元の記事:高校入試ハイパー作文6.3週 (1164字)
森川林()
2018/06/10 17:16:36 8975 6 高校入試ハイパー作文6.3週
「サヨナラダケガ人生ダ」
慶應義塾ニューヨーク学院高校 2013年(ニューヨーク) 600字以内
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解説
意見の焦点がはっきりさせにくい課題の場合は、自分の生き方や社会の問題に結びつけて、意見を考えます。これを、生き方の主題と呼んでいます。
全体の4つの段落に分け、第一段落は、状況実例と意見を書いていきます。(課題のとおりに書く場合は、説明を書いていきます。)
第一段落の例。「あれは、私が小学5年生のときだった。私のいちばん仲良しの友達が引っ越ししてしまうことになったのだ。私はこれまでの友達との楽しかった生活を思い出すと、その友達がもういなくなくなることが信じられなかった。……(中略)……。しかし、私はそのときのサヨナラをただのサヨナラではなく、よりよいサヨナラにしようと考えた。人生には別離はつきものだ。しかし、私たちはその別離がよりよりものになるような生き方をすべきではないか。」など。
(課題のとおりに説明を書くとすれば)「人生には、さまざまな出会いの喜びがある。しかし、出会いの喜びは、いつか別離という形で消える。出会ったときの喜びははかなく、私たちは惜別の感情の中に生きていると言っても、言い過ぎではない。」など。
第二段落は、方法1。「そのためには第一に、いつか来る別離を考えて、毎日を密度濃く生きていくことだ。。一期一会という言葉がある。別離が悲しいのは、その別離までの時間が充実していからだとも言える。昨年、海外からホームステイに来た外国の生徒がいた。私たち家族はその人ができるだけ充実したホームステイの生活が送れるようにいろいろ工夫した。だから、最後にサヨナラをするときがとても悲しかったが、それはそれだけ密度の濃い過ごし方をしたからではないだろうか。」など。
第三段落は、方法2。「よりよいサヨナラをするために大事な第二のことは、過去に目を奪われるのではなく、新しい未来に目を向けることだ。サヨナラは、過去へのサヨナラであるとともに、未来への新しい出発でもある。例えば、日本は明治維新のとき、長年の鎖国の安定した生活に別れをつげ、新しい近代社会に歩みだした。過去の別離にこだわって生きていたのでは、私たちの生活は、このように豊かにはならなかっただろう。」など。
第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに別離は、誰にとっても悲しいものだ。しかし、それが避けられないものであるならば、よりよいサヨナラをすることが、私たちの目指す生き方ではないだろうか。」など。