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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   壁から道へ   れもん

 小学校低学年の頃、母とクラシック音楽の演奏会に行ったことがある。その頃の私はあまり、音楽に興味がなかった。ただ静かに大人しく聞いているのも、退屈だったので、シンバルが鳴る度に耳を塞いでいたら、母に注意された。「芸術」特に「音楽」の分野では、沈黙が非常に大事にされる。演奏会では観客席の照明は落とされ、暗闇の中に浮き上がる舞台に皆が注目する。演奏者は完璧な演奏を観客に聞かせることに達成感を得て、観客は完璧な演奏を聞くことに、満足感を覚える。しかし、裁判の陪審員制度が2009年から実施されるなど、最近では参加型の形式も増えている。裁判の陪審員制度には、賛否両論あるが、提供する側と受け取る側の隔たりを無くすという意味では、良い傾向だ。私も将来、何かを提供する側に立ったとき、積極的に観客が参加できる環境をつくっていきたい。
 そのためには第一に、上にたつ人がやりすぎないことである。多くの人が関われば関わるほど、物事は複雑になり、上にたつ人の思惑通りに進まないことも多い。学校で話し合いをするときなど、少人数の班ならば全員積極的に参加するが、大人数になると派閥ができてしまい、結局少人数で物事を進めてしまうことがある。しかし、それを統治するのが、本来のリーダーの仕事なのだ。少人数で手際良く済ますことを求めないで、大人数で参加することで得られる質を求めるべきだと思う。
 第二には、参加による混乱を恐れないことである。ピカソは、自分の絵は誰かに観賞されることにより、完成すると言った。絵や俳句など、特に抽象的な作品は、創作者の意思とは異なる捉え方をされることも多い。しかし、それを拒み恐れずに、ピカソのように受け取る側によって広げられていく世界を楽しむ姿勢が大切なのだ。無論、分かりやすく伝える努力も怠ってはいけない。しかし、絵や俳句など芸術の世界では、見られることにより新たな可能性が生まれるものだ。
 確かに、静かに聴取する空間があっても良い。しかし、それが一方的な押し付け、提供者の自己満足にならないように、観客に参加してもらう必要もある。家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものなのだ。これからは、提供者と受け取る側に作られた壁を無くし、互いに行き来できる道をつくるべきだ。私もまたいつか、母とイベントに行くことがあったら、反応の悪い母を注意したいと思う。(笑)

   講評   nane

 密度の濃い書き出し。主題もよく消化している。
 将来、大きい組織のリーダーになったとき、この参加型の経営を思い出してやっていこう。もう既にそういう面があるかも(笑)
 名言は、今度から、自作名言で決めてみよう。
 書き出しの結びでまとめたんだね。


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