創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   英雄   きへあ

   
 本質的な問題にどんな点から気付くのか、そういうものがどんな状況から出てくるのかというと、それもその人の素質によるものだろう。これには、小さい時からの物の考え方、家庭内での躾、いろいろな要素が複雑に入り組んでいる。躾の厳しい家庭では、早くから親がきちんと、子供の時間というものを躾で教えるのだ。こうして、どんなに親しくてもそれぞれの立場があることを供は覚えていくのである。このような日常的で小さなことも、積み重ねによって将来の判断力の一端が育つ。それを育てるのが、家庭内の本当の愛情といえるのである。親対子な愛情は古典的で本能的なものだから、暖かい家族的な愛情がある家は幸福なのである。そこから、いい人間性が育つのだ。
このように、一人一人の人間が正しい判断力を持って成長していくには、他でもない親の愛情溢れる躾が必要なのである。
 なぜ私がこのような考えを持っているのか。その一つ目の理由は、子供は親の愛情によって、根本的なマナーや道徳感を身につけるからである。両親に口をすっぱくして言われ続けていることが、きっと皆さんにもあるだろう。私は両親にいつも「身だしなみを整えなさい」「段取りを考えて行動しなさい」と言われ続けている。私は東京の中学に通っているため、尚更しっかりしなさいと言われる。初めは何でこんなに言われなくちゃいけないんだ、と思ったりして、身だしなみという言葉が出そうになったらその場から逃げていたのだが、今では両親が私にこの言葉を言い続けた意味がわかる気がする。確かに髪をとかすのが億劫に感じることもあるだろう。耳の掃除の必要性を問いたくなることもあるだろう。しかし、毎朝人の前に顔を出すのだから、自分自身の身の回りは最低限綺麗にする必要があるのだ。今の私は、この言葉のお陰できちんと髪をとかし、耳も毎日掃除する習慣がついた。もとから当たり前のことだと言われてしまえばそこまでのことだが……。
もう一つ、私が言われ続けている言葉。「段取りを考えて行動しなさい」私はこの言葉が嫌いだ。自分がきちんと予定通りに行動できないことはよくわかっている。わかっているから、言われるのが嫌なのだ。嫌いなのだ。いつか、この言葉を理解できる日がくるだろうか。両親がこの言葉を通して私に伝えたいことを受け止めることができるようになるだろうか。これからの課題である。
 もう一度、根本的な問題について考えてみよう。「子供の成長には親の愛情溢れる躾が必要だ。」と私が思うのには、もう一つ理由があるのだ。「親から愛情を受けた子供は、他の人を愛することができるから」である。こんなデータがある。「夫婦間、親子間で本音を話しているか」という質問に、七五%の人がはいと答えている。愛情をもって接されることによって、その人自身も愛情をもって人に接することができるようになるのではないだろうか。だから人間は、深い付き合いというものができるのである。
 子供の成長の全てが親にかかっているわけではないだろう。たくさんの経験をして、様々なことを学んで、人間は成長していくものである。しかし、「英雄が歴史を作るのではなく、歴史が英雄を作る」という名言があるように、大きな大きな愛情をもつ歴史という親が、英雄を生むのである。

   講評   kira

 きへあさん、こんにちは。子どもは素直で純粋でまっ白な存在です。わがままでもあるでしょう。それを社会的に順応できるように躾けていくのが親の愛情ですね。
 子どもはそれを栄養にしてすくすくと育ち、考える力も身に付けるようになります。日常の基本的なことやマナーは、親が手本となったり、根気強く言い続けてくれることなしには習慣づかないと思います。きへあさんはご両親の躾けによって、身だしなみを正すことができ、段取りのできる女性に育ってきました。まだ、段取りは修行中ですね。料理をしていくと段取り上手になるそうですよ。
 また、そういった愛情が、その人が如何に愛にあふれた生き方ができるかに関わってきます。幼い頃の生育状況はたいへん重大で根本的な意味を持つのですね。だからこそ、本音のつきあいやコミュニケーションを皆が望んでいるのです。
 たしかに生まれ持った素養はあります。教育の格差といった違いもあるでしょう。しかし、優しいだけでなく厳しさもあわせ持った家庭での教育がいちばん大切です。それをさらに一般化して「歴史と言う親が英雄をうむ」とまとめたのは、すばらしいです!


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