| ものの存在 |
| アジサイ | の | 村 | の広場 |
| はるる | / | くあ | 小6 |
| いつでもきまってくずかごが、きっとひとつは置かれているはずなのに日々 |
| に欠かせぬ家具として重んじられているとはいえない。わたしたちはどうかす |
| ると、くらしというのは、手に入れるものでつくられるのだとかんがえる。く |
| らしにめりはりをつけるのは、何が不必要なのかという発見なのだ。そして、 |
| ようやく部屋の片すみにおきわすれたままのみすぼらしいくずかごに目をとめ |
| て、どれほどこの日々に欠かせぬ仲間のかとをないがしろにしてきたことか、 |
| いまさらのように思い知るのだ。部屋におおきなくずかごを一つ、こころのひ |
| ろい友人として置くだけで、何かが変わってくる。くらしがしゃんとしてくる |
| 。 |
| このまえ、私は、自分の部屋の整理をした。そうしたら、いろんな物が出て |
| きた。幼い頃好きだったアニメのバッチから、 |
| 亡くなってしまったおばあちゃんからもらった人形があった。はっきり言え |
| ば、ガラクタの山だ。ちりもつもれば山となるというが、これは山になりすぎ |
| ていた。そこで、私はそれらのものを、すべて捨ててしまおうと思った。しか |
| し、なぜか捨てられなかった。 |
| 「あっ。これでよくあそんだっけなあ。」 |
| 「うああ。なつかしい、まだあったのか。」 |
| 懐かしいと思ったものは、左によけておいていたら、捨てようと思ったもの |
| のほうが少なくなってしまったのだ。はじめてそのものたちの大切さがわかっ |
| たようなきがした。 |
| 人間というものは、そのものとはじめて向き合った時に、そのものの価値、 |
| 大切さがわかるのだ。。家にかえったら、もう一度ものと向き合って見ようと |
| 思う。 |