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言葉の森新聞
2026年5月2週号 通算第1898号 https://www.mori7.com/mori |
森新聞 |
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| ■サマーキャンプのお知らせ――川遊びと読書感想文と読書と勉強と暗唱の夏休み |
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言葉の森のサマーキャンプを、8月11日(火)~17日(月)の期間開催します。 1泊2日から、何泊でも参加することができます。 ▼詳細はこちらをごらんください。 https://www.mori7.com/stg/202608ns/ ▼これまでのサマーキャンプの写真(一部)です。 https://www.mori7.com/stg/ ▼お申し込みはこちらからお願いします。 https://www.mori7.com/jform_pre.php?f=stg2026sc |
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| ■小学生の作文の勉強で大事なこと |
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●作文力が伸びる時期と学習の目的 作文の勉強が本当に価値あるものになるのは、小学五年生からです。 価値ある作文とは、自分の体験などを基にしながらも、より広い視野での実例を組み合わせ、より深い感想や意見を書けるような作文ということです。 このような広い視野と深い意見を持った作文は、その年齢にならなければ書くことができません。 だから、作文学習で大事なことは、まず子供が小学校五年生になるまでは、楽しく作文を続けられることと、できれば中学生、高校生になっても作文を書く勉強を続けていけることなのです。 ●楽しく続けることが最優先の指導 そのための最も大事な方法は、上手な作文を書かせることではなく、楽しく作文を書かせることです。 子供はお母さんやお父さんに認めてもらうことが嬉しいので、作文を書いています。 競争に勝ったり、賞をもらったり、褒美をもらったりすることが嬉しいのではありません。 逆に競争や賞を目指すと、作文を書くことに息切れするようになります。 子供の作文は、それがどのようなものであれ、子供の成長の記録になります。 上手な作文を書くことよりも、自分らしい作文を書くことを認めてあげることが大事です。 ●保護者が行うべき三つの支援 そのために、保護者のすることは次の三つです。 第一は、読書に力を入れることで、これには読み聞かせも含みます。 第二は、小学1・2年生の間は、作文に書きたくなるような題材を企画してあげることです。 小学校3年生以上の題名課題、感想文課題の作文については、お母さんやお父さんが自分の体験を基にした似た話をしてあげることです。 第三は、子供が書いた作文をいつも無条件に褒めることです。 ●避けるべき指導と作文力の本質 これらと反対に、良くないやり方は、子供が書いた作文を手直しすることです。 手直しをして作文が上手になったとしても、それは子供の実力にはなりません。 作文の実力は、読むことや、話を聞くことや、自分の経験したことから少しずつにじみ出てくるものです。 ●発達段階に応じた関わり方 小学1・2年生の間は、どの子もほぼ無条件に親や先生の言うことに従います。 この時期は従うことが楽しいからです。 だから、小学一年生は模倣の時期と言われるのです。 子供が小学3年生になると、次第に自立心が出てきます。 この時期に、小学1・2年生のときに親が関わっていたと同じようなやり方で接すると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになるのです。 ●長期的な成果と継続の重要性 現在、中学生や高校生になって立派な作文・小論文を書いている子は、ほとんどすべて小学生のころからのびのびと褒められながら作文を書いていた子です。 決して上手に書くために、書いたあとにアドバイスをされてきた子ではありません。 作文の勉強の最も重要な目標は、継続することです。 その長続きのポイントは、小学校低中学年の時期の親の接し方にあるのです。 |
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| ■作文のデジタル評価がなぜ可能なのか |
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◆動画 https://youtu.be/PpbOa5IMaNQ ●デジタルとアナログの融合 なぜ作文というアナログなものが、語彙力評価というデジタルな方法によって測定できるのか疑問に思う人も多いはずです。 人間の感覚はアナログです。 それがどうしてデジタルによる評価と相関が高くなるのでしょうか。 話は少し変わりますが、昔のコンピューターの文字は線ではなく、ドットの集まりとして描かれていたので、いかにもデジタル的な印象がありました。 現在のテキスト文字は滑らかで活字で印刷したものとほぼ変わりません。 しかし、本質はドットの集まりです。 音楽もアナログ的な音の波ですが、それをデジタル的な数値に還元したものが、人間の感覚としてはアナログの音とほぼ同じように聞こえます。 絵画や写真や動画についても同様です。 ●細分化が埋める感覚の差 厳密に言えば、アナログとデジタルには差がありますが、デジタル的な処理が際限なく細分化されると、人間の感覚としてはほとんど同じになるのです。 さらに考えを飛躍させれば、物質の最小の単位は無限に近いほど小さな量子の集まりです。 このように考えるならば、作文に書かれた文章の質をデジタル的に解析すると、それは限りなく人間の感覚的な評価に近づく可能性があるのです。 だから問題はデジタル的な解析方法の精度であって、デジタルそのものの問題ではありません。 ●客観性がもたらす教育的効果 言葉の森は、長年の実践的な研究によって、作文の語彙の分布と密度が、人間による評価と極めて相関が高いことを発見してきました。 さらに言えば、人間の評価には細かで曖昧なところがありますが、デジタルの評価には曖昧さはありません。 人間の評価は、気分によって左右されることがあるかもしれませんが、デジタルの評価は気分には左右されません。 作文検定のデジタル評価は、まだ完全ではありません。 人間の評価と相関が高いと言っても、すべて一致するわけではありません。 しかし、それは、評価の方法によっていくらでも近づけることができます。 だから、人間の評価の感覚性のメリットと、デジタルの評価の客観性のメリットの比較になるのです。 そして、私は、子供たちの作文教育に関しては、デジタルの評価の客観性の効果がずっと大きいと思っているのです。 【参考としてAIの科学的補足】 「物質の最小の形態は量子」という部分は、量子力学の観点からは非常に鋭い視点ですが、厳密には「デジタル=離散的(不連続)」、「アナログ=連続的」という定義に基づくと、量子(エネルギーの最小単位)の存在そのものが、この世界が「デジタル的な性質」を持っていることを示唆しています。そのため、「デジタル評価がアナログな感覚に近づく」というよりは、「この世界そのものが究極的にはデジタル的な構成要素(量子)でできている」という論理展開にすると、より強固なメタファーになります。 【中根の感想】 わかったような、わからないような……(笑)。 |
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| ■作文検定のエンジンとなる森リンを開発した当初の話 |
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◆動画 https://youtu.be/MBEJHhY6smE 森リンは、作文の自動採点ソフトです。 それを開発した当初の話です。 ●作文には客観的な評価がなかった 私が子供たちに作文を教えるようになって、最初に感じたことは、子供が納得できるような客観的評価がないということでした。 数学や英語や漢字の書き取りであれば正解があります。 そういう答えのある勉強は教えてもらわなくても独学でできます。 しかし、作文には答えがありません。 それにもかかわらず、作文は評価されます。 先生によって評価されるだけでなく、コンクールによって評価されることもあります。 しかし、コンクールで評価された子はその評価が嬉しいとしても、なぜ自分がそういう評価を受けたのかがわかりません。 まして、評価されない子は、どうしたら評価されるようになるのか、皆目見当がつきません。 そのため、作文指導に熱心な先生のもとで、そのクラスだけ作文嫌いの子が増えるということが起きてくるのです。 ●黒船「e-rater」への危機感 私は、誰でも納得できる客観的な評価を目指しました。 ちょうどその時、アメリカで「e-rater」という文章評価の試みが行われていることを知りました。 そのときに私が感じたのは、アメリカの文章評価のシステムが日本に入ってくる可能性があるのではないかということでした。 かつて日本のワープロソフトには「一太郎」という優れたものがありましたが、アメリカの「Word」が日本のワープロソフトに進出することによって、結局、「一太郎」よりもアメリカ製の「Word」の方が日本のワープロソフトの主流になってしまったのです。 ワープロソフトであればまだやむを得ないかもしれませんが、日本の作文教育において、アメリカの文章評価システムが入ってくることは阻止しなければなりません。 そのために、日本で先に文章評価システムを作っておく必要があると思いました。 ●語彙の多様性と数値化の発見 そして私は急遽、子供たちの書いた作文を並べて、デジタル的な評価をすることを考えたのです。 何日も机の上にいろいろな子供の作文を並べて見比べていると、人間の感覚として上手な作文とあまり上手でない作文とがあることがわかります。 上手さの基準は、文章の密度の濃さのようなものです。 それがどのような形で出ているのかを眺めていてわかったのは、語彙の多様性があるということでした。 しかし、その多様性の差はわずかですから、人間がいくら詳しく見ても、どこの語彙が多様なのかということを言うことはできません。 それが、数値で集計すると、その差がわずかであってもはっきりと違いが出てきたのです。 ●わずか数週間・数百円で誕生した森リン ちょうどそのころ、日本の奈良先端科学技術大学院大学で、「ChaSen(茶筌)」という日本語形態素解析ツールが開発され、無償で提供されていました。 その茶筅を利用して、作文の形態素解析を行うことにしたのです。 その時までに自分は独学でPHPとMySQLの操作を学習していたので、語彙の多様性や語彙の思考性や語彙の知識性を評価する仕組みを作り始めました。 基本ができたのはわずか数週間で、かかった費用は自分が書いたプログラムをプリントして見直すための印刷代数百円か数千円だけでした(笑)。 ●検証と特許出願 言語というものは日本語でも英語でも共通のところがあるので、このソフトを英語モードに切り替えて、英語の文章を評価してみると、「e-rater」の行っていた評価とほとんど同じ評価のグラフが出ました。 それで、このソフトを日本語の文章評価ソフトとして特許を出願したのです。 これが言葉の森の作った自動採点ソフト森リンの出発点です。 ●作文検定の真の目的 だから、作文検定は、作文の評価だけを目的にしているのではありません。 その評価によって、子供たちが作文を書く目標を知り、作文を書く勉強を続けやすくなるようにするためのものなのです。 現在、森リンはすでに103,000件以上の子供たちの作文を評価しています。 ▽毎月の森リン大賞 https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php |
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