| 真冬咲き誇る美しい花 |
| ウグイス | の | 泉 | の広場 |
| ナズナ | / | あもせ | 小5 |
| <img |
| src="http://www.mori7.com/izumi/ib/ib000502/img20000601184007.gif"> |
| 花と言うと思い出す事があります。私が四年生のころ漫画クラブで藤田遙ち |
| ゃんがかいた漫画です。私は漫画クラブに入っていました。私はクラスで漫画 |
| が一番うまい子でした。ところが遙ちゃんは女の子の絵はうまいのに漫画にな |
| るとさじを投げるのです。 |
| クラブの日です。またまた遙ちゃんは部長に「ボツ!」と言われ、しょんぼ |
| り書き直したのです。それから、お友達には「もう少しお話を考えた方が良い |
| よ。」といわれました。遙ちゃんの漫画を読んでみると、題名は「枯れた花」 |
| とかいてありました。中身は主人公の佐藤れいかという子がいて、その子は漫 |
| 画を雑誌に何回も投票しているのに一回も賞を取った事が無いのです。そして |
| 、その子にはライバルが居ました。森本文といい、絵も漫画もうまいから部長 |
| が気に入っている子でした。そして今回の漫画も文だけ上手く行き、れいかが |
| 「あいつさえいなければ」と思う話でした。 |
| 遙ちゃんの漫画の逆に、私はちゃんとオーケーされたのでまるで現実に話が |
| 出たのかのようでした。みると、私はめんくらいました。なんと遙ちゃんの「 |
| 枯れた花」の登場人物がかき消されていました。森本文の部分が若菜とかかれ |
| 、れいかのところに遥と。遥ちゃんがそんな事を思っていただなんて知りませ |
| んでした。私はみんなにうまいといわれていました。そのたびにうれしかった |
| のですが、影では「あいつさえいなければ」と思われていたんだと胸が張り裂 |
| けそうでした。それは森本文のような私では仕方ないでしょうが。 |
| 次のクラブの時だって話は変えず、遥ちゃんはひたすらと絵だけを書き換え |
| ていました。その度にクラスで一番上手い私は遥ちゃんが一生懸命に絵を上手 |
| くしようとしている気持ちなんか一欠けらすら理解できません。しかし私でも |
| 理解できたところがあります。それは題名です。題名の「枯れた花」とはきっ |
| と漫画が上手く書けないため、部長に「ボツ!」といわれしょんぼりしている |
| すがたでしょう。また枯れた花は二度と美しく咲き戻れませんから何回やって |
| も「ボツ!」と言われながらも書いているという姿でしょうと思います。しか |
| し私はそれだけではないと思うのです。いくら枯れたからって花は古くなった |
| ものを捨て、枯れる前に芽を落とし、やがて新たな美しい花を生むのです。遥 |
| ちゃんは「うらむ気持ち」や「おちこぼれ」のほかに「新しいもの」も考えて |
| この題名にしたのでしょう。 |
| そして一年後。遥ちゃんは「枯れた花」を辞めて「真冬咲き誇る美しき花」 |
| となりました。gペンや丸ペンも新しくし、固まったインクの入ったインクビ |
| ンを捨てきらきら光った白インクにしました。 |
| また、それは漫画だけではありません。それはサッカーだって試合に負けて |
| も、また次の試合でがんばろうとすれば良いのです。それは勉強だってどんな |
| に苦手なものだってそれは一緒なのではないのでしょうか。 |
| がんばろうと思う気持ちであるこそどんな災難だって乗り越えられるのです |
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