよくがんばったね」と認めてあげる(たとえ100字ぐらいであっても)。
3、書き出せないときは、お母さんが言ってあげたとおりに書かせてもよい。(事務局に電話をして追加の説明を聞かせてもいいです)
 つまり、何しろ形だけでも書かせて、「できた」という実感を持たせることが大事です。
 こういうふうにやれば、だれでも書けるようになります。簡単です。家庭だけで悩まずにご相談ください。

▼(小3父母)暗唱を、音読ではなく黙読で覚えてしまいます。毎朝やることになっていますが、たまに忘れると週末に一気に覚えるときもあります。

●(言葉の森)小3のうちは、暗唱力もあり、文章自体も読みやすいので、そういう形でもできます。しかし、文章が難しくなるにつれて、音読でないと覚えられないようになってきます。また、毎日でないと覚えられないようになります。
 毎日やるというのを子供の責任にするのではなく、子供の継続力をつけるための親の責任と前向きに考えて取り組んでいくとよいと思います。しかし、それが親にとって負担だと感じられる場合は、続けにくい自習を無理にすることはかえってよくありません。その場合は、毎日の暗唱はやめて、もっと続けやすい毎日の読書だけを確実にしていくといいと思います。

▼(幼長)電話で話した内容でないことを書くことがあります。先生のメモのとおりに書くと、前後の関係性がなくなることがあります。

●(言葉の森)小学校2年生までは、そのように勉強的な面を出さないようにしていくことが大事です。
 一応、作文の勉強なので、先生は、「会話を入れる」とか「たとえを思い出して書く」というような指導をしますが、その指導のとおりにできることよりも、楽しく毎週書く習慣をつけることの方が大事です。
 小学校低学年のころまでは、どの子も、親や先生の言うことをよく聞きますが、この時期に勉強の面であまり言うことを聞かせすぎると、高学年になってからの親子のコミュニケーションがかえって取りにくくなります。
 長い勉強ですから、低学年のころは、いつもよいところを見て褒めて励まし、その一方で、毎日の読書と暗唱の自習を続けるということでやっていってください。
 
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