国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   いろいろな自然   スワニルダ

 「府中は緑が多くていいなー。春らしいし。あっウグイス!」
 祖母の家の周りは里山とまではいかないが、緑が多い。何年か前の春に「郷土の森」に行ったとき、「ホーホケキョ」とウグイスが鳴いていた。初めて見るというのもあるが、まるで歌を歌っているような透きとおる声に感動した。「郷土の森」の春は、桜が満開に咲き乱れ、とても美しい。そこでお弁当などを食べると、自分だけの夢の世界に入るような不思議な空間に包まれる。走り回って遊ぶのもいいが、ゆっくり景色を眺めるのも悪くはない。何か自分が急に、年老いた気がする……。(笑)絵が得意な祖母は
「せっかくだから絵をかこうか。」
と言い、素敵な景色を背景に私をかいてくれる。それは私にとって「春の記念品」だ。その後はお散歩をしながら、写真を撮ったり遊んだりと夢の時間が進んでいく。気がつくともう夕方。辺りは鮮やかなオレンジ色で、より一層春らしさを感じる。
 もっと遠くの昭和記念公園に行って、自転車でサイクリングコースを走ったときのことである。目まぐるしく変わる景色でも辺り一面に桜が咲き乱れている。風を体に受けながら自転車をこいでいると、自分も自然の一部になった気がする。秋にコスモス畑にいくと、まるで絵に描いたような色とりどりのコスモスの世界がある。祖母も母も私も声をそろえて
「はぁー。」
と感嘆のため息をつくと同時に
「きれいだねー。こんなのが都会にもあったら素敵なのにねー。」
と口々に言う。私はこのときこれこそが本当の「自然」なのだと思った。
 私の学校も都会だが緑が多い。前の副校長先生が「ビオトープ」という池を作ってくれて今では、おたまじゃくしが元気に泳いでいる。桜の木、みかんの木もあるし、職員室の上にはぶどうもある。戦前は5、6本あった銀杏も今では1本になってしまったが、100年近く生きている銀杏を見ると、自分はなんて小さい存在なんだと思う。いつもなにげなく遊んでいる校庭だが、見方を変えると様々な自然に溢れている。また、屋上にも各学年が育てた、トマト、じゃがいも、クロッカス、スイセン、チューリップなどがある。都会は自然がない、と思っていたがよく考えてみると都会にも小さな自然は沢山あるのだと改めて実感した。
 近所の公園も、こんな空間だったらいいのにな、とふと思った。そういえば、私の家から少し行った辰巳には、やはり緑豊かな大きな公園がある。こういう場所が点在ではなく、線となってつながっていくことが必要なのだろう。
 人間にとって自然とは、野生動物にとって必要なのと同じように不可欠なものだ。アスファルトを突き破るように顔を出しているたんぽぽは、健気だけれど、やはり一面に咲き乱れる野の花が見たい。

   講評   nara

 学校の話を付け加えて、話を厚くしたのだね。「緑をつなげる」という長文の主張とうまく重ねられた。都心の緑は確かに少ない。それを嘆くだけでなく、小さな自然を見つけ出すアンテナや、自分たちも作り出していこうという気持ちと行動が必要なのだね。
 メッセージ、ありがとうございました。スワニルダちゃんとは、本当に長いおつきあいだったので、こういう時期が来たのが感無量です。いろいろな作文が心に残っています。作文以外でも、スワニルダちゃんの成長を見る場もあって、心から応援していました。もちろん、これからもね。
 これからの1年弱は、心身ともに大変だろうけれど、実りの多い時間でもあると思います。来春には、一回り大きく成長したスワニルダちゃんに再会できることを楽しみにしています!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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