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● 第二稿 (1155字) いと 2013年11月21日 16時06分
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ちょっと科学的な目線に乏しかったので、雑談的な表現を削り、内容を増量しました。
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寒い時季、周囲の気温が低くなると、水面に氷が張ることがありますね。みなさんも凍った水たまりを踏んで、パキッ、とかジャリッ、と音を鳴らした経験があるでしょう。これはもちろん、表面の水の温度が下がって凍結するためですが、より詳しく言うと水の密度の変化によって温度の低い水が上へと押し上げられ、そこから固まっていくのだという理屈があります。
また、もっと大きな湖が、一面氷に包まれることもあります。こちらは人が踏んでもびくともしないどころか、その上をソリやスノーモービルでかけ回ることもできます(もちろん氷が薄いところもありますから、注意が必要ですが)。
ところで、みなさんは、フィギュアスケートを見たことがありますか。エッジのついたスケート靴を履いて、音楽に合わせて氷の上を滑ったり、空中で何回転もするジャンプを決めたりする華麗な競技です。日本人にも、トリノオリンピックで金メダルをとった荒川静香さんや、バンクーバーオリンピックで銅メダルの高橋大輔さん、世界大会で何度も優勝している浅田真央さんなど、有名な選手がたくさんいますね。
彼らが滑るスケートリンクは人工的に製氷されたものですが、そんなフィギュアスケートを彷彿とさせる現象が、実は自然の中でも起こるのです。
それが「アイスサークル」という現象です。ロシアやスカンジナビアなど、やはり寒い地域で見られます。川の水面に白く凍った薄い氷が形作られ、それが水の流れを受けてゆっくり、くるくると回転するのです。とても神秘的な光景で、川の渦流によって起こると考えられていますが、詳しい発生原因はいまだ分かっていません。
別名として、CDやブルーレイと同じ円盤形ということで「アイスディスク」、フライパンのように平べったいので「アイスパン」などとも呼ばれます。その大きさは様々で、小さなものがいくつもできることもあり、それを上から見てみるとまるでクラゲの集団がお散歩しているかのようなかわいらしさがあります。
大きいものだと直径は四メートルほどになり、厚さ次第では普通に人間が上に乗れそうです。さらに驚くべきことには、ロシアのバイカル湖においてなんと全長数キロメートルにも及ぶ巨大なアイスサークルができたこともあるそうです。これは宇宙ステーションからの衛星写真で確認されました。
ここまでの大きさになると、まさしく天然のスケートリンク。フィギュアスケートの選手たちを集めて、大会が開けますね。選手のみなさんも、
「なんて大きなアイスサークルだ。あー、いいっすねえ」
「さー、くるっと回りましょう」
などと、はりきってくれるかもしれません。
(1088字)
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● オープン長文サンプル(その2) (1018字) いと 2013年11月21日 14時54分
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漢字の成り立ちとは面白いものです。まず、樹木の形から「木」という字ができました。それが並んで生えているから「林」、もっとたくさんあるのが「森」(言葉の森の森です)。見た目にすぐに意味が伝わり、また数字の足し算・かけ算のようでもあり、とても分かりやすいですね。
このように、いくつかの文字を集めた「足し算」で一つ漢字になっているものを、みなさんもいくつか思い出せるでしょう。たとえば「口たす口たす口」で「品」。さらに「木」と「各」をつけ足すと、「品格」という熟語になります。こうしてばらばらに覚えると、熟語や書き方を覚えるのもはかどります。
こんなかんじで、どんどん漢字クイズを考えてみましょう。「言たす言たす川たす売」ならば「訓」と「読」で「訓読」。「羊たす月たす魚たす日」で「鮮明」。「木たす田たす心たす心たす目」だと「思想」……だいぶコツが分かってきたでしょうか。
では、「木たす立たす子たす見」はどうでしょう。そう、「親子」ですね。つまり「親」とは「木に立って子どもを見る」と覚えられるのです。高いところから子どもの様子をよく見て、必要な時に助けてあげるのが親のつとめ……という心構えとしても語られることもあります。
しかし、納得できる立派な説ではありますが、漢字辞典で調べると実は「親」という字が、「木」と「立」と「見」からできたものではないことが分かります。
この字の左側は「立たす木」の組み合わさったものではなく、これだけで「シン」と読み、右側の「見」との組み合わせによって「近づいて見る」という意味を成しています。つまり元々は「子どもを生み育てる大人」ではなく、ただ単に「ちかい、ちかしい」という意味だったのです。
その後、「人同士の距離が近い」ことから「したしい」、子どもにとって「ちかく、したしい」存在ということで、やっと「おや」という意味が生まれました。つまり「親」とは、決して木の上から高見の見物をしているのではなく、むしろ子どもにもっとも「ちかい」人なのです。
ぜひみなさんも、お父さんお母さんをもっと近くに感じて、大いに頼ってみてください。まずは家族の距離をさらに近く知覚するために、みんなで料理を作ってみるのはどうでしょう。
「ママ、パパ、今日は親子で親子丼を作ろうよ。」
「おや、こんなにたくさん玉子を買ってきて。おやおや、こまったなあ。」
「マァマァ、パパッと料理してしまえばいいじゃないの。」
(1011字)
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● オープン長文サンプル(その1) (1059字) いと 2013年11月20日 14時40分
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寒い時季、周囲の気温が低くなると、水面に氷が張ることがありますね。みなさんも凍結した水たまりを踏んで、パキッ、とかジャリッ、と音を鳴らした経験があるでしょう。
また、もっと大きな湖が、一面氷に包まれることもあります。こちらは人が踏んでもびくともしないどころか、その上をソリやスノーモービルでかけ回ることもできます。(もちろん氷が薄いところもありますから、注意が必要ですが。)氷をくりぬいて糸を垂らし、ワカサギ釣りを楽しんだことのある人もいるのでは?
