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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   軽薄短小   

 音楽作品とは本来切断してはならないもののはずなのに、それを切り刻んで差し出すコマーシャルの十五秒間は、もはや西洋近代のひとつの極限的な文化のかたちというより、おびただしく流通する商業音楽を飽食するなかでこそ光るエスニックのような新鮮さなのかもしれない。これは流れゆく音の構造を能動的に読み取り、自身の内部で構成するという体験にはほど遠いどころか、その入り口でさえないのではないだろうか。私たちは何でも一部だけを知っただけで全部を知った気にならないようにするべきだ。
 その方法としては第一に、どんなことにでも原点に関心を持ってみることだ。私はある一冊の本を読んで、その内容に惹かれたとき、その作者の本を読んでみたいと思ったことがある。前に「沈黙の春」を読んでそう思い、その作者であるレイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」も読んで、作者の私生活や自然への強い思い入れを知り、環境破壊への警鐘を鳴らした本を書いた理由も良くわかった。
 その第二の方法としては、学校教育においても物事の全体を考える場を作ることだ。数学の公式は丸覚えしてしまう人がいる。それも大事なことだが、やはりなぜその公式が成り立つのかということを知る必要があると私は思う。もし公式を忘れてしまったりすると、その問題はまったくできないということも起こってしまう。
 確かに、情報であふれているこの社会では短い情報で多くのことを知ることも必要だろう。しかし、軽薄短小とは社会の流行ではなく企業の戦略である。私たちは軽薄短小に流されず、物事の本質をとらえなければならない。

   講評   kira

 周くん、こんにちは。お笑いのネタだったか、よくテレビから「つかみはOK。」といったセリフをききます。最初が肝心なのは分かるのですが、そこで全部決まるかのような雰囲気が蔓延している気がしませんか?「ああ、知ってる、知ってる。」という相槌をたくさん打てばいい人のように思われるから、薄っぺらな「知っている」を蓄える。すると、そこに本物なんて現れないことになってしまいます。
 レイチェル・カーソンの作品を原点にむかって読み進めていったときに、はじめてそこにある大きな問題に気づかされたんだね。よく「一冊の本が彼を変えた。」といいますが、正確には「一冊の本が、彼を変える契機になった。」でしょうね。何かを成しとげた人は実に多くの書物を読んでいます。
 学校教育のありかたも、様々な制約のあるなかで、全体をとらえて考えるものであって欲しいね。勉強が進んで上級学校に進むに従って、本来ならば「全体をみる」学問になるはずが、どんどん細分化、専門家していきます。
 「軽薄短小」は企業戦略。そうかもしれないね。忙しく働きまわることが幸福であるかのようなイメージの定着。だからこそ今、社会を引退するような世代の人々が、本物を求めてスローライフするのかもしれませんね。

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