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  9月29日(月)・30日(火)は休み
  新学期の教材を発送しました。(作文クラス)
  英検、漢検に続く第三の検定試験、日本語作文検定
  2025年9月保護者懇談会資料
  第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
   清書の意義と方法
   清書の投稿
 
言葉の森新聞
2025年9月4週号 通算第1868号

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森新聞
9月29日(月)・30日(火)は休み
 9月29日(月)・30日(火)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。
新学期の教材を発送しました。(作文クラス)
 9月18日(木)に新学期の作文の教材を発送しました。
 国内の生徒で25日になっても届かない場合はご連絡ください。
英検、漢検に続く第三の検定試験、日本語作文検定
 英検、漢検を悪く言うわけではありません。
 この検定試験によって、多くの子供たちが英語を学び漢字を学びました。

 しかし、AIの時代には、英語の力のかなりの部分はAIによってカバーされます。
 また、今後、中国の発展とともに中国語が必要になったときに、新たに中国語検定に取り組みたいと思う人はいないはずです。
 AIで補える学力は、人間に本当に必要な学力ではないのです。

 漢検も同じです。
 ただ、ここで区別する必要があるのは、漢字の書き取り力と読み取り力とは性格が違うということです。
 漢字の書き取りは、すでにスマホやパソコンがカバーするようになっています。
 書き方を忘れた漢字を辞書で調べて、改めて覚え直すという人はもういません。

 必要なのは、漢字の書き取り力ではなく漢字の読み取り力です。
 しかし、読み取り力はと、知識として「玉蜀黍」や「蒲公英」が読めるということではありません。
 それは単なる漢字クイズです。

 必要なのは、「黄昏」とか「微風」とか「佇む」とかという漢字を見て、「ああ、いいなあ」とか「うんわかる」などと実感を伴ってわかる感性です。
 だから、それは漢字力というよりも日本語の母語の力なのです。

 これと似たものが数学力です。
 数学力の本質は、「物事は理詰めに考えれば理解できるはずだ」という世界観を身につけることです。

 私たちの日常生活では、理詰めに考えることが必要な場面はあまりありません。
 ほとんどは、習慣で処理したり、勘で処理したり、思いつきで処理したりして何とかなります。

 数学を学ぶ意義は、理詰めに考えることの意義と効果を実感として身につけることです。
 しかし、今の数学の多くは、試験で差をつけるための数学になっています。
 数学力として必要なことを学ぶのは小学校低中学年までで、高学年になり中学生になり高校生になると、数学力の本質とは関係のない差をつけるための難問に取り組むようになるのです。

 よく学校時代に成績の悪かった子が、社会に出て活躍していることがあります。
 その子にとって、学校時代の勉強は、社会で活躍するためにほとんど必要なかったということです。
 学校教育は、差をつけるための教育ではなく、人間が生きていくのに必要な学力をつけるための教育になるべきです。

 そうすれば、学校での勉強はもっと短時間で終わり、しかも楽しいものになるはずです。


 では、本当に必要な学力とは何かというと、それは日本語力と先ほどの数学力です。
 また、学力とは少し違いますが、共感力と実践力も重要です。

 日本語力で大事なものは、書く力、読む力、話す力などですが、現在最も学習の不足しているものは書く力つまり作文力です。
 その作文力を、子供たちの日常的な学習として取り組めるようにしたのが、日本語作文検定® です。
 日本語作文検定は、小学生から高校生まで一貫した学習として取り組めるようになっています。

 これから、英検、漢検に続く第三の検定試験が日本語作文検定になります。
 そして、作文検定は、AI時代にも通用する真の検定試験とも言えるものなのです。
2025年9月保護者懇談会資料
●家庭学習の習慣を

 小学生のうちから家庭学習の習慣をつけておくと、中学生や高校生になってからも、自分で計画を立てて勉強できるようになります。
 家庭学習の習慣がついていないと、宿題があるときに勉強するとか、塾に行って勉強するとかいう他人任せの勉強スタイルになります。
 小学生時代に、他人任せの学習生活を送っていると、中学生高校生になっても自分で計画を立てて勉強することができなくなります。

 家庭学習は、中身よりも形が大事です。
 何をやるかが決まっていて、それを毎日時間を決めてやるようにしていくことが大事です。
 第一は読書、第二は算数で、読書はあらゆる勉強の基礎になります。
 算数は、少なくとも苦手にならないようにすることが大事です。
 低学年の生徒は、暗唱も家庭学習としてできるといいです。
 暗唱ができるかどうかは、家庭学習ができているかどうかのひとつの目安になります。

●授業には遅刻しないように入る

 ほとんどの生徒は、授業の少し前にクラスに入っていますが、中に、毎週のように少しだけ遅れてくる生徒がいます。
 日本の社会では、遅刻しないことは、社会的な信用の最も重要な条件になります。
 遅刻せずに毎週時刻どおりにクラスに入る生徒は、家庭学習の習慣ができています。
 遅刻しないことは、勉強することよりも大事だということを家庭で教えていくといいと思います。

