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これからの教育に必要なもの―学力向上の先にあるもの 1  2012年4月12日  No.1517
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 これまでの教育の目標は、学力の向上でした。

 それは、ある程度まで成果を上げていました。

 しかし、今、新しく学力格差の問題が生まれています。学校で同じように勉強を教えてもらっても、ついてこられない子が生まれているのです。そして、それは、次第に低年齢化しています。つまり、学年が上がるにつれて、ますます学力格差が広がるような状況が生まれているのです。

 学力格差とは別に生まれているもうひとつの問題は、学力の高い子における問題です。学力にだけ目を向けて行われる教育のために、学力以外の要素が不問に付され、その結果人間的なバランスの欠けた学力だけの子供たちが育っていることです。


 この原因の第一は、学力をつけるための方法が確立していないことにあります。その結果、勉強は教えてもらっても、勉強の方法を教えてもらっていない多くdの子供たちは学力不足になり、一方、勉強だけを学校とは別の学習として教えてもらっている子供たちは、勉強以外の要素を欠落させたまま学力をつけるようになっているのです。

 この場合の勉強の方法とは、学齢期になってからの方法だけではありません。むしろ、幼児期からの過程における子供の育て方こそが教育の重要な方法です。子供たちの学力は、決してDNAなどで決まっているものではありません。学力のほとんどは、後天的につまり教育的に作られるものです。しかし、家庭における子育ての方法はまちまちなので、小学校に入学するときには既に学力の差がついています。もちろんそれは、単純に早めに塾に行って勉強したから学力がつくというものではありません。逆に早めの塾通いや、長時間の勉強は子供の学力を低下させます。家庭における子供の教育という方法がないために、広範な低学力と歪んだ高学力が同時に生まれているのです。

 将来、家庭における教育の方法が確立すれば、今あるような学力格差はなくなり、すべての子が高度な学力を持ち、しかも学力だけにとらわれない幅広い人間性も持つようになります。そのひとつの未来のイメージが、全国学力テストで上位になった秋田県や福井県の教育に現れています。学力が上位の県は、学習塾が普及し子供たちが朝から晩まで勉強に追われているところではなく、学校が毎日宿題を出し家庭がその宿題を毎日やらせるという学校と家庭の連携ができているところでした。つまり、教育の方法を学校と家庭で共有できている県が、学力の上位を占めていたのです。

 同じように、幼児期からの学力向上の方法が確立されれば、小学校に上がる段階でもう既にみんな横並びの学力をつけていることになるでしょう。だれもが高校3年生まで、学力の格差などほとんどなく全教科の学力をつけるようになるのが未来の教育の姿です。(つづく)

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