| 家庭訪問 |
| オナガ | の | 村 | の広場 |
| でこはげ | / | かな | 小6 |
| 私はあらためて自分の部屋を見渡してみた。昨晩母が苦労して片づけたおか |
| げで、かなり快適そうな子供部屋になっていた。私とは、どこをとっても異質 |
| な子供の部屋である。 |
| 明らかに急激に片づけたとばれる気がする。日常とは違う、問ってつけた空 |
| 気が充満している。だが引き出しを開けてみると昨日捨てなかった小物類がご |
| ちゃごちゃと入っていた。一見綺麗に見える部屋でも引き出しを開けるとこん |
| なモンである。所詮、茶番に過ぎないのだ。 |
| この前、家に入った瞬間、ああ、今日は家庭訪問かと一発でわかった。なぜ |
| かというと、居間が綺麗に片づいていて、母がごろごろと粘着テープを丸めた |
| 者を転がしていたからだ。 |
| 居間はこのように綺麗だったが勉強部屋は、いつものように、ゴチャゴチャ |
| だった。毎日片づけようと努力しているのだが、一行に片づかない。言うは易 |
| し行うは難しと言うことわざのようだ。しかも、一番気になるのが、ものすご |
| く中途半端に片づけてあるということだ。 机の上が綺麗になっているのに、 |
| 机二号・三号は、プリントや鞄がごたごたに積み重なっている。たぶん、二号 |
| ・三号まで手が回らなかったのだろう。(本当は自分でかたずける物なのだが |
| …)しかし先生が来る前に、私はとっとと逃げ出すのだった。 |
| 先生が家庭訪問のことについてこのようにはなしていた。 |
| 「昔、家庭訪問に行く前日に『俺ショートケーキが好きなんだ』っていった |
| ら、次の日に家庭訪問行った時一人目のうちでショートケーキが出て二人目の |
| うちでもショートケーキが出て、あ、やばいかなぁと思って次の家に言ってみ |
| たらそこでもショートケーキが出て、断るわけにも行かず全部食っちまったよ |
| 。(笑)」 |
| あと、どこの家でも飲み物が出て、トイレに行きたくなったとか、酔っ払っ |
| た人が酒を出して先生が |
| 「勤務中ですから」 |
| と断ったら |
| 「俺の酒が飲めねぇってのか」 |
| といわれて困った話などいろいろあった。 |
| 私は、片づけは毎日やったほうがよいと思う。人間とはやるまでがめんどく |
| さくても、一度やってしまえば案外はやく終わるし、家庭訪問の時に慌てなく |
| てもすむものだと思った。 |