 ホンダの元副社長の藤沢武夫さんは、社員が集まる会合に参加するとき、たまたま交通機関の事故か何かで会場への到着が遅れそうになったそうです。
 そのとき、藤沢さんは、もうすでにいい年になっているはずなのに全力で走って会場に向かったそうです。
 こういうところに、その人の人柄が表れると思います。

●デジタル機器による学習で学力が低下という記事

 言葉の森は、作文の課題フォルダも、教科学習の問題集も、アナログにしています。
 デジタルは、知識や情報を検索するときには便利ですが、人間が頭に入れる学習の手段はアナログであることが必要です。
 人間がものごとを理解し、その理解を自分のものにするときは、その媒体の手触りも一緒に頭に入るからです。
 大事なものはデジタルではなくアナログで考えておいてください。

●読書は、借りて読むのが便利だが、いい本は買っておくこと

 図書館で本を借りて読んでみて、いい本だと思ったら、同じ本を買っておくことです。
 そうすれば、日をおいて繰り返し読む機会ができるからです。
 これも、デジタルとアナログの関係と同じように、いい本はアナログとして置いておくことが大事だからです。
 いい本は、子供にとって宝物のようなものになります。

●探究学習で基礎学力が低下する面

 フィンランドの自由な教育は、一時話題になりました。
 当時、フィンランドはヨーロッパで最も学力の高い国でした。
 しかし、宿題やテストをやめて、自由な学習を進めたところ、みるみるうちに学力が低下しました。
 東京でも、宿題やテストをやめた学校が、最初は新しい教育として評価されましたが、すぐに学力が低下し学校も荒れるようになったそうです。
 探究学習は、面白い勉強ですが、探究学習が中心になりすぎると、やはり肝心の学力が低下します。

 それは、なぜかというと、苦しい勉強というものがそれなりに人間の向上心を育むからです。
 ただ、今は受験勉強で不必要に苦しい勉強をしている面もあるので、両者のバランスを取ることが大切です。

●算数数学の勉強は、理詰めに考える力を育てる

 算数数学の勉強をすると、「物事は理詰めに考えれば必ず答えが出る」ということを実感として感じるようになります。
 ところが、日常生活ではそのように理詰めに考える場面はなかなかありません。
 そのため、ともすれば、理屈ではなく直感や根性や運で考えてしまう面が出てきます。
 不必要に難しい算数数学をする必要はありませんが、算数数学の勉強にはある程度の時間を取って取り組むことが大切です。

●英語の基礎は日本語

 英語の勉強は、現在ではまだ重要です。
 大学入試の総合選抜なども、小論文と面接だけでは確実な学力がわからないので、英語の点数を参考にすることが多いです。
 英語の点数は、その生徒が真面目に勉強していたかどうかがわかるいちばんの目安になるからです。

 しかし、今はイヤホンとマイクとスピーカーをセットにした携帯型の、ChatGPTのAIを利用した外国語コミュニティ端末が次々と出されています。
 英語の勉強の基本は、日本語力だと考え、英語の勉強のためにも、日本語の難しい本の読書に力を入れていくことが大事です。

●小学5、6年生の作文の勉強は、親子の対話が進む貴重な機会

 作文の課題は、小学5年生から、入試問題と同じような抽象的な課題の感想文になります。
 この感想文の勉強を、家庭での親子の対話の機会として生かしていってください。
 そのためには、お父さんやお母さんが、事前に課題フォルダの課題の文章を見ておくといいです。
 そして、できれば土日の家族の団欒(だんらん)の時間などに、課題についての対話をする時間を取るといいと思います。
 子供は、中学生になると、なかなか親子で話さなくなります。
 小学5、6年生の貴重な時期を十分に生かしていってください。

●基礎学力、総合学力、全科学力クラスは、未来のスタイルの勉強

 これまでの勉強の仕方は、国語は国語の教室で、算数数学は算数数学の教室で、英語は英語の教室でというかたちが普通でした。
 しかし、週に何日もどこかに通って勉強するというのは、能率のよいやり方ではありません。
 家庭学習の習慣があれば、週に1回まとめて学習チェックをし、質問の時間が取れればそれで十分です。
 特に、AIが利用できる時代には、勉強のほとんどは家庭でのAI学習でカバーできます。
 そうすれば、毎日余裕のある生活が送れます。
 こういう勉強スタイルが広がることを考え、今後、デジタル評価とAI評価を組み合わせた教育を行っていく予定です。

●森リンのAI講評が直りました、オシロンのテキスト化も直りました

 8月中旬から森リンのAI講評が止まっていましたが、先日(9/18に)直りました。
 オシロンも同じくテキスト化が止まっていましたが、昨日(9/21に)直りました。
 今後、森リンを活用した日本語作文検定を広げていく予定です。
 また、今後、AIを利用した推薦図書検定を開発する予定です。
第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
 内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。

 書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
清書の投稿

 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。

 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。

●小学生新聞の投稿先

■104-8433 東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係

■100-8051 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 毎日小学生新聞「さくひん」係

●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に

 新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
 その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。

※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
 
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