| 学習能力 |
| イチゴ | の | 池 | の広場 |
| 玲子 | / | あたゆ | 中1 |
| 大型哺乳類は、限られた環境下においてのみ繁栄しうる。これに対して、サ |
| ルの仲間は、そういった身体上の特徴を持っていない。さらにまた、生まれつ |
| きの行動の仕組みが比較的少なく、様々な環境に適応しうる。したがって、サ |
| ルの仲間では、経験に基づいて外界についての知識を身に付けることが、個体 |
| の生存にとっても、また種の維持にとってもそれだけ重要になってくる。つま |
| り、サルはもともと学習する種である、と言い換えることができる。 |
| ヒトの個体の生存や種族維持は、それぞれの個体ごとの経験に基づく知識にば |
| かりでなく、文化という形において集積された他の個体の経験を摂取しうるこ |
| とにも依存している、とさえ言ってよいであろう。こうして集積された知識が |
| なければ、ヒトはいかにも無力な動物なのである。 |
| ここでの学習とは、単に学校などでする学習というだけの意味ではなく、外界 |
| の事物、自分自身、及びその関係についてのある程度体系だった情報も含む。 |
| ヒトは、このような情報の体系を持つことによって生きのびてきたのだし、ま |
| た、現在の社会でもこうすることによって初めて有能に行動しうるのである。 |