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  言葉の森のfacebookに来たら、「森の木グループ」に参加を
  日本的なシェア文化で作る新しい作文教育
  「親子で遊ぼう」グループ(facebookページ)
  小論文グループ(facebookページ)
  「帰国子女」グループ(facebookページ)
 
言葉の森新聞 2011年7月2週号 通算第1183号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
言葉の森のfacebookに来たら、「森の木グループ」に参加を
 facebookを新たに始めた場合、わかりにくいことも多いと思います。
 その場合、とりあえず「言葉の森の森の木グループ」のどれかのグループに参加申請をするといいと思います。
http://www.facebook.com/kotobanomori?sk=app_133727940031125
日本的なシェア文化で作る新しい作文教育
 シェアという概念が広がっています。所有から共有へという考えは以前からありました。しかし、それが社会生活のさまざまな分野に広がり、新しい経済活動を生み出すまでになったというのが現代の特徴です。
 シェアのひとつの例として挙げられるのが、カー・シェアリングです。カー・シェアリングは、当初の予想に反して、アメリカで急速に広がりました。
 ところで、これまでのシェアの概念は、個人の所有に基づいた共有の概念で、一種のギブ・アンド・テイクでした。
 これに対して、日本に昔からあったシェアの概念は、お裾分けという言葉で表されるもので、テイクを期待しないギブでした。それは、譲り合い、分かち合い、助け合いという考えに近いもので、英語ではそれに該当する言葉はありませんでした。お裾分けを漢語で言い換えると、譲与になりますが、この譲与も、英語にはぴったり該当する言葉がありません。
 では、共有と譲与は、どこが違うのでしょうか。
 譲与の前提になっているものは、私的所有ではなく余剰です。(ダジャレのようですが)。つまり、譲与とは、自分のところに、誰かからもらいすぎたか、何かが取れすぎたかしために、ありあまっているものがあるので、それを周囲の人に分け与えるという言葉です。
 共有の前提になっているものが私的所有で、譲与の前提になっているものが余剰だとすると、その余剰を生み出しているものは創造です。「畑でトマトがたくさん取れたから、近所の人にお裾分けする」。これが、日本的な感覚のシェアです。
 資本主義は、私的所有に基づいて富を奪い合うシステムでした。資本主義の発展期には、この奪い合うことが動機となって、科学技術も経済も発展しました。しかし、今、それが環境の面でも、金融システムの面でも、行き詰まりつつあります。奪い合うことでは、これ以上豊かにならないということがわかってきたのです。
 共有というシェアの考え方が、この資本主義の枠内で資本主義に改良を加えていく考えだとすれば、譲与というシェアの考え方は、資本主義の先にある、資本主義を超えた考えだと言っていいでしょう。資本主義の先にある社会は、創造に基づいて富を与え合うシステムです。
 創造というものの最もわかりやすい形は、農業生産です。トマトは、太陽と水と空気だけで食べられる赤い実をつけます。農業の本質は、植物の持つ創造性の利用です。
 では、工業の本質とは何でしょうか。工業は、例えば、これまで人間が手作業で丸一日かかって織っていた布を、機械の力で数分で織ってしまうということです。それは、科学技術という方法が持つ創造性を利用したものです。
 工業と農業に共通するものは、この「方法」です。トマトの創造性とは、トマトが太陽と水と空気で光合成をして実をつけるという方法だからです。
 なぜ、人類が過去から未来に向けて、たえず豊かになってきたかというと、方法は、作り上げるまではコストがかかるが、いったんできてしまえば永久に無料で利用できるという性質を持っていたからです。
 そして、この方法が、農業、工業から、人間に向けて作られつつあるのが、これからの社会です。人間の持つ創造性を発揮させる方法が教育であり、その新しい教育が、これから日本的なシェア文化の中で作られつつあるのです。
 
 言葉の森では、今、次のような計画を考えています。それは、教材をオープンソースで作ってシェアし、課題や解説や指導法をシェアし、発表や交流をシェアするというシステムです。この場合のシェアは、もちろん所有を共有し合うことでではなく、創造を譲与し合うことです。
 言葉の森では、これらの新しいシェアをfacebookの中で作るとともに、それを地域社会の中にリアルに広げる仕組みを作っていきたいと考えています。
「親子で遊ぼう」グループ(facebookページ)
 言葉の森のfacebookページには、いろいろなグループがあります。「親子で遊ぼうワンワンワン」は、親子の遊びをテーマにしています。
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 親が忙しいと、普段は子供と遊べないので、たまに休日が続くと、無理をして遠出をしてくたびれて帰ってくるというパターンになりがちです。
 そういう無理な遊び方(も、たまにはいいけど)ではなく、日常的にちょっとした工夫で面白く遊べることを考えてみるといいと思います。
 そのキーワードのひとつは、自然です。
 キャンプのようなおおげさなものでなくても、近所の公園や近くの野原で遊べるものがたくさんあります。
 そういういろいろな工夫を話していきたいと思います。
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 私が公園でよく遊んでいたのがこれ。太いロープが1本あれば、どこでもブランコができます。
 でも、サクラやカキのように折れやすい木でやるのは危険。だから、親が勉強してからやる必要があります。
http://www.facebook.com/photo.php?pid=130727&l=262907e144&id=100002312073035
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 影絵遊び。準備がたいへんだけれど、いっしょに作れば楽しさ倍増。一度作った人形は何度も使えるし。厚めの黒の色画用紙、セロファン、割り箸で作れます。
 コツはあまり細かく切り込み過ぎないこと。昔話だけでなく、TVの戦隊もののヒーローや、人気のキャラクターも作ればおお喜び。声色を変えて演じれば、お部屋は劇場に。
 雨の多いこの季節、昼間から部屋を暗くして、近所の子供も呼んでいっしょに遊びましょう! ちょっと神秘的で、印象深く、美しい思い出になること間違いなし。
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 絵をかくのが好きなお父さんやお母さんにおすすめの遊び。裏ジグソーパズル。
 市販のジグソーパズルを裏返しにして、その裏側に自分の好きな絵をかくのです。
 世界でひとつしかないジグソーパズルになります。
 私もいくつか作ったけど、今、どこにあるのかなあ。
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 ペープサートって知ってる?