ところで、みなさんは、フィギュアスケートを見たことがありますか。エッジのついたスケート靴を履いて、音楽に合わせて氷の上を滑ったり、空中で何回転もするジャンプを決めたりする華麗な競技です。日本人にも、トリノオリンピックで金メダルをとった荒川静香さんや、バンクーバーオリンピックで銅メダルの高橋大輔さん、世界大会で何度も優勝している浅田真央さんなど、有名な選手がたくさんいますね。
彼らが滑るスケートリンクは人工的に製氷されたものですが、そんなフィギュアスケートを彷彿とさせる現象が、実は自然の中でも起こるのです。
それが「アイスサークル」という現象です。川の水面に白く凍った薄い氷が形作られ、それが水の流れを受けてゆっくり、くるくると回転するのです。どうして発生するのか、詳しい原因はいまだ不明なのですが、とても神秘的な光景です。
別名として、CDやブルーレイと同じ円盤形ということで「アイスディスク」、フライパンのように平べったいので「アイスパン」などとも呼ばれます。その大きさは様々で、小さなものがいくつもできることもあり、それを上から見てみるとまるでクラゲの集団がお散歩しているかのようなかわいらしさがあります。あるいは、誰かが上流でお皿を落としたのかと、心配になってしまうでしょうか。
大きいものだと直径は四メートルほどになり、厚さ次第では普通に人間が上に乗れそうです。カヌーではなく氷の円盤に乗って川下り……なんて、なかなかロマンチックですね。
さらに驚くべきことには、なんと全長数キロメートルにも及ぶ巨大なアイスサークルが、宇宙ステーションからの衛星写真に写ったこともあるのだそうです。そこまでの大きさになると、まさしく天然のスケートリンク。フィギュアスケートの選手たちを集めて、大会が開けますね。
選手のみなさんも、
「なんて大きなアイスサークルだ。あー、いいっすねえ」
「さー、くるっと回りましょう」
などと、はりきってくれるかもしれません。
(1052字)
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● 「オープン長文」第一回募集開始 (922字) いと 2013年11月08日 15時13分
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皆様、こんにちは。言葉の森講師/事務局スタッフの“いと”(ito)です。
タイトルの通り、このたびいよいよ「言葉の森オープン長文」の作成、募集を開始する運びとなりました。
今回募集させていただくのは、小学校4年生対象の「読解マラソン長文」です。
●言葉の森・読解マラソンのページはこちら。↓
https://www.mori7.com/marason/marason_sample.php
上記より、現行の小1~3年生用の長文サンプルがご覧になれますが、これらはすべて「言葉の森長文作成委員会」(講師やスタッフ)が執筆・作成したものです。
これと同質の文章をこの場から広く募らせていただき、今後、小4以上の長文もオープン長文として一新していきたいと考えております。
第一回目の募集は、来学期1月分の長文、4本。
その原作となる1000字程度の長文です。
もろちんお一人で4本というわけではなく、1本ずつのご応募で構いません。
内容的には当掲示板のはじめに書かれている通り、
1、小学校低中学年の子が楽しく音読できるような
2、説明文で(理科や社会の科学的なテーマで)、
3、文章表現がきちんとしていて、
4、易しい言葉だけでなく難しい言葉も使っていて、
5、しかも面白い(ダジャレなどがオチや、ところどころに入っている)
という条件でお願い致します。
フィクションの物語や詩、エッセイ、随筆形式のものは、申し訳ありませんが読解マラソン長文としては募集しておりません。
あしからずご了承ください。
・動物や昆虫の知られざる生態、
・宇宙や自然、機械・コンピューターに関する豆知識、
・身の回りにあるなじみ深いものの意外ないわれ、
・ことわざや漢字の由来などなど……
これぞ! というオリジナルの文章をお持ちの方、書き上げられた方は、私itoか言葉の森事務局までご一報ください。
または、この掲示板へ直接投稿していただいても結構です。
ご不明な点がありましたら、いつでもこの記事へコメント、あるいはitoへのメールや事務局へのお電話にてお問い合わせください。
何卒ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
皆様の力作をお待ちしております!
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● オープン長文スタート (418字) 森川林 2013年08月28日 03時29分
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言葉の森では、子供たちにいい長文を読んでもらうために、独自に音読長文を作っていました。
というのは、今の日本には、
1、小学校低中学年の子が楽しく音読できるような
2、説明文の本で(理科や社会の科学的な本で)、
3、文章表現がきちんとしていて、
4、易しい言葉だけでなく難しい言葉も使っていて、
4、しかも面白い(ダジャレなどがところどころに入っている)、
という文章があまりないように思えたからです。
昔は、「世界ふしぎめぐり」のような本があり、文章もていねいに書かれていました。
今の子供向けの科学の本は、子供向けということで手が抜いてあるような印象のものが多いように思えます。
この「オープン長文」では、オリジナルな1200字から1600字程度の長文を募集しています。
ここに掲載された文章は、誰でも自由に使えます。
また、ここに掲載された文章を改変してもよいことにして、そのかわり編集元の長文のリンク先を末尾に明記するようにしてください。