| タイミングがいい |
| ウグイス | の | 泉 | の広場 |
| 信長 | / | あえほ | 小5 |
| ぼくの頭に浮かぶ考えも、その初めはいわば卵のようなものである。温めて |
| かえるのを待つ。あまり長く放っておけばせっかくの卵も腐ってしまう。もし |
| 、卵がかえろうとしているのに親鶏のつつきが遅れれば、中で雛は窒息してし |
| まう。逆に、つつくのが早すぎれば、まだ雛になる準備のできていないのが生 |
| まれてくるわけで、これまた死んでしまうほかはない。それでそっ啄の機は偶 |
| 然ののように思われるのである。起こることはめずらしくても、起こっている |
| のである。偶然の奇蹟の起こるのを一期一会だという。読書百遍意おのずから |
| 通ず。何度も何度も考えているうちに、自然に形をあらわしてくる。 |
| 僕はゲームを買ったそのときのことである。「あ――どっちにしようかなこ |
| っちにしようかなやっぱり今はやっているこっちのソフトにしよう。けど本当 |
| に好きなのはこっちだから発売されるのを待つか予約でもするか今買うか。楽 |
| しいものは楽しいから予約に決定。」 |
| わくわくしながら数日がすぎた。 |
| けれども段々あの時はやりのゲーム買えばよかったとおもってはぎしりした |
| りもした。 |
| そして我慢が限界に来ていた頃考えてみれば後一日と開き直って寝てつぎの |
| 休日 |
| 「あっ、きょうこそは。」そして予約したゲームを取りに行ってかえって遊 |
| んでばかりいました。そしていつのまにかそのゲームをやる子が増えてきまし |
| たみんなもおもしろいようで僕のクリアした所を話しているのがおもしろかっ |
| たです。結局、僕の好きなゲームがはやったのだからまるで一石二鳥のようだ |
| 。またもしぼくが短気だったらはやりのつまらないゲームを買っていただろう |
| 短気は損気だなーとつくづくわかった。 |
| 僕は昔誕生日にミニ四駆を買ってもらった。その頃は欲しいものを買っても |
| らうのが僕の主義だったから迷わず決めたすると時期同じくいろいろな所でミ |
| ニ四駆がはやりだした事もあった。 |
| けれども考えてみれば僕が時代の波とたまたま一時的に重なるのはおかしく |
| ない。流行というのは誰かがある物を買ってそれを見て誰か違う人も欲しくな |
| りはやりだすものであり、決して歴史の流れからひょこんと出てくるものでは |
| ない。けれど僕たちの手もとの届く頃には、ねずみ算式に知っている人が増え |
| ているから。誰がいいだしっぺか分からないので流行といっているだけで誰か |
| の真似をしているのだ。しかしそうは、いってもいいだしっぺは演説でもする |
| わけではないから自分とは気づかずたまたまと思うわけである。しかし僕がい |
| いだしっぺではないことは確かである。でも何故と聞くだろう。ドミノを立て |
| ている時の倒れ止めにあたるようなものがあるのかと聞かれた時。あったので |
| ある。なんとぼくの誕生日は夏休みだからだ。ではやっぱり僕って運良い。一 |
| 番いいたいのはタイミングが命 |