 紙に人や動物の絵を書いて、張り合わせ、棒につけます。裏表に絵を書くんです。それを動かしたり、裏返したりして、劇をします。簡単にできて、自由に作れてとっても楽しいです。 人気があるのは、違うお話のキャラクターを融合させて遊ぶこと。柔軟な発想でいくらでもひろがる世界です。
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 雨の日こそ、傘とカッパ・長靴でお出かけしましょう☆
家の中でじっとしていると、子どもも大人もストレスが溜まってしまいがち。
お外でかたつむり探しや、水たまり遊び、屋根から落ちる雨だれを傘で受けたり、普段とは違う遊びがありますよ。
汚れてもいい服でお出かけ→家に帰ったらお風呂やシャワーにすると、親も気が楽です(笑)
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 親子で遊ぶ最も素朴な方法。おしゃべり(笑)。
 野原で横になって空を見ながら、くだらないことを面白おかしくおしゃべりします。
 その際、できるだけ知的に、しかし、面白く話すことが大事です。
 同じようなことですが、アドリブ物語作り。夜寝るときに、子供に物語を聞かせてあげますが、最初は、浦島太郎のような話で始めて、次々に話が脱線していき、最後は全く別の話になるというストーリー。登場人物の中に、近所の子などを入れると更に面白くなります。
 アドリブが難しいときは、あらかじめストーリーを考えておいてもいいと思います。
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 記事の続きは、言葉の森のfacebookページでごらんください。
小論文グループ(facebookページ)
 言葉の森作文ネットワーク(facebookページ)のグループに、「高校大学入試小論文の岸」があります。
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 「あ」というような書きにくいテーマが出されたときのコツは、「人間の生き方に結びつける」です。
 例えば、「私は、『あ』という言葉のように、何でも率先していちばん最初に出てくるような前向きな人生を歩みたい」というような主題です。
 そして、その主題に合わせて展開する中断は、もう、。「あ」とは関係なく進めていって、そして、最後の段落で、また。「あ」という言葉に戻ってまとめるという形です。
 この書き方は、うまく決まると、自分でも驚くほどいい文章になります。
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 小論文の採点は、実はかなり大変です。
 文章力に一応自信のある生徒がそれぞれ力作を書くのですから、読む方もかなり頭脳を使います。
 そのときに、明らかに上手でなさそうな作文を見ると、ほっとするというのが、正直なところだと思います。
 その上手でなさそうな作文の条件は、
1、誤字が2か所以上あること
2、字数が短いこと
3、文章が途中で終わっていること
です。
 誤字というのが実は、通常の漢字力とはかなり違います。中学校で習う漢字が完璧にできている子でも、小学生のころに習った漢字を勘違いして覚えていることがかなりあります。
 作文の誤字は、一般的な漢字の勉強では見つけることができません。実際に作文を書いていみて初めてわかるものです。
 ですから、勉強法は、実際に作文を手で書いて、身近な人に見てもらうことです。毎週1回作文を書いて、そのつど誤字を直して、最終的に誤字がすべてなくなるのは、1年ぐらいたってからです。
 次回は、逆に、上手な小論文のコツを。
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 さて、今日は、上手な小論文のコツ。
 それは、結びの10行を盛り上げることです。
 読む人は、文章の最初の部分で、大体その文章の実力をつかみ、途中はどんどん飛ばし読みをして、結びの部分で全体の印象を決めます。
 だから、結びの10行がしっかり書いてあれば、途中多少こけていても、高評価が得られます。
 そのコツは、光る表現を入れること。
 これは、その場でももちろん思いつきますが、普段の練習でいくつも自分の得意な技(というか表現)を作っておき、それを応用することです。
 文章のうまい子は、自然に、この結びに力を入れるというコツがわかっているようです。
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 記事の続きは、言葉の森のfacebookページでごらんください。
「帰国子女」グループ(facebookページ)
 「帰国子女の原」というグループには、帰国子女の経験のある人、これから海外に赴任する人、日本に住む外国人の支援をしている人など、多くの人が参加しています。
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 帰国子女というのは、家庭での対応の仕方がかなり重要なように思います。
 学校だけに任せていると、日本語も現地の言葉もどちらも中途半端というようなことになりかねません。
 家庭での日本語環境を整えれば、日本語も現地の言葉も両方得意に、ということになるのだと思います。
 そういう経験を、実際に海外に住んだ方からいろいろ聞きたいと思っています。
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 言語能力形成のプロセスの話です。
 私は長年日系南米人の児童のサポートに関わっています。
 彼らは親の都合でブラジルやペルーから日本にやってきたのですが、日本に小学校低学年から定住しても、バイリンガルになれる子はほんの一握りしかいない。
 これは、一つは日本語そのものの難しさもありますが、言語習得のプロセスに問題があるからです。
 先ずは、一つの言語で抽象的な思考ができるまでのレベルに育成し、その後第二・第三言語を習得する方が身につく、というのが言語学者の主流の意見です。
 日系南米人の児童は、自宅では忙しい両親から母語の教育を受けられず、学校では分からないままに授業が進んでしまうため、母語も日本語も充分に使えない、ダブル・バインドの状態に陥るケースが多いです。
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 なるほど。それはありますね。
 日本人の子供が海外に行くときも、日本語である程度考えることができる年齢の子の方が、外国語の習得が早いと聞いたことがあります。(例えば、小学生の兄の方が弟よりも習得が早いとか)
 日常会話はできるが、教科学習になるとついていけないというのは、かなり大きい問題です。
 何か、具体的な解決策のようなものはあるのでしょうか。
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 今のサポート方法は、宿題の手伝いが中心ですが、日系南米人は親達・児童達も含めて日々の継続的な努力が極端に苦手です。
 サポートは基本的にマンツーマン方式で、個別の学習進度に合わせていますが、本気で勉強に取り組んでいる子は殆どいない状態。
宿題は、例えば漢字の練習ならば、意味も知ろうとせず、筆順もデタラメなので、全く身に付かない子どもが多いですね。
 親の都合で、急に母国に帰ることになるケースも多いので、サポートの時間の最後には、ポルトガル語やスペイン語の読み聞かせの時間を設けています。
 小学生低学年の時に来日して、最初の内は問題なく授業についていけたものの、学年が上がるに従ってついていけなくなる。中学に入ると、諦めてしまって、高校進学の段階で苦しむ、という場合が多いようです。
 解決策は、どんな時も支えになってくれる人の存在、そして成功事例を見て「これなら自分にでも出来る」という共感・具体的な個人の目標が見えてくることでしょうか。
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 色々と日系南米人の児童たちのダメ出しばかりをしてしまったみたいですが、彼らの気持ちは本当にピュアです。素直に喜び、よく自分の考えをぶつけてくる。
 日本の子供たちならそっぽを向いてしまうような、他愛のないおもちゃや駄菓子を大喜びで貰っていきます。そして、シャイだけどとても人懐っこい。
 そんな彼らだから、出来るだけ力になってあげたいと思うんですよ。
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 こんにちは、ニュージーランドで在住日本人児童の日本語維持に関わっています。少し質問させて下さい。
 南米からの子どもたちは、家庭以外の場所で母語のサポートを受けていないのでしょうか? 彼らの母語維持活動について、もしご存知のことがあればお伺いしたいと思います。
 ニュージーランドでは、12−3年ほど前までは、学校での英語の成績がふるわない日本人児童に対して、「家庭でも英語を使うように」という指導がなされていました。ですが最近は、家庭内言語(母語)の維持が学校での英語の学業成績の鍵になることが教育現場で広く認知され、『家庭でも日本語で話して下さい』と、180度違う指導がなされるようになりました。
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 データは、いろいろあるようです。
 日本語脳の角田博士によると、6−8歳の時期の言語環境がその子の母語を決めるそうです。
 それ以前はどの言語も、習得はしても定着はしないそうです。
 また、「バイリンガル教育の方法」の中島さんによると、11歳以降は、新しい言語を学ぶのが急速に困難になるということで、9−11歳の時期がバイリンガルの適齢期だということでした。
 だから、小1−小3の間、しっかり日本語で育てて、小4−小6の間に両方の言語に接する環境があるといいのだと思います。
 うちの子は、ずっと日本語環境だったので、実際の経験のある人にお聞きしたいと思いますが。